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アイデンティティを手放す話

これまでの私のアイデンティティ

あなたのアイデンティティは何だと思いますか?
なお、辞書ではアイデンティティについて以下の記載がなされています。

他とはっきりと区別される、一人の人間の個性。また、自分がそのような独自性を持った、ほかならぬ自分であるという確信。

この問いについて、少し前の私は「出っ歯」と即座に答えていたでしょう。
小学生の頃から出っ歯を自覚し、付箋でメモを残すときもニコちゃんマークに出っ歯を書き足したものをよく使っていましたし、自己紹介でも人に覚えてもらおうとよく使っていました。

そんな私も今年で25歳になってインビザライン矯正(マウスピース型の歯列矯正)を始め、出っ歯ではなくなりつつあります。
今回は、自分のアイデンティティとなる出っ歯を25年間押し通してきた私が矯正を始め、アイデンティティを手放すに至った話をお話しします。

アイデンティティを手放した理由

大学院を修了し社会人になってからは、人の見た目や嗜好に関するマイナス方面での会話が一気に無くなりました。学生時代特有の友人同士となるメインコミュニティから、会社として礼儀やマナーを遵守する大きな組織がメインコミュニティになったことが大きな理由だと思います。

そういった環境の中で社会人1年目を過ごすと「出っ歯でいじられることのない私の出っ歯って何なんだろう」と思うようになりました。

私は小さい頃から人を笑わせることが大好きで、自分の出っ歯もネタに盛り込みながら話していました。そんな自分が社会人になってからは出っ歯をネタにする必要がなくなり、話の内容だけでも人を笑わせることができることに社会人になって初めて気づきました。

そのときやっと「矯正して綺麗な顔を目指したい」と純粋に思えるようになりました。
これまでも「矯正しないの?」と親に聞かれて、矯正するタイミングはたくさんありました。その度に「チャームポイントやけん大丈夫!」と答えていた私の裏側には、「出っ歯ではない私は面白くない。目立つものが何も無くなってしまう」という恐怖があったように思います。
当時の私はチャームポイントの域を超えて、出っ歯が「私」を他と区別する唯一の自分のアイデンティティだという強い思い込みに囚われていたんだと思います。

見た目に見えない場所に自分の良さがあることを自覚してからは、ネットで矯正歯科を検索し、カウンセリングに行き、矯正開始までの行動が凄まじく早かったです。

これからの私のアイデンティティ

自分の出っ歯を手放すに至り、特徴的だからこそチャームポイントにも、コンプレックスにもなりえるものなんだなと今になっては思います。
また、自分が思うアイデンティティは1つではなく、自分が気づいていないだけでたくさん持っているものだと思います。

私のように人を笑わせることに喜びを感じる方々の中には、私と同じような思いを持っていた・持っている方も多いのではないかと思います。
※この noteはあくまで自分の考え方の変遷を書いたもので、歯列矯正を強要するものではありません

これからは目には見えない部分も含めて、私のアイデンティティを見つける・磨いていくことを意識していきたいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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