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キッズラインの事件に思うこと

私には2歳と5歳の子供がいます。
私も夫もフルタイムの共働き家庭です。

「理想の子育て環境」を考えたときに思いつくことはいろいろとありますが、「子育てについて頼れる第三者が近くにいること」というのもとても大事だなあと日々感じます。「子どもが病気のとき」のような限定されたタイミングだけではなく、ちょっとした用事のときに2-3時間だけでも子供を見てくれる人がいると助かるなあ、と思います。

ただ、実際には頼れる親戚や身内は近くには住んでいないので、私と夫で時間のやりくりをしてなんとか面倒を見ています。私たちはそれでなんとかやっていますが、例えばシングルマザー、シングルファザーの家庭や、両親のどちらかが激務でワンオペ育児をせざるをえない家庭では、より「頼れる第三者」の存在が必要なのではないかと思います。

そして、そういった人の味方として「キッズライン 」は期待されていたのではないでしょうか。

先日、キッズラインのシッターが依頼者の子供に性的な虐待をするという事件が立て続けに明るみに出ました。

事件の詳細は上記に記載されていますので詳しくは述べませんが、今振り返ると、キッズラインは面接の仕組みや評価の仕組みなど問題点が多々あったのだなと思います。それにも関わらず、内閣府の補助対象とはなっており、普通の親からすれば「危ないプラットフォームであるか」かどうかの判断は難しかったのではないでしょうか。

キッズラインのビジョンについては私も共感する部分も多く、キッズライン というサービス自体を断罪するつもりはありません。また、預けていた親に対しても「親が無責任だった」とも思いません。ただ、今思えば改善できる点はいろいろとあったのだと思います。キッズライン側も、私たち親も、今回の事件からしっかりと学び、二度と次の事件が起きないように対策をするべきです。

親側の心がけとしては、以下の記事が勉強になりました。

キッズライン側としては、今度どのような安全対策を実施していくのかを明確に説明していただきたいと思います。(一時的な対策として実施されている男性シッターの排除というのは、かなり的外れな対策だなと感じています。)

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ただ一方で、本当に理想とすべき社会はキッズラインやベビーシッターがいらない世の中なのではないかなとも思います。

今、私が仕事をしながら子育てをしていて「誰かに頼りたい」と思う瞬間は大きくは二つあって、一つは子どもが病気になって保育園に行けないとき。もう一つは仕事が時間内に終わらないときです。

子どもが病気になったときについては、本当は「子どもが病気なら親は仕事を休んでもいい」という世の中になった方がいいのではないかと思います。経営者や同僚の目から見ると「子どもが病気だからって休まれると困る」と思ってしまうのは当然なのですが、一方で社会全体でそのような考え方が蔓延してしまうと、より子供を生みづらい社会になってしまうのではないかと心配になります。

また、時間内に仕事が終わらない問題についても、社会全体として「時間外の業務はしない」がスタンダードになった方がいいのではないかと思います。私は営業職なので特にそうかもしれないのですが、営業時間外にも平気で顧客から電話がかかってきます。そして、余裕があるときは対応をしていますが、本当は対応しない方がいいのだと思います。業務時間外の仕事はマナー違反、と言う認識が世の中で広がれば、保育園のお迎えに間に合わない、ということもないのかなと思います。

もちろん、上記について個人レベルでの対応は可能です。例えば、「私は子育て中なので、17:30以降の連絡はお受けできません。その代わり業務時間中にきっちり結果を残します」と宣言して関係者全てに納得してもらう。もしくは、時間の融通がききにくい営業職から別の部署あるいは別の会社に転職をする。このような対応も可能でしょう。
ただ、全てが「個人の努力で対応」となると、やはり子供を生むことのハードルが上がってしまうと思うのです。

子供はやはり大事です。「かわいいから」というレベルではなく、国の経済や文化の発展という意味でも子供は増えてくれた方がいい。ただ、実際の労働環境が、この認識のもとで運営されているかといえばそうではありません。

「私たちは未来をどんな世界にしたいのか」を改めて考え、少しずつよりよい世の中にしていけるといいなと思います。

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