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スポーツドリンクの基礎知識

スポーツドリンクは清涼飲料水の一種で、運動中の発汗によって失われた水分・ミネラルを補給することを目的とした飲み物です。

水分補給はスポーツ界では基本的な分野ではありますが、スポーツドリンクの成分や効果的な利用方法について、意外と知らない人も多いようです。

今回は、スポーツドリンクの基礎知識についておさらいします。

スポーツドリンクに含まれる成分

スポーツドリンクの基本的な成分は水分・塩分(電解質)・糖分です。
電解質にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれます。

また、近年はアミノ酸やクエン酸を含むものも多く販売されており、これらのスポーツドリンクは、体に負担を掛けずに効率よく水分補給ができるよう考慮されて作られているのが特徴です。

スポーツドリンクを利用するメリット

脱水を防ぐ

スポーツ選手は常に脱水リスクと隣り合わせです。

大量の発汗によって電解質が失われた状態で水だけ飲むと体液が薄まってしまい、かえって危険です。
スポーツドリンクは運動時の発汗を想定して作られていますので、脱水対策に有効です。

筋肉の柔軟性を助ける

体内の電解質バランスは神経伝達や筋肉の連動に深く関わり、不足すると、脚がつる・痙攣、脱力などが起こります。

スポーツドリンクに含まれる電解質には運動中に起こる筋肉の痙攣や脚のつりを防ぐ効果があり、筋肉の柔軟性を助けます。

運動中のエネルギー補給に

スポーツドリンクに含まれる糖質は、エネルギーを確保するという重要な役割を果たします。

競技中いかにバテずにやり切るかというのは、多くのスポーツ選手にとって重要な課題です。

食欲が出ない・食事をとる時間がない場合も、スポーツドリンクから最低限のエネルギー補給ができるため、パフォーマンス維持に役立ちます。

スポーツドリンクのデメリット

糖質の量に注意

デメリットは先ほど説明した、スポーツドリンクには糖質が含まれているという点です。
一般的なスポーツドリンクは4〜6%の糖質が含まれており、カロリーに換算すると1本(500ml)で100〜125kcalあります。
エネルギー維持に欠かせないとはいえ、日常的にとればカロリーが気になるところ。

普段から体重管理を徹底しているというアスリートにとっては、スポーツドリンクに含まれる糖質の量も見過ごせない点ではあります。

飲み過ぎるとどうなる?


糖質を含むスポーツドリンクは、試合中など多くのエネルギーが必要な状況では有利に働きます。
しかし、カロリーを消費しない状況(家でテレビをみながらがぶ飲み等)では、糖質の取りすぎにつながります。

使われなかった糖質は中性脂肪として蓄えられ、体重増加の原因になります。

また、スポーツドリンクには糖質カットしたゼロカロリー飲料もありますが、それについてはまた別の記事で紹介したいと思います。

水筒に入れて持ち歩いても大丈夫?


スポーツドリンクはナトリウム(塩分)を含むことから、内部の金属が溶け出して金属中毒を引き起こすリスクがあり、水筒には入れて持ち歩かないというのが通説です。

近年の水筒は内部まできちんとコーティングされていて金属が溶け出すリスクは少ないようですが、傷が入ったものや経年劣化したものは注意が必要です。

アイソトニックとハイポトニック


スポーツドリンクには大きく分けてアイソトニック飲料とハイポトニック飲料があり、この2つの違いは主に「浸透圧」によって区別されます。

運動前はアイソトニック


アイソトニック飲料とは、安静時の体液に近い濃度・浸透圧で作られたスポーツドリンクです。
糖質は4〜6%含まれており、安静時の体液に近い浸透圧のため運動前の水分補給としておすすめされています。

運動中はハイポトニック


一方、ハイポトニック飲料ははナトリウムや糖質の濃度が低く、安静時の体液よりも低い浸透圧で作られたスポーツドリンクです。
糖質は2%前後とアイソトニック飲料よりも低く、経口補水液に近い濃度となっています。
浸透圧が低く水分が腸管で速く吸収されるので、運動中や運動直後の水分補給に向いています。

経口補水液との違い


経口補水液はハイポトニック飲料に分類されますが、経口補水液が必ずしも運動後の水分補給に向いているわけではありません。
注意したいのが、経口補水液はハイポトニック飲料に比べてナトリウムが2倍近く含まれるものもあるということです。

経口補水液はあくまで脱水や熱中症、下痢や嘔吐の回復をはかる病者用食品という位置付けであるため、この辺りをきちんと区別しておくことが重要です。

日常的に経口補水液で水分補給をした場合のリスクについても、改めて記事にまとめていきます。

まとめ

・スポーツドリンクは、水分と電解質・糖質を含み、運動中の水分補給に適した飲料
・日常的に飲むと糖質の摂りすぎにつながる
・アイソトニックとハイポトニックを使い分けると良い
・スポーツドリンクと経口補水液は似て非なるもの。経口補水液は常飲するものではない

水分補給に関する基本的な知識を踏まえ、健康的なスポーツ生活を送りましょう。

株式会社スポーツセンシング


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