完結した過去作の続きを描くということ
このマンガは私の連載デビュー作『俺はまだ本気出してないだけ』の完結から数年後の話だ。
この遠い昔に描いた作品の結末には我ながら納得していたし自信もあったので、出版社からの正式な続編の打診も丁重にお断りし続けていたし、私自身「続きを描くことはありません」と公言していた。
また、これは個人的な考えですが漫画家としても一人の読者としても完結した作品(自己作にかかわらず)の続きを描きたいとも読みたいともまったく思わない。
「もういいよ。だったら新作(描きたい)読ませてほしいんだけどな」って言うのが本音だ。
理由は二つあって「さすがに飽きてしまう」のと「せっかくの結末の余韻が損なわれる」が私にとっては大きな理由になる。
でも、私は完結した過去作の続きを描いた。
シンプルに言うと、世界的なコロナ禍で辛くて不安な読者の人たちが少しでも息抜きになって楽しんでもらえるなら私の上記した個人的こだわりなど本当にどうでもいいからだ。
もちろん、この作品を愛読してくれていた読者の中には残念に思う人も少なからずいることもわかってはいるつもりだ。
申し訳ない気持ちはあるし、自分自身にもまったく戸惑いがないと言ったら嘘になる。ただ、少しでも喜んでくれる人たちを今回ばかりは優先させて頂いた。
せめてものお詫びとして、オフィシャルにではなく出版社にも託さず無償で読んでもらおうという発表方法をとったことで私自身も気持ちの帳尻合わせをさせてもらった。
ここからは余談になるけれど、想像通り一度作った話の続きを描くのは簡単だった。それと、もっと自分自身抵抗があるかと思ったが描いてみたら意外と抵抗感は少なかった。
「少しでも喜んでくれる人がいれば」という動機と発表方法が良かったのかなと思う。
以下、続編マンガを載せておくので読みたい方はどうぞ読んでみてください。当たり前ですが『俺はまだ本気出してないだけ』が好みだった方にはつまらなくはなりようがないので。
・ 『俺はまだ本気出してないだけ』全5巻を未読の方は楽しめないので、まずは完結済みのマンガを読んでから読んで頂けたら幸いです。
※『マンガワン』というコミックアプリで無料でお読み頂けます。(各巻の巻末おまけコーナーは単行本のみでしかお読み頂けません)
今後はもっと新作を読んでもらえるように健康を取り戻し、しっかりと創作活動ができるように日々のリハビリに集中致します。
青野春秋 2021/1/5
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