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起業で失敗しないためには、人の根源に迫る4つの悩みを突くべし!

これまで300人以上の起業家を育ててきましたが「起業したいけど、アイディアを思いつきません!」と聞かれることが、めちゃくちゃ多いです。

ビジネスの基本は、顧客に価値のあるものを提供して対価を得ることですが、意外と「何を提供するのが価値なのか」ということは見えないものです。ビジコンの審査員やピッチイベントの予備審査で、年間100本以上のプレゼンを拝見しますが、誰もが知ってる大企業出身でキラキラした経歴の方でも、なぜこのビジネスが成功するのかを説明できている例はマジで少ないです。

今回は、どうやったら失敗しないビジネスプランを組み立てることができるのか。その考え方についてご紹介します。

ビジネスの原則はペインの解決

不平、不満、不便、不足、不条理など、世の中には「不」の付く言葉がたくさんありますが、基本はこの「不」を解消することが、顧客にとっての価値になります。「ペイン(痛み)」なんて言い方もしますね。

ところがこの話をすると、決まって「そのペインってどうやって探すんでしょう?」という質問が飛んできます。もちろん解像度高く身の回りを見渡せば、世の中は「不」だらけです。けれども、ペインは病気など人の生死に関係するような深いものから、取るに足りないくだらないものまで、非常に幅広く存在します。

ビジネスの収益は基本的に以下の式で説明が付くと言われます。

ビジネスの収益=客単価  人数  頻度  粗利率

↑の式の「客単価」こそが、「ペインの深さ」を最も反映します。ペインの解決のために、いくらまで出せるのか。命にかかわるほど困っている人と、ちょっと困っている人では、解決のために出す金額も変わってきます。砂漠で水を失ってしまった人と、なんか喉が乾いたかな?くらいの人では、同じ水でもまったく違う価値を持ちます。

そして「人数」は「ペインの広さ」を端的に表します。日本にしか存在しない不便と、すべての人類に共通している不便では、市場の大きさが明らかに違います。つまり狙うべきは、人の根源的かつ普遍的な欲求・悩みに関わるペインの解消であるということが分かりますね。

起業に失敗しないためには、こうした強い感情を理解していく必要があるのです。

人の悩みは4種類しかない

様々な分類のされ方がありますが、人の悩みは大きく次の4つに大別されます。悩みこそが人の心を動かす大きなフックであり、この解消のためになら、人はコストを注ぎ込もうと考える大きな要因になり得ます

Health

健康・美容など、非常に大きなキーワードです。健康でありたい、美しく、若々しく見られたい、というのは正に誰もが心の中で思っている、普遍的な欲求の一つです。
ダイエットや病気、加齢による変化など、外的な要素だけでなく、精神にまつわる健康などもここに含まれます。実に大きな力のありそうな領域ですよね。

この領域のビジネスとしては、ヘルスケア、美容、フィットネス、アンチエイジング、心理カウンセリングなどが挙げられます。

Ambition

誰もが自分の思い描いた夢を実現したいと考えるものです。ですが、それを叶えることができる人は極めて少数です。
理想のキャリアや仕事を実現する、出世したい、名声を得たいなど、非常に多くの願望がありながら実現は難しい。そうした理想の姿と現実の自分の差分を埋めたいという感情は非常に強いものがあり、ここを解消するビジネスは極めて大きなパワーを持ちます

就職・転職支援サービス、様々なスキルを習得するためのスクールや専門学校など、この領域は非常に多岐にわたります。

Relation

人と一切関わりを持たずに生きていくことは基本、無理ゲーと言って良いでしょう。しかしながら、職場の悩みの大半は対人関係に端を発するとの調査もあるほど、人は人との関係を求め、同時に悩んでいます。
会社など身近な人間関係だけでなく、友人、知人、恋人、結婚、離婚などに関わる全てのものが対象です

代表例としてはSNSや婚活、コーチングやマネジメント支援、結婚情報サービスなど、人と人の関係に関わる業態で、人の欲望を叶えるために日々新たなプロダクトが生まれ続けているものでもあります。

Money

社会生活を営むうえで、富に関わらないことは不可能です。すなわちここには、巨大なペインが発生するものです。たとえジャングルの奥地のような未開の地での暮らしでも、食料や道具などは富を得るための源泉ですので、ここに関するものはこの領域に入ってきます。
つまりは、いわゆるカネ周りだけではなく、収入の増減に関わるものや、借金、年金、住宅の購入など大きな買い物に関する事項もここに含まれます

銀行や証券などの金融だけでなく、資産を増やすための情報商材から、基礎年金に関わる知識までが、このペインを解消するためのビジネスになります。

顧客目線に立ったビジネスは失敗しない

このように、HARMに代表されるペインは、計り知れない人の根源的な欲望とそれが叶えられないことに伴う「不」を導くための大きなガイドになり得ます

自分で勝手に想像したサービスを充てがうようなビジネスプランを描くのは簡単ですが、往々にして外していることが多いものです。
しかしながら、このHARMを基準にして考えたペインを解消するサービスやプロダクトは、人の逃れようのない普遍的な本能に根ざした感情を利用したものであり、めちゃくちゃワークしやすいものになります。

顧客目線に立て、とはビジネスの世界でよく言われますが、単に自分勝手な想像や妄想をする事ではありません。人間の本質を理解して、どう動くのか仮説を立てて予測することで、必然的に果実を得ることができるのです

失敗しない、勝率を上げたビジネスプランを考えるのは、こういう視点から始まるのです。

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