【奈良クラブ通信】エース不在の穴を埋めるのは?~開幕直前FW特集~
いよいよJ3リーグ開幕
いよいよ今月24日の開幕が迫ってきた2024明治安田J3リーグ。「奈良クラブ」は、ロートフィールド奈良にFC琉球を迎えるホーム開幕となる。昇格初年度の昨年は堅守を武器に5位と躍進したが、6位までがJ2昇格プレーオフへと駒を進めることが出来る今シーズンは、J2昇格を現実的な目標と見据えている。そんな楽しみなシーズンの中で、大きな懸念となっているのがFW陣だ。
昨季チーム得点王の浅川隼人は松本山雅へ移籍。1月末のトレーニングマッチでは、昨年チーム2位の9得点をあげた酒井達磨が右膝関節前十字靭帯断裂・右膝関節外側半月板損傷に全治8〜10ヶ月の診断を受けた。昨シーズンも最前線で体を張ったセットプレーや素早いプレスでチームを支えたセンターフォワードの離脱はチームにとっても大きな誤算となったはずだ。
今季のFW登録は酒井を含めて3人。残り2人には自ずと期待がかかる。今季、関西大学より新加入したルーキー百田真登(まなと)とBGパトゥム(タイ)より加入したパトリック・グスタフソン。それぞれ関西学生リーグ得点王とU-23タイ代表という肩書を持つ二人のFWに、開幕に向けての意気込みを聞いた。
達磨の為、自分の為にも必ずゴールを奪う【百田真登】
「プロとして初のシーズン、不安もあるけど楽しみです」。酒井の負傷により、ルーキーながら得点が期待される立場となった事に水を向けると、百田の目は輝きを増した。
サイドからのクロスへの抜群の反応や、DFラインとの駆け引きから抜け出してのプレーが得意なFWは、昨年関西学生サッカーリーグにて得点王(21試合出場20得点)を獲得。日本代表にも名を連ねた林大地(当時大阪体育大、現ニュルンベルク/ドイツ)以来となる20点以上の大台に到達しての達成というおまけつきだった。
特別指定選手として、大学生ながら出場登録された昨季は第37節ガイナーレ鳥取戦の後半45分にJ3デビュー。数分の出場だったが「昨年デビュー出来たのは大きい。開幕から全然やれると思ってます」と本人にとっても手ごたえを得た経験となった。
酒井の怪我という事情から、チャンスを得られる可能性は高いが「達磨くんの為にも、そして自分の為にもとにかく点を取りたい。とりあえず目標は2桁(10点)です」と本人は意気込む。スーパールーキーが、エース不在のチームを救う救世主となれるか。
動画引用:関西大学体育会サッカー部
欧州生まれのスピードスターの古都での挑戦が始まる【パトリック・グスタフソン】
今季からタイの名門BGパトゥムより期限付き移籍加入してきたグスタフソンは、恵まれた体格を生かしたスピードが魅力のスウェーデン出身アタッカー。同国リーグでプロデビューした後、母親のルーツであるタイへと移籍した。
U-23タイ代表にも選出された期待を集める若手FWは、「タイでもJリーグは知られている。そこにチャレンジできるのは本当に楽しみなんだ」と、新天地にJの舞台を選んだ。
2月4日に行われたトレーニングマッチ・アトレチコ鈴鹿(JFL)戦ではゴールも獲得。184センチの長身ながら「スピードに乗ったドリブルや飛び出しが得意なんだ」と語る姿からは順調な仕上がりを感じさせる。
来日から1か月近くになるが、「この前初めて寿司を食べました。本当に美味しかった」とピッチ外での適応もバッチリだ。その無邪気な笑顔で早速ファンの心を掴んだパトリックは、今度はピッチ内で存在感を見せることができるか。
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