ある日の夜

昨日は愛に触れてしまったから凄く嬉しくて暖かかったんだけど、その分辛くて動けなくて世界から身を潜めるように眠りについた。

目が覚めて、朝が来ててよかった。
誰にも殺されず夜を越せた。

あの日は、帰ってパジャマも着ずに布団に入って、深呼吸して身を潜めるので精一杯だった。
気を紛らわす為に、この世界から逃げる為に、映画を見ようと一瞬思ったけれど、逃げる事は出来ないと思ったから、ただ呼吸を整えて身を潜めるしかなかった。他の世界に触れたら膨大な何かに殺されそうだと思った。

何かは朝起きたら気配がなかったけど、ずっと何処かに潜んでて、私を時々脅かしてくる。
昔より気配が強くなったな。
いつか捕まえて殺せるかな。

でもとりあえず、おはよう。おやすみ。おはよう。おやすみ。


追記(2021.08.01)
多分、脅かしてきてるのは未来だ。
未来から逃げるには、過去という概念も忘れて、未来も見ようとしないで、今だけに注視するしか方法がないから、この時はただ呼吸を整えるしかなかったんだろうなと思う。

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