ビッグデータから熱中症を考える③-7(重症・死亡)
過去10年間の熱中症搬送時における傷病程度とWBGTとの関係、その7
はじめに
前回は、軽症や中等症とは異なり、重症・死亡の発生が31℃を越えてもなお増加していることを紹介しました。今回は、重症・死亡の月別傾向を紹介します。
6月の重症・死亡の発生は二峰性を示す!
図1は重症を、図2は死亡の発生件数を月別に表したグラフです。
両傷病程度のグラフとも、7月から9月は一峰性(ピークが一つ)を示しているのに対し、6月だけ二峰性(ピークが二つ)を示していることがわかります。
それぞれの6月の搬送件数は、7月や8月のそれと比較して多くないですが、WBGTが低い段階でも両傷病での搬送が増加することがわかります。
このことから6月は、重症や死亡といった生死に関わる傷病の発生リスクが、環境省が発表している暑さ指数において“注意*“に該当するようなWBGTであっても警戒する必要があることを示していると言えそうです。月の発生傾向を考慮した暑さ指数を用いる必要性を示しているかもしれません。
* 環境省が発表している日常生活に関する指針では、“一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある”と記されています。
(https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php)
[図1]
[図2]
【イメージ写真】
こちらからお借りしました
https://www.photo-ac.com/main/detail/899912
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