Next Mondayっていつ?
今日は普段書いているクラシック音楽や美術や歴史の話ではなく、もっと一般的な英語のことを書いてみます。
英語の国に住んでいて、毎日英語を話して英語で仕事をして暮らしていますが、いまだに理解に苦しむ表現があります。語学の問題というよりも文化的に理解し難い概念と言いますか、とにかくややこしいのはこれです。
今日は日曜日なのですが、誰かが英語で
と言えばいつのことなのでしょうか?
普通に考えたら、日曜日の次の日は月曜日で、明日という意味なのですが、このNextという言葉がややこしい。
今日が日曜日ならば、Next Monday is…
次の月曜日は明日。でも次というのは次に来る(this coming)からではなく、日曜日は一週間にある七日のうちの最後の日。
月曜日は翌週の最初の日だから、Next Monday is next week’s Mondayで、明日なのです。
聖書によると天地創造で、造物主は六日かけて世界と人を創り出して、七日目に休息しました。だから日曜日は週の最後の日なのです。
次に来る月曜日だから「次」ではなく、来週の月曜日だからです。Nextとはそういう意味。
今日が火曜日ならば、Next Thursday is …
でも同じ週にある日を語るときはどうでしょうか。
火曜日の二日後には木曜日が来るのですが、この木曜日はNext Thursday ではなく、
ということになります。二日後の木曜日は This coming Thursday なのです。これはよく間違ってしまいます。
今日が木曜日ならば、Last Tuesday is…
これも同じ理屈で、Last Thursday は二日前の火曜日ではなく、九日も前の先週の火曜日のこと。二日前はthis Tuesday.
とにかくNextやLastが曜日と一緒に出て来ると、ものすごく難しい。
英語の国に何十年住んでも、いまだややこしく、英語話者の間でもよく混乱されることもあるので、See you next Thursdayなんて言われたときには要注意。
仕事の場面では必ず日付を書き添えることが重要。大事な会議や商談や納期に支障が出るかもしれませんよ。
わたしはNext Thursday, 19th May などと、日付を必ず添えることにしています。NextやLastなんてややこしい言葉を使わなければいいのかもしれませんが、日常的に使われる言葉、何気に使っていると大変な間違いにつながることもあります。
文化的にNextがどの日であるか異なるので (日本文化では、次の木曜日は次に来る一番近い日ですよね) 注意を払う必要がありますよ。
英語を話していて本当に難しいなと思うのは、こういう文化概念の違い。
自分の知らない複雑な単語が語られていても、大抵は文意から状況から理解できるものです。Contextから英語会話は理解できます。
お医者さんと心臓の話をしていても、日本語において心臓に関する知識を持っているのならば、ほとんど理解出来ます。高度な文化的な政治的な話題でも、内容を心得ていれば大抵は分かります。
でも十九世紀初頭の欧州の政情を語っても、世界史に通じていない人は、それが日本語で語られていても難しいものです。高等な概念は外国語でもさほど困難ではない。
語学ってそんなもので、日常的に使われている文化的な不文律の理屈ほどに理解が難しいものはないなあと思う今日この頃でした。
英語は発音が生命
このビデオ、全部英語ですが、とてもわかりやすく解説されています。ヴァネッサさんの英語は濁りなくて非常に美しい。
英語が一番難しいのは発音。こんな風に美しい英語を話せるようになりたいものです。
鍛えられた英語耳と英語舌を持たない日本の方は、Thursdayを発音できないことでしょう。Thは日本語にはない音なので、相当練習しないといけません。
わたしも獲得するまでは苦労しました。舌を噛んで毎日大げさに舌を出して音読練習しましたよ。
この発音記号ギリシア文字のシータが曲者。
英語の上手な人だと言われる人は、難しい英単語をたくさん知っている人よりも、こういう単純な言葉を綺麗に発声できる人です。
みなさんも頑張って下さいね。わたしも頑張ります。
next weekとlast weekをいまだに間違えてしまう、外国在住三十年の筆者でした。良い日曜日をお過ごし下さい。