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好きなように 生きたい

大震災

得体の知れない 大きな痛みを負った
その時は 気持ちを立て直すのに精一杯
向き合うことは できなかった

それから 数年経ったある日
この痛みに 向き合う機会が訪れた

この痛みは 何なのか

ぽつりぽつりと言葉を探す

周りからの期待が 全てだった
その期待から外れたことが 
思い込みの力を借り 形を変えて
責める声となって自分に ささやく

「大震災に 何かできたことがあるのでは」

僕は 専門では無いけれど
もし 大学で違う選択をしていたら
もっと がんばっていたのなら

あの災害の被害は 
軽減していたかもしれない

言語化して おかしなことはわかる
1人の選択で そんな変化はしない
誰も そんな期待をしていない

けれど

強烈な思い込みが 
頭を支配していた

「お前のせいだ」

声が聞こえる

「お前のせいだ」

声が聞こえる
髪をくしゃくしゃと掴む
身体が床に沈む

声が聞こえる
ぐっと 力がかかるたびに
心の蓋が ゆれる

「お前のせいだ」

「お前のせいだ」

「お前のせいだ」

声が聞こえる
ずっと言えなかった心の声

手に込めた力を 振り絞り 
泣き叫ぶような声
蓋が開き 想いが溢れる

「好きなように 生きたい」

涙と身体の震えが 
止まらない

僕のせいかもしれないけれど
それでも 好きなように生きたい

支えてくれた人が 寄り添い
気持ちを落ち着かせてくれる

身体の震えが 少しづつ和らぐ
酸素が 呼吸を整える

「いま どんなこと 思ってる?」

意識がいまここに もどる
まわりには 支えてくれた人達

生きてた

涙でぐしゃぐしゃだったけど
自然と笑いながら 応えた

期待から 逸れてしまったという
その思い込みが 
ずっと 責め続けていた

今から思えば
生きてた」なんて
大袈裟さな言葉かも

何気なくでたこの言葉は
抱え込んでいたものの
大きさを感じさせる

気がついてからも
長く時間がたった

「好きなように 生きたい」

あの時の言葉を
いま また 思い出す

いただけたら、とてもうれしいです!サポートは、台紙となるマーメイド紙、絵に使う画材、額装、などの道具代に還元させていただきたいとおもいます。