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#6 怪我のリスクを高めるウエイトトレーニングのやり方

こんばんは!
今回は『怪我のリスクが高まっちゃうウエイトトレーニングのやり方』というテーマで話していこうと思います。

最初に、私の立ち位置を明確にしておくと、私はウエイトトレーニング肯定派です。
なので、多くのアスリートやスポーツ愛好家の方、一般の方にとって、ウエイトトレーニングはメリットが大きいものだと思っています。

ウエイトトレーニングは怪我のリスクが低いし、スポーツ中の怪我のリスクも低下させる

そもそもウエイトトレーニングで怪我をすることも少ないですし、さらにウエイトトレーニングをすることでスポーツ中の怪我のリスクを低下させられるということは、多くの専門家の方が発信しているので、もう知っている方も多いと思います。

「えっ!?そうなの!?」
と思った方は、“アスリートのためのトレーニング科学”でわかりやすくまとめてあるのでご覧ください。

スポーツ傷害予防への運動介入の効果
ストレッチvs筋力トレーニングvs固有受容器トレーニング

ウエイトトレーニングの怪我の発生率については下の文献が有名です。
Hamill, B.P. Relative safety of weightlifting and weight training. J.
Strength Con. Res. 8(1): 53-57. 1994.

※ サッカー         100 時間当たり 6.20 件
   陸上競技         100 時間当たり 0.57 件
   バスケットボール     100 時間当たり 0.03 件
   ウエイトトレーニング   100 時間当たり 0.0035 件

あとウエイトトレーニングをすると筋肉は鍛えられるけど、靭帯や腱、関節などは鍛えられないから怪我をしやすいって意見もありますけど、ウエイトトレーニングを通して靭帯や腱、関節も強くなるということを示している文献もあるので、この理由はそもそも矛盾しちゃってますね。。。

怪我の発生率を高めるウエイトトレーニングのやり方

私の思いつく限りで3つのやり方があって
①ウエイトトレーニングに偏りすぎる
②可動域を確保していない
③そもそもやり方が危険
④悪い癖を矯正できていない

そして、この中でも
①、②は【ウエイトトレーニングを通して、スポーツ中に怪我をするやり方】、③は【ウエイトトレーニング中に怪我をするやり方】、④は【どちらにも当てはまるやり方】に分類できると思います。
それではサクッと紹介していきます。

①ウエイトトレーニングに偏りすぎる

競技練習を疎かに、もしくは減らした状態でのウエイトトレーニングは、競技特異的な可動域だったり、スキルを低下させる可能性があります。
低下した状態で競技練習を続けていけば、もちろん怪我をする可能性も高まっちゃいますね。

オフシーズンの野球選手とかが「肉体改造!!」みたいなネットニュースをみたりしますが、そのようなやり方は危険かもしれないですね。

②可動域を確保していない

まず初めに、ウエイトトレーニングを通しても柔軟性は向上していきます。
もし、硬くなっていく感覚がある方は、ウエイトトレーニング中の可動域が小さいことが原因で柔軟性が損なわれている可能性があります。

そして、柔軟性が低下していけば今までスムーズに動かせていた範囲の動きも制限がかかり、他の関節で代償するようになり、そこの関節の使いすぎで怪我につながる可能性が高いです。

例えば、浅いスクワットばかりやっていると股関節の可動域が低下していきます。
そうすると、低い姿勢(バスケやラグビーのディフェンス)をとる時や切り返し動作の時に股関節を深く曲げることができなくて、腰で代償することが増えちゃいます。

③そもそもやり方が危険

これは、当たり前ですね。

スクワットやデッドリフトのような重りを持った状態、担いだ状態での腰の丸まり。
過度な重りをつけて動きをコントロールできていなかったり、潰れてからも補助をつけて何回も追い込むような動きは、体への負担が大きすぎるので、怪我につながります。

④悪い癖を矯正できていない

ウエイトトレーニングのいいところに、競技中に出てしまう動きの悪い癖を修正できる可能性があるところです。

例えば、切り返し動作やステップを切る時、減速をする時に膝中心なのか股関節中心なのかで、安全性に大きな違いが出てきます。
膝中心で動作を行う人は、衝撃を受け止めきれなかったり、なんだかんだで膝へのストレスが高まります。
※なんだかんだですっ飛ばしてすいません笑

こんな時に、その問題の動きだけを改善する練習をしても、競技中の動きが変わらないことが多々あります。

その理由は2つかなと思うんですが
1つ目は、競技中は意識して切り返したり、止まったりできなくて、常に相手がいるので無意識でもできる状態にしなくてはいけない
2つ目は、1つ目の理由から練習よりもオーバースピードになって、その衝撃を股関節の筋力で補えない

だから、最終的に試合で少しでも安全性の高い動きをするためには、確実に筋力は重要で、そこが足りてないのに動きの練習ばっかりやってても、それは“練習のための練習”になっちゃいますよね。

まとめると・・・

ウエイトトレーニングが怪我のリスクを低下させるというのは、間違い無いと思います。
それでも、ウエイトトレーニングに対してネガティブなイメージが付き纏うのは、以下の4つのやり方をやってる人なんじゃないかと思ってます。

①ウエイトトレーニングに偏りすぎる
②可動域を確保していない
③そもそもやり方が危険
④悪い癖を矯正できていない

正しくやれば、スポーツパフォーマンス向上・怪我の予防にとても効果的なので、ぜひウエイトトレーニングについて見つめ直すきっかけになれば幸いです。