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近本光司への懺悔

プロ野球もとうとうシーズンが終了しました。
パリーグではロッテvs楽天の最終戦でどちらがクライマックスシリーズに進出するかをかけて対戦しました。
結果としてはロッテが勝ち、2位でクライマックスシリーズへの進出を決めました。

この結果、ロッテvsソフトバンクの勝者が
パリーグチャンピオンチームのオリックスと対戦します。

一方、セリーグでは広島vs横浜の勝者が
今年あれを成し遂げた阪神と対戦することになります。

このクライマックスシリーズが始まる前に一つ懺悔したく、記事を書いた次第です。

それは阪神タイガース不動の切り込み隊長
近本光司選手に対してです。



近本選手は2018年にドラフト1位で阪神タイガースに入団します。

ドラフト1位と言っても、現ロッテの藤原恭大選手、現楽天の辰巳涼介選手のくじを外してしまったことによるハズレハズレ1位ではあります。

とりたい選手をとれなかった訳ですが、
それでもなんでこの選手をドラ1で獲得した?
という気持ちでした。

当時熱心に野球を見ていなかったので、他にとるべき選手がいたのかと問われれば全く代案はなかったわけですが、

身長171センチと小柄な体格なことや前評判などからドラフト1位でとるほどではないだろうとの印象を受けました。

元阪神タイガースの片岡篤史氏も近本は1位じゃなくてもとれただろうし、もっと将来中軸を務めるような野手をとるべきと発言しておりました。

さらに、ネットでも2018年は史上最悪のドラフトなんて言われてました。
(この時の2位指名は小幡選手、3位は木浪選手です。そして6位には湯浅投手…結果的には神ドラフト…)

実際に2月のキャンプイン以降、映像でバッティングフォームを見ましたが、
この選手は打てないと思ってました。

足を大きく上げるスタイルはタイミングをとるのに苦労するだろうと思いましたし、
腕が伸び気味のトップの形はバットが遠回りしてさしこまれるだろうと思いました。
また、足が速い選手と聞いていましたが、
引っ張り傾向の印象を受けて、チグハグだと感じました。

多くの映像を見たわけではなく、キャンプ中の紅白戦だけ見ただけですが、
ドラフト時に抱いた疑念は確信に変わりました

この選手はハズレだ。

シーズン開始後も注目してましたが、
私の予想に反して、近本選手は活躍しました。

そして、1年目からオールスターにも選出されます。
さらにホーム甲子園球場で開催されたオールスター第二戦でサイクルヒットを達成してしまうのです。

ここですぐに手のひらを返していればよかったのですが、頑固な私はまだ批判的な目で近本選手を見ていました。

このサイクルヒットも最後にスリーベースを放ちましたが、パリーグ側の忖度が働いてのものと思ってました。
実際レフトの秋山選手は浅く守ってましたし、
中継に入った源田選手もゆっくり動いて投げるの躊躇してるし…
これは私の偏見かもしれませんので是非映像で確認してください!


オールスターでのサイクルヒット達成は古田敦也さん以来とのこと。
この時解説を務めていたのが古田さんでしたが、
最後のスリーベースにはどこか不満気でした。

その不満を感じとり、私も共感してました。
そして、近本調子乗るんじゃねぇよぐらいには思ってました…

オールスター明けも彼の勢いは止まることなく、
1年目のシーズン最多安打記録を塗り替え、盗塁王のタイトルも獲得し、新人王こそ村上宗隆選手に譲りますが、ファンの予想をいい意味で裏切る大活躍を見せたわけです。



しかし、私はこの時点でもまだ認めていませんでした。

なぜなら、近本選手の1年目の成績はとある選手の1年目と類似していたからです。


そのとある選手とは…
高山俊選手です。

高山選手もまたドラフト1位で阪神に入団し、1年目から活躍します。
将来は虎の中軸を担うと多くの人から期待されたわけです。
しかし、彼は2年目大きく数字を落としました。
(今年で自由契約になってしまいました…)


この経緯から近本選手も2年目苦しむと予想していました。

コロナ蔓延による短縮シーズンとなった2020年
調整も難しかったかと思いますが、
シーズン序盤、近本選手は低迷します。

得意気に「ほらな、あかんかったやろ?」
と父に言ったのを今でも鮮明に覚えています。

ですが、近本選手はそこから調子を取り戻し、
シーズン終わってみれば1年目の成績を更新します。

なんてこったと思ったわけですが、
まだ完全に認めるわけにはいかない私は彼の粗探しをしました。




その結果、2つの欠点を見つけます。

1つ目は出塁率の低さです。
彼は1番バッターでの起用が多く打率も3割近く残しますが、出塁率は3割前半と打率の割に低いと感じました。
実際にそう感じているファンは主観ではありますが、多かったと思います。

2つ目は肩の弱さです。
これはプロ野球ファンの中では共通認識かと思います。
YouTubeで「近本光司 肩」で調べると弱いというのが結構ヒットします。

実際には刺殺も多いわけですが(1年目は10刺殺)、これは舐められているが故かと考えております。

実際イチロー氏や新庄剛志氏のように肩が強いとランナーは無理して突っ込んできません。

この2点の欠点に目をつけ、私の目は確かだと自分自身に言い聞かせることにしました。

しかし、今シーズン一つ目の欠点が完全に解消されました。
岡田監督の意識改革により四球数が増えたからです!
出塁率は自己最高の.379でOPSも初の8台です!
3割後半の出塁率はトップバッターとして申し分ありません。

OPSは、「出塁率と長打率を足した指標」です。

 値の目安としては「OPSが0.700あれば一流選手」、「OPSが1.000あれば超一流選手」です。





私は今シーズン2試合のみですが、直接近本選手を見に行きました。

1つ目の試合は交流戦のファーストゲームとなった西武戦です。

2つ目の試合は9月3日のヤクルト戦です。

この2試合どちらも彼は第1打席にスリーベースを放ち、先制のホームを踏み、チームの勝利に貢献しました。

私は3塁側のサードベース付近の比較的前目の席でこの2試合を観戦しました。

そのどちらでも近本選手が私の方に向かって迫ってきたのです。
滑り込んでくる姿はとにかくかっこよかったです。

この瞬間私は近本選手にごめんなさいしました。

そうです。
私はこの2試合で完全に心を奪われ、
手のひらを完全に返しました。

ヤクルト戦では、最終打席にデッドボールを当てられてしまいました。
この時には相手投手にブーイングを浴びせるほどにまでなりました。

また、神宮は試合終了後、選手が帰っていく姿を拝めます。
私は近本選手が出てくるまで心配で待ち続けました。

歩いている姿を見て、大事には至ってなさそうかなと思い少し安堵したのを覚えています。

また帰宅中も同行が気になり、ネットでずっと確認していました。

就寝前には骨には異常がなく、数試合様子を見て復帰できる見通しと知り、安心して熟睡しました。

ここまで手のひらを返すと、
もう一つの欠点である肩の弱さも全く気になりません。

そもそも近本選手は足の速さを生かして守備範囲が広く、守備での貢献度も高い選手です。
UZRでも好成績を収めており、数字からも守備ですぐれた選手であることを証明しています。

UZR(Ultimate Zone Rating)とは同じ守備機会を同じ守備位置の平均的な野手が守る場合に比べてどれだけ失点を防いだかを表す守備の評価指標である。その守備位置の平均的な守備者のUZRはゼロとなり、優秀な守備者は+10や+20といった数値になる。



近本選手の魅力がわかったいま、
なんて自分の脳は都合がいいのだと呆れてしまいました

ただの素人がプロのスカウト、プロの判断を
なんの代替案もないのに批判して、
ただの素人のくせに自分の感覚、自分の目が正しいと思いたいがばかりに批判的な目で見てきました。

今更ではございますが、これだけは言わせて下さい。

大変申し訳ありませんでした。
本当に反省しております。


本当に都合よくて恐縮ですが、
クライマックスシリーズ、日本シリーズでもチームをどうか引っ張ってください。
心の底から近本選手を応援しています。

以上私の懺悔でした。
お付き合いいただきありがとうございました。
こんな都合のいい若輩者ではありますが、今後とも末永くお付き合いいただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。


P.S.
オールスターゲームの映像を探していて、1つ思い出しました!
近本選手がサイクルヒットを達成したこの試合ではタイガースの選手3人が甲子園でホームランを放つという激アツ展開でした!!
是非映像をご確認ください。

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