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スタートアップが「覚悟を持つ言葉」を決める意味〜Spreadyタグラインリニューアル記念対談(前編)

こんにちは!Spready noteチームのライター成瀬です🙋‍

記事での発信が久しぶりになってしまいましたが、改めて2020年1月23日にSpreadyがリニューアルしました🎉
(実はここ毎週はラジオ「スプレディオ」を収録して配信しています。ぜひそちらもお聴きください!)

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Spreadyは、ご縁つなぎプラットフォームから「コラボレーションSNS Spready」とし、

信用でつながる。信頼ではじまる。

という新たなタグラインもできました。

Spready note もこのリニューアルをきっかけにより「信用と信頼」を意識した人とのつながりをテーマとして発信していきます。

さて、このタグラインを決める時に携わっていただいたのが株式会社サインコサインCEOの加来幸樹さんです。Spreadyのタグラインだけでなく、数々の有名企業の理念やブランドミッション等々の作成を手がけてきた加来さん。
どのようにタグライン制作すすめていったのかなど、当時を振り返りながら、加来さんとSpreadyの佐古の2人で話しました。

加来 幸樹さん
サインコサイン / 代表取締役CEO
1983年福岡県生まれ。九州大学芸術工学部卒業。2006年にセプテーニに新卒入社し、デジタルマーケティングのクリエイティブ領域を中心に様々な顧客の課題解決を支援した後、2018年にサインコサインを設立。「自分の言葉で語るとき、人はいい声話す。」を信念に掲げ、多様な関係人間たちとともに、覚悟の象徴となる言葉などの共創を通じて企業や個人の「覚悟」をデザインしている。

タグラインってそもそもなに?

佐古:まずは、そもそもタグラインってなんでしょうか?
加来:タグラインは「そのブランドやプロダクトがどんな価値を提供出来るのか、するのか」を宣言する短い文のことです。ミッションやビジョンともちょっと違うんです。

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加来:今回、佐古さんとご一緒したのはタグラインでしたが、それ以外にも僕が仕事で扱う「言葉」は、上の図に掲げているようなものが多く、共通しているのはどれも「覚悟」の言葉なんですよね。じゃあ何のための覚悟かというと、サービスやプロダクト、そして会社をこれから運営していくために必要な指針としての覚悟なんです。ここで覚悟を決めて前進するために必要な言葉を一緒につくっています。

覚悟の言葉はなぜ重要なのか

佐古さん:でもなぜ、タグラインをはじめ「覚悟」の言葉がスタートアップにおいて重要なのでしょうか?

加来さん:特に最近は時代の要請も大きいかなと思っています。現代の世の中ってとてつもない早さで変化が進んでいますよね。ありとあらゆるものがコモディティ化していくスピードも早い。今までであれば「正解」と信じられていたレールも見えなくなり、ルールも日々変わっています。オリンピックが延期になるなんて誰も想像していなかったはずです。

そうした変化に対応することはもちろん、明確な正解がないからこそ、自分たちが変わらずに大事にしていく軸を持つことが大事になってきます。文化や価値観もどんどん多様化していて、それを受容し認めていく社会。

だからこそベンチャーとして起業しても新規事業を立ちあげても「存在意義=なぜ存在するのか、必要なのか」が問われているんじゃないかなと。おそらく、みなさん最初はそういう想いを心にもっているのですが、言葉にして外に表現しているかところはまだ少ない気がします。

そういった存在意義を表すタグラインや企業理念を言語化したことはあらゆるものに影響するすべての起点として必要になっています。

佐古さん:起業前からもスタートアップに長く携わってきましたが、確かにタグラインに関する意識の潮目が若干変わってきたと感じています。例えばメルカリさんのミッションは

新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る
世の中では多くのモノ・サービスが生産・販売されていますが、誰かには価値があるのに捨ててしまうなど地球資源の無駄になっていることが多いと私たちは考えています。地球資源が大切に使われ、誰もが豊かに暮らせる社会の実現を目指して、個人間で簡単かつ安全にモノを売買できるフリマアプリ「メルカリ」を日本とアメリカで展開しています。

あくまで想像ですが、これって「私たちのサービスはこんな風に社会の課題を解決して、○○な世界を作りたい。だから社会にとっても必要なサービスなんです」とちゃんと自分たちで社会との関わりを説明していますよね。いわゆるSDGs的な文脈とも合致していて、フリマアプリとだけ言われた印象とは大きく違うと思います。

加来さん:たしかに、潮流の変化でいくとICC(スタートアップのイベント)で開催されているスタートアップのピッチコンテストでも、まずは社名の由来、目指している世界観などをストーリーテリングしてサービスやプロダクト紹介をするピッチが以前より増えてきているなと体感としてあります。そして、もう1つは僕みたいにタグラインや理念を一緒につくっている仕事をしている人と出会うこともすごく増えてきたんです。

加来さん:以前noteにも書いたのですが、よく「名は体を表す」と言いますが、それは「良い名のもとでしか良い体がつくり上げられない」からこそ、そのような言葉が生まれて今でも使われていると僕は考えています。

佐古さん:なるほど。実はSpreadyってサービスが出来る前にミッションを含めてコーポレートサイトはきっちり作っていたんですよね。そういう意味では「名」をちゃんと示していたからこそ、実はCTOの守であったり、エンジニア含めこの規模にしては採用が非常にスムーズに進みました。

そういう観点でも「名は体を表す」を実感しますし、「名があるからこそ、体ができあがっていく」という意味で、スタートアップが早くからこういった理念やタグラインを早くから作っておくことのメリットはあるなぁと思っています。

タグラインはどうやって作るの?

佐古さん:加来さんって、Spreadyを含めて多くの企業のタグライン作ってると思いますが、どういったプロセスで作り上げているんですか?

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(事例紹介)
加来さん:こういう言葉っていわゆる自分の作品として考えて作り上げる方もいると思うんですが、僕はあんまり作品として言葉を作っている意識がないんです。あくまでその瞬間、考えている当事者の壁打ち・相談相手であり、お手伝いをしている感覚です。

本人が見てみぬフリをしている部分とか、頭ではわかっているけれども、言語化できないこと。いかにその部分に気付かせてあげられるかが大事だと思っているので、僕はあくまで共創のパートナーなんです。

だからまずは相手にオープンに語ってもらいますし、ポジティブな共感をしながら、本質的な価値を探しに行く。僕ひとりで考えて作ったものにフィードバックをもらうのではなくて、当事者のメンバーと対話を何度も何度も重ねてともに作っていく。そのためには、イメージしてもらいやすいような具体的な使用例を出してみたり、モノサシを明確にしてA案とB案を比較してもらったり。

こんなプロセスを経ているんですが、一番大事なのは最後に自分たちで決めてもらうこと。やっぱり覚悟を持つ言葉は自分たちで決める。決められないならまた戻ってプロセスを繰り返す。僕は決めないので、だから作品というように思わないのかもしれないです。

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佐古さん:思い出してきた、たしかにこんなプロセスでやりましたね。自分たちで決めるにしても、選択肢やヒントをたくさん引き出してもらえてすごく助かりました。やっぱり自分たちだけだとどうしても決められないし、決めたとしても独りよがりになってしまうんですよね。

まとめ

タグラインってなんだろう?と思っていたのですが、覚悟の言葉、と言われるとしっくりきますよね。後編では、ボツ案も含めて、Spreadyのタグライン策定について公開していきます!

おしらせ

Spreadyのサービスサイトを更にリニューアルしました。
ログインするとまた変化を感じるのでぜひサイトにもきてみてくださいね♪

取材日:3月4日


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