ジャクリーヌ・デュ・プレ演奏の「言葉のない歌」

多発性硬化症(multiple sclerosis)のために志半ばにしてキャリアを断たれた若き日のジャクリーヌ・デュ・プレのテレビ放送映像。ピアノ伴奏はお母さんのアイリスさん。
メンデルスゾーンの「言葉のない歌」(無言歌)はピアノソロのための作曲なのですが、例外が遺作となったこの曲、チェロとピアノのための作品。
メンデルスゾーンのライフワークの小品集は、小さな叙情詩が集められた詩集のようなもので、深くはないかもしれないけれども、日常の中で我々の心を温かくしてくれるような小さな花みたいなもの。小さな花が飾られていると心が潤うのです。
ジャッキーの演奏は思い入れたっぷり。冒頭の子供の祈りのような優しい歌は優美そのものなのに、中間部の嵐は荒れ狂い、彼女だけの心の叫びになる。唯一無二の演奏!

ほんの小さなサポートでも、とても嬉しいです。わたしにとって遠い異国からの励ましほどに嬉しいものはないのですから。