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NARA-Xアスリーツ新体制発表会に潜入してきた【レポート】

4/16(SAT)、奈良県文化会館にて、奈良を拠点に活動している陸上チーム「NARA-X アスリーツ」の2022年新体制発表会が行われたので、参加してきました。同チームは、全国的にも珍しい「実業団型クラブチーム」として活動しており、所属選手はチームが募ったスポンサー企業でフルタイム勤務を行っています。今回は会の様子をリポートします。

↓詳しくは「THE ANSWER」に寄稿した拙著をご覧ください

3名の女子選手が新加入

会見では、今シーズンより移籍加入した清水穂高選手(←GRlab)、米谷結希選手(←愛知電機)、そして神戸学院大学より新卒加入した田代実穂選手の3名の女子選手が紹介された。また新体制発表会が行われなかった2021シーズンに加入した男子の小松原遊波選手も紹介され、既存選手と合わせて計8名の陣容で、2022シーズンに挑む。

【NARA-Xアスリーツ選手リスト】
〇大井千鶴(28歳)2021大阪国際女子マラソン20位
 平田由香(25歳)2019あいの土山ハーフマラソン優勝
☆清水穂高(26歳)2018京都マラソン2位
☆米谷結希(24歳)2015全国高校駅伝総合2位
☆田代実穂(22歳)2020全日本大学女子選抜駅伝出場
 小松原遊波(23歳)2020全日本大学対抗駅伝出場
 平田治(44歳・コーチ兼任)2021フルマラソン(40~44歳)世界ランク1位

※〇は主将、☆は2022新加入

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奈良県から日本代表を

冒頭では大歳研吾監督が挨拶。今後10年のビジョンとして2つの目標を掲げた。

・「奈良県の企業に勤務している選手を日本代表として送り出したい」
・「陸上を、スタンドがファンのみなさんでいっぱいになる競技にしたい」

一つは競技面での目標としての「日本代表選手輩出」。その具体的な目標として、来年秋のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)にNARA-Xから、選手を送り込むことをあげた。MGCにはタイムや各選考レースの成績など厳しい基準があり強豪実業団からも選手を送り込むのが難しい現状があるが、「私たちNARA-Xのこのやり方でも戦えるというところ見せたい」と意気込む。

※MGCとは、2021東京五輪のマラソン代表を決定するために初開催された選考競技会。次回の2024パリ五輪に向けてのMGCは2023年に行われる。

もう一つは、クラブとして陸上を興行スポーツとして育て上げていくという決意だ。大歳監督は、同じロートフィールド奈良(鴻ノ池陸上競技場)で競技を行っているサッカーJFLの奈良クラブを例にあげ、「陸上の大会の場合はスタンドは選手の待機場だが、奈良クラブの試合の時はお客さんが入って、競技場全体が一体となってスポーツを盛り上げていると思った。陸上競技も同じように興行として成り立たせていかないといけない」と力をこめた。

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スポンサー企業の支援

続いて各選手がフルタイムで勤務するアスリート雇用スポンサーが紹介された。選手たちは、普段各企業にて仕事を行った後に集まってチーム練習を行ったり、個々での練習を積み、大会へと調整していくことになる。

こういった形態での支援に雇用スポンサー企業からは「(雇用する選手を)応援することで、企業のメンバーの健康への意識が高まったり、団結力が高まっていくと思っている」と期待の声があがった。

1つの企業に支えられ、陸上に専念できる環境の実業団から「NARA-Xアスリーツ」に移籍してきた米田選手は「(実業団の頃は)1年に1回くらいしか他の社員の方にお会いしないこともあった。今は応援してくれている雇用企業の方々の優しさを感じるし、ここで働きながら結果を出したい」と前向きに話した。

平田治選手ロンドンマラソン挑戦

コーチも兼任する平田治選手のロンドンマラソン挑戦も発表された。平田治選手は、昨年のびわ湖毎日マラソン、奈良マラソンにおける獲得ポイントにより、40-44歳の部の2021世界ランキング1位を獲得。2022年のロンドンマラソンに招待されることとなった。

ユニフォーム発表

新ユニフォームは、奈良クラブやバンビシャス奈良のユニフォームサプライヤーもつとめる「スクアドラ」が担当。ターコイズブルーとピンクのビビットカラーで、ロードレースで映える色合いに仕上がっている。「スクアドラ」にとっても陸上チームのサプライヤーは初。同社がてがけた公式動画も公開された。

雑感

盛りだくさんの内容となった「NARA-Xアスリーツ」の2022シーズン新体制発表会。会場にはメディアやスポンサー・ファンも含め、20人以上の人が駆け付け、注目の高まりを感じさせた。チームの第一号選手でもある大井千鶴選手が、大歳監督と2人きりで臨んだ3年前の立ち上げ会見を引き合いに出し、「あの時はここまで人が集まるようになるとは思えなかった。やっとここまできたという感じ」と万感の表情で話してくれたのが印象的だった。

文字通り新体制で挑む今季は、注目を集める一方で勝負の年にもなる。選手を抱えるということはそれだけリスクを抱えることでもある。個人競技である陸上という競技の特性もあり、チームのファンを増やしていくのは容易ではない。各選手が競技面で好成績をあげていくだけでなく、様々な活動によってチームの存在感を高めていきたいところだ。

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