パリ五輪柔道組み合わせ雑感

柔道の組み合わせが出ましたので各階級ごとに見ていきます。

・男子60kg級
永山はベスト8でガリーゴスと当たるのでここが最初の山場。ベスト4では東京五輪銀メダルのヤン・ユンウェイと当たります。

・女子48kg級
角田はベスト8で地元フランスのブクリと当たるのが山場になります。ここを勝ち上がればベスト4でスクットですがシジクよりはやりやすいと思いますのでシジクを突破できるかどうかが注目ポイントです。

・男子66kg級
ベスト8でエマモリかシュマイロフと当たりますが問題無いでしょう。ベスト4ではおそらくデニス・ヴィエルですがここも問題ないはず。
逆ブロックのプールCがマルグヴェラシヴィリ、ワリード・キア、キルギスバエフ、アン・バウルが集まる大激戦区となっており、このようなブロックを避けられたのも連覇に向けて視界良好。

・女子52kg級
阿部詩は初戦から出口ケリー。ノーシードなのでシード選手に比べて1試合多く戦わなくてはいけないのがどうなるか。
初戦勝ち上がるとケルディヨロワと当たるのでここが最初の山場。ここを超えればベスト8はベルハウスになりますが、ここは大丈夫でしょう。
ベスト4では地元ブシャール。ここが事実上の決勝でしょう。ノーシード故に厳しい当たりになっていますが頑張って欲しい。

・男子73kg級
シード選手の橋本とヘイダロフだけ1回戦シードされているという組み合わせで橋本はベスト8までは問題無いと思われます。
ベスト8で東京五輪銀のシャフダトゥアシビリと当たるのが最初の山場。しかしそのシャフダトゥアシビリは初戦で地元フランスのガバを引き当てています。ベスト8で当たるにしても橋本よりシャフダトゥアシビリの方が消耗は大きいはず。
ここを抜ければベスト4はストンプだと思いますがシャフダトゥアシビリよりはやりやすいと思いますのでシャフダトゥアシビリにさえ勝てれば決勝が見えています。

・女子57kg級
舟久保の山にノーシードからビロディドが入ってきてしまったのが辛いところ。2回戦でいきなり当たります。
ビロディドに勝ってもベスト8でシジクという試練の組み合わせ。さらにシジクを超えてもベスト4で出口クリスタ。本当に厳しい組み合わせですが一つ一つ勝ち上がりたい。

・男子81kg級
永瀬は初戦となる2回戦は問題無く、3回戦で当たるアルバイヤクが最初の山場。ここを超えればベスト8でカッセ。どちらも強敵ですが分が悪いということはないはずです。
ベスト4まで行ってしまえばプールBにはカッセほど怖い選手はおらず、グリガラシビリが待つであろう決勝まで勝ち上がりたい。

・女子63kg級
高市は2回戦で当たるクリストやそれなりに怖い相手ですが高市の実力を出し切れれば問題無いはず。
ベスト8で当たるファンリースハウトが最初の山場と言えます。ベスト4はカタリナ・ヘッカーかシマンスカになると思いますがファンリースハウトを超えられるならここも超えられそうな気がします。
決勝で待つのはおそらく前回金メダリストである地元アグベニューになるでしょう。

・男子90kg級
村尾は2回戦から登場ですがここは問題無いと思われます。最初の山場はベスト8で当たるボボノフになるでしょう。ボボノフと初戦から登場するのと初戦を抜けても2回戦でトリッペルなので村尾より厳しい組み合わせ。村尾はここをしっかり突破したい。
ベスト4はマイドフになりそうですが実力は村尾の方が上と見ています。決勝へ進んでベカウリへの挑戦権を得たいところです。

・女子70kg級
新添は初戦シードで2回戦も問題ないはず。ベスト8で当たるファンダイクが最初の山場になります。その先はおそらくベスト4でマティッチ。
ベスト8以降は厳しい戦いが続きますが地元フランスのイヴガヒが逆ブロックで、イヴガヒと当たるよりはやりやすい組み合わせだと思います。

・男子100kg級
ノーシードのウルフアロンは2回戦で強敵フォンセカと当たるブロックに入りました。ここを超えてもベスト8でスラマニゼなのでどちらも近年はウルフよりも実績を残している選手。
ここを超えたらベスト4でシェラザディシビリかエルナハスになりそうですがここまで上がってくれば誰が来ても強敵です。

・女子78kg級
高山は2回戦までは問題無いと思われ、ベスト8で当たるヴァーグナーが最大の山場。ヴァーグナーは押しも押されぬ優勝候補ですのでここが大一番という気持ちで戦って欲しい。
ヴァーグナーを超えたらベスト4でステインハウス、決勝まで進めたら地元マロンガという当たりになるでしょうが、まずはとにかくヴァーグナー戦に勝てるかどうかです。

・男子100kg超級
斉藤立の山にリオ、東京で2階級制覇のクレパルクが入ってきてしまいました。斉藤にとっての初戦となる2回戦でいきなりクレパルクというのは考え得る限り最悪の組み合わせ。
クレパルクを超えられればベスト8でグランダ。かつて世界選手権決勝で敗れた相手ですが本調子の斉藤なら斉藤の方が力は上だと思っています。
その先はベスト4でキムミンジョンかプーマライネン、決勝でリネールとなるでしょう。
クレパルク、グランダ、キムミンジョン、リネールという当たりになればまさに1試合も気が抜けない展開になり、体力面に不安がある斉藤に取ってはまさに試練の組み合わせになりました。

・女子78kg超級
ノーシードの素根は初戦は問題無いと思いますが2回戦のシウは強敵です。ここからベスト8でオズデミル、ベスト4でヘラシュコかオルティスとこちらも全く気の抜けない組み合わせ。
ただディッコと逆ブロックに入ったのは好材料だと思います。本来の調子の素根なら決勝まで進んでディッコと金メダルマッチというところは期待していいと思いますが果たしてどうなるか。

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