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〈前編〉sprayerメンバーが選んだ2023年リリースベスト5

2023年8月8日に本格提供を開始し、世界180カ国以上のリスナーに個性豊かな作品を届けてきた音楽ディストリビューションサービス「sprayer(スプレーヤー)」。ローンチ1年目の今年は、クリエイティブチーム"MAKES"による制作サポートの開始、15秒楽曲コンテスト『ICHIGOICHIE - SEED -』の開催などを通して、アーティストの活動を支え新たな価値を引き出すサービスの基盤を築いてきました。

本記事では、そんなsprayerの運営スタッフたちが心を掴まれた2023年のベストリリース(アルバム・EPまたは楽曲)5選を紹介。前編後編の2本立てでお届け。年末年始のお休み中、新たな音楽と出会うきっかけになれば幸いです。

後編はこちら



プレイリスト


よーた

プロモーター(「ICHIGOICHIE」企画)

  • cero『e o』

  • Troye Sivan "Got Me Started"

  • 長谷川白紙 "口の花火"

  • CRCK/LCKS『総総』

  • 04 Limited Sazabys 『Re-Birth』


cero『e o』

2004年に結成されたスリーピースバンド、ceroの5年ぶりとなるアルバム『e o』。どの曲もとにかく音やメロディが心地よいです。どこか知らない街を歩くような、夢を見ているような浮遊感を感じられます。初めて訪れた場所や駅で聴くと最高です。


Troye Sivan "Got Me Started"

オーストラリアのシンガーソングライター、トロイシヴァンのシングル。特徴的なメロディーから始まり、軽快なステップと滑らかなボーカルが淡々と駆け抜けます、まさにジャケット絵の如く。気が付けば何周もループ、頭から離れなくなります。MVもとてもおすすめです。


長谷川白紙 "口の花火"

インターネットを拠点に活動を始め、音楽の奇抜さ前衛さが特徴的な長谷川白紙。レーベルBrainfeederからリリースされたこの楽曲は、今まで見られた複雑なリズムに加えて、より過激かつ繊細なボーカルが綱渡りのようなバランス感覚で絡み合っています。こちらもMVおすすめです。


CRCK/LCKS『総総』

2015年に結成されたポップバンド、CRCK/LCKSから約3年半ぶりの新作となる5枚目のEP『総総』、その中から「AfterImages」です。ジャズやR&Bの色を感じつつも、どれにも属さないポップスサウンド。透明感のあるボーカルとノれそうでノれないテンポから始まり、「縞々だ」から弾けるギターサウンド。焦らされて解放される感覚に病みつきの一曲です。


04 Limited Sazabys 『Re-Birth』

2008年に結成したバンド04 Limited Sazabysのセルフカバーアルバム『Re-Birth』から、人気曲「swim」をクラムボンのミトがアレンジをしたアレンジ楽曲です。原曲のパワフルさと打って変わり、アコースティックで生楽器が特徴的ですが、共通して生命力を感じる素敵なアレンジです。原曲とアレンジを行ったり来たり泳いでみると、元気が湧くかもしれません。



Rara

公式SNS中の人、アーティストパートナー(「naresome」編成)

https://x.com/Rara_oto

  • CheChe 『Bab』

  • FORD TRIO 『LET THEM KIDS SEE』

  • ひとひら 『つくる』

  • CHAI 『CHAI』

  • 離婚伝説 『愛が一層メロウ』


CheChe 『Bab』

Xで「Wait a minute」のMVが流れてきて一瞬で惚れ込み、このEPは本当に何周も聴きました。キャッチーだけどロックでありファンク。ライブでもっと好きになれるバンドなのでしつこいくらい人にオススメしています。皆さんCheCheのライブに行きましょう。


FORD TRIO 『LET THEM KIDS SEE』

タイのファンクバンドFORD TRIOのアルバム。Helsinki Lambda Clubの橋本さんとのコラボ曲「เปล่าเลย (なんにも)」はじめ、「1-100」「RADUB」「TAI TAI」...本当に私の"好き"を突いてくる。タイ語1ミリもわからなくてもこんなに好きになれるなんて、音楽って素晴らしいなといつも思います。


ひとひら 『つくる』

「つくる」で始まり、「こわす」で終わる。流れるように12曲が終わる、1つの作品として芸術的なほどに完成されている作品。普段は曲単位でプレイリストで聴くことが多いですが、これだけは絶対にアルバムで、この流れで聴いています。リリパで轟音を浴び、終わってからもしばらくドキドキしていました。


CHAI 『CHAI』

「CHAIによる『CHAI』なんて期待しちゃうよ、、」と思って聴いたらあっさりメロメロになりました。CHAIのマインドそのままの自由なサウンドが光ってます。Local Green Festivalで数年ぶりに見たCHAIは前にも増してパワーがあって、好きと尊敬が溢れました。


離婚伝説 『愛が一層メロウ』

離婚伝説の楽曲はノスタルジックでポップなグッドミュージック。収録曲「愛が一層メロウ」「メルヘンを捨てないで」「スパンコールの女」全部好きで、セピアがかった記憶が蘇ってくるようです。ライブは音楽だけでなくお二人の人柄も相まっていつもあたたかい雰囲気で、そんな所も素敵です。



こやてぃ

エンジニア

  • ヨルシカ "斜陽"

  • MIMiNARI, 楠木ともり "眠れない"

  • Mizore, 星界 "つつ闇"

  • ピノキオピー, 初音ミク, ARuFa "匿名M"

  • ゆこぴ, 歌愛ユキ "強風オールバック"


ヨルシカ "斜陽"

2023年のリリースの中で、一番リピートした曲。緩急のコントロールや、感情に訴えかけるようなボーカル・ギターなど、ヨルシカの好きポイントがギュッと濃縮されています。


MIMiNARI, 楠木ともり "眠れない"

2022年に活動を開始したボーカルのいない音楽プロジェクトMIMiNARIの1曲。寂しげでありながらキラキラとしたサウンドが、声優で歌手の楠木ともりさんのハスキーな歌声をより魅力的にしています。


Mizore, 星界 "つつ闇"

ニコニコ動画で開催された「ボカコレ2023夏」で強烈に刺さった曲。妖しく美しい音の波に飲み込まれます。


ピノキオピー, 初音ミク, ARuFa "匿名M"

インタビュー形式で展開していく面白い曲。コミカルな雰囲気の中に考えさせられるテーマ性があり、聴くたびに文字通り泣いたり笑ったりしちゃいます。


ゆこぴ, 歌愛ユキ "強風オールバック"

本当に色々なところで耳にした曲。毒気がなく親しみやすい曲である一方で、メロディラインや歌愛ユキの歌声にしっかりとVOCALOIDらしさが感じられる点が推しポイントです。



つぎしま

アーティストパートナー

  • キズ "雨男"

  • X JAPAN "Angel"

  • Ado "unravel"

  • LUNA SEA "LUV U"

  • BUCK-TICK "太陽とイカロス"


キズ "雨男"

大事なライブの日には必ず雨が降り、SNS上で「雨男」と自称し揶揄されたVo.来夢が、「雨男」をテーマにとことん自責した結果、キズにしか奏でることができない最高なシンフォニックバラードに仕上がった。ヴィジュアル系にしかできない皮肉と世界観が詰め込まれている。


X JAPAN "Angel"

X JAPANに対して全世界が不安を覚える中投下された一曲。そしてこれが奇しくもBa.Heathの生前最後のリリース楽曲となった。不安は一ミリも拭うことはできないが、ただこの曲の温もりと美しさだけは信じていたくなるような、そんな楽曲。


Ado "unravel"

「令和の歌姫」Adoの表現力は天井知らず、エモーショナルなウィスパーとスクリームの使い分けが絶品。さらに、YouTubeで公開されているライブVer.はさらにエモーショナルに仕上がっている。今年もAdoの年だった。


LUNA SEA "LUV U"

不朽の名作『MOTHER』と『STYLE』のリメイクアルバムが今年投下された。つぎしま的No.1リメイクとなったのが『STYLE』の中の「LUV U」。30年の歴史と経験、味わい深さを一番閉じこめることに成功した作品ではないか。


BUCK-TICK "太陽とイカロス"

世界を震撼させたVo.櫻井敦司の急逝。生き様はもちろん、死に様にも多くの伝説を残したが、一番の伝説はこの曲を今年産み落としたことではないか。音源を聴くと、魂となった櫻井敦司が、聴く人の心に天上界から直接語りかけてくれているように感じる。



サイトウマサヒロ

ライター

https://x.com/masasa1to

  • kuragari 『zzz...zzz...zzz...』

  • littlegirlhiace 『INTO KIVOTOS』

  • reina 『You Were Wrong』

  • Miracle 『Miracle』

  • 薄荷水晶 babyMINT "Hellokittybalahcurri³ hellokitty美味しい"


kuragari 『zzz...zzz...zzz...』

Parannoulを幹とする宅録シューゲイザーシーンの極北的な一枚。たった一行の歌詞とほぼ展開しない楽曲、ささくれ立ちながらも優しいウォール・オブ・ノイズに包み込まれる35分間の子守唄。


littlegirlhiace 『INTO KIVOTOS』

ART-SCHOOLやSyrup16gを彷彿とさせる00年代直系邦オルタナロックを生々しいサウンドデザインでかき鳴らしつつ、全曲テーマはスマホゲーム『ブルーアーカイブ』。その倒錯具合がかえってまっすぐで眩しい。


reina 『You Were Wrong』

w.a.u所属シンガーによる1stアルバム。 2000年前後のR&Bがそばにある2023年の生活、という絶妙な空気感を巧みにパッケージ。宇多田ヒカルのオマージュ的なフレーズも。7曲目「my apologiesss」がとにかく素晴らしいです。


Miracle 『Miracle』

フロリダ発、高純度な90年代ニュースクール・ハードコア〜メタルコアをプレイする5人組によるデビューEP。本作のみならず、ロンドンのThe Coming Strife Recordsからリリースされてるアイテムはすべて最高。同メンバーが参加しているバンドMemento.も要チェックです。


薄荷水晶 babyMINT "Hellokittybalahcurri³ hellokitty美味しい"

台湾のグループ型サバイバル番組『未來少女』参加チームによる問題作。電波ソングとK-POPとKawaiiカルチャーを直列で繋いだらスパークしておかしくなっちゃったみたいな一曲。スキルとカオス、どちらも120%。他の曲も全部凄い。



森P

sprayer プロデューサー

https://x.com/mskmko

  • Dominic Fike 『Sunburn』

  • Mega Shinnosuke 『ロックはか゛わ゛い゛い゛』

  • ゆるふわギャング, 踊ってばかりの国 『no.9』

  • CheChe 『Bab』

  • ハク。 『僕らじゃなきゃダメになって』


Dominic Fike 『Sunburn』

Sunburnつったら映画『mid90s』の最高なあいつ?!という理由で聴いただけの1枚で、ジャケのアンニュイな女の子もインパクト大。たったそれだけで再生したんだけど今年1の愛聴盤になりました。小気味良く15曲通しで聴けて、なんとなく再生ボタン押しちゃう気軽さが今の時代にハマっているような。2023のダラダラ続いた暑さを思い出させる1枚。


Mega Shinnosuke 『ロックはか゛わ゛い゛い゛』

「銀杏BOYZ」の音楽も動画も見なくなったなーっていう、自分みたいなアラサーに今こそ聴いてほしい1枚なんです!!痛快!!


ゆるふわギャング, 踊ってばかりの国 『no.9』

最強コラボ!下津さんの声がメインにないことで逆に神々しさが増している今年のベストサイケ。


CheChe 『Bab』

blurの新譜も来日も最高だったんだけど、、、下北ライブハウスでblurを体感させるヤングな彼らに出会えたことが最高でした!blurつっても昔いた「New Cinema 蜥蜴」ってバンドとはちゃいます!日本語と英語を織り交ぜるオリジナリティが凄いです。2024年、超期待のバンド!


ハク。 『僕らじゃなきゃダメになって』

naresome更新で知ったバンド!今年も数多くのガールズバンドを聴いた(ガールズバンドというカテゴライズ自体に悩みながら!)。等身大な演奏ながらアレンジとワードのセンスに心惹かれるバンドマジックが詰まったこの1枚が刺さりました。



後編はこちら

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