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パリ聖地巡礼旅/ 『ポンヌフにまどろめ。』

皆さまこんにちは。
いかがお過ごしでしょうか。

マルタ生活2ヶ月目にして、お米がなくても、BBQソースのお好み焼きで幸福を得られることを知ったマチルダです。

未だにマルタ風邪(マルタに来た日本人は、2週間かそこらで必ず重度の風邪をひくため、皆これを”マルタ風邪”と呼びます。)にもかからず、近所に、日本の回転寿司よりも遥かにサーモンが美味しいお寿司屋さんも発見したことですし、私のHPはうまく保てています。



さて今回は、パリ滞在記第3弾として、フランス映画聖地巡礼の記憶を綴りたいと思います。




言わずと知れた映画の国、フランス。
3歩進めば、映画世界が眼前に広がるようなワンダーランドでした。
今回はその記憶を皆さまにお裾分けいたします。


まず最初に、こちらから。

2023年4月 マチルダ撮影
2023年4月 マチルダ撮影

メトロです。
これをみて何か皆さまの心に浮かぶものはありますか?

私にとってこの光景は、ジャン=ジャック・べネックス初長編作品、『DIVA』(1983)でしかありませんでした…。

赤いバイクでパリジャンがホームに飛び込んでくる奇跡なんて起きないかしら、なんて思いましたが、流石にそれは実現せず(笑)。

『ディーバ』(1983)、ジャン=ジャック・べネックス

正確には全く同じ駅ではないのですが、十二分に満足させて頂きました。

2023年4月 マチルダ撮影

ちなみにこちらは「チュイルリー庭園」。
本作において最も重要と言っても過言ではない、以下のシーンが撮影された場所です。

『ディーバ』(1983)、ジャン=ジャック・べネックス





続いて、こちらは市内を移動中に遭遇した場面。
『落穂拾い』(2000) 過ぎる…。

2023年4月 マチルダ撮影

本作はドキュメンタリーなので、無論実在しているはずですが、やはり実際に目にしてみると、目を疑ってしまいます。

『落穂拾い』(2000)、アニエス・ヴァルダ

ある人はこの『落穂拾い』を、『冬の旅』をも凌駕するヴァルダの最高傑作と称賛していました。
まだご覧になってない方は是非、ご覧下さいませ。





さて、こちらは言わずと知れた「ルーヴル美術館」ですが、私に取ってこの地は運動競技場に他なりません(?)。

というのも、皆さんご存知、ジャン=リュック・ゴダールの1964年の作品『はなればなれに』において、暇つぶしにアンナ・カリーナらがかけっこをするシークエンスが、このルーヴル美術館で撮影されているからです。

2023年4月 マチルダ撮影
『はなればなれに』(1964)、ジャン=リュック・ゴダール
『はなればなれに』(1964)、ジャン=リュック・ゴダール

残念ながら、館内には非常に多くの訪問者がおり、歩くのがやっとの状態でしたので、美術館を駆け抜ける夢は叶いませんでした…。




そして、そして、そして。
夢にまでみたポンヌフ橋へ、遂にやって来ました。

2023年4月 マチルダ撮影

高校生の頃、初めてカラックス映画に出会って以来、ずっとずっと追いかけて来た景色がこの目に広がった時の感動は、何事にも形容できませんでした。

2023年4月 マチルダ撮影

ポンヌフが…。

『ポンヌフの恋人』(1992)、レオス・カラックス

私、この半円形の腰掛けに、ラヴァンとビノシュが生きたこの石の上に座ってしまった…。
どれだけこの瞬間を待ち浴びていたことでしょうか…。

撮影はセットで行われていた事実は重々承知していますが、やはり、何事にも変え難い高揚を感じました。

2023年4月 マチルダ撮影
『ポンヌフの恋人』(1992)、レオス・カラックス
『ポンヌフの恋人』(1992)、レオス・カラックス


セーヌ川には、私が訪れた時も船が走っていました。
「あぁ、誰かもパリにまどろんでいる…。」

『ポンヌフの恋人』(1992)、レオス・カラックス


カラックスが最後に放った言葉を追い求めて、今回初めてパリを訪れましたが、私はこのワンダーランドをとても好きになりました。
すっかりパリにまどろんでしまいました。

何度でも何度でも、愛すべきこの街をを訪れたいです。




以上で、3編に渡って綴ってきたパリ訪問記も終焉です。

最後まで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、私がメトロのホームに赤いバイクで突っ込みたいほど嬉しいです。

ありがとうございました。


【追記】
キェシロフスキのお陰で、レストランでメニューからワインを頼む際、赤か白か迷いませんでした。ありがとう、トリコロール。

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