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【スポーツ基礎】栄養

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アスリートにとって、栄養の事を考えることは不可欠です。ですが、意外と気にしていない人が多いのも事実です。栄養の事を少し考えてみましょう。
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スポーツには必須!栄養の知識

アスリートにはスポーツ栄養の知識が必須アスリートが競技力向上を目指す際、ついついフィジカルのパフォーマンスを上げるためのトレーニングや、戦術的な練習に目が行きがちです。 ですが、せっかく鍛えた体でも、本番に力が発揮できなければ意味がありません。つまりコンディションをしっかりと整えることが重要になってきます。 コンディションを整えるための重要な要素の一つが食事を含めた栄養のバランスになります。アスリートは一般の方と違って、自分の体組成や競技特性などに応じて気を付けないといけな

たんぱく質は食事でカバーできる?

日本人の食事摂取基準では、たんぱく質の1日の必要摂取量は必要摂取エネルギーの13〜20%といわれており、だいたいですが成人男性で65g、成人女性で50g程度摂ることが推奨されています。(※1) また、日頃から運動をする方は体重×1.2g〜1.7g程度摂るとよいといわれています。 たんぱく質の量を確認してみようでは、たんぱく質50g〜65gはどのくらいで摂取できるのでしょうか? 代表的な食材を例に挙げてみます。(※2) 卵1個(50g):6.1g 木綿豆腐1/3丁(100g

知っておきたい基本編「PFCバランス」

健康的なカラダ作りのために知っておきたいのがPFCバランス。今回は、理想的な栄養バランスについて考えていきます。 PFCバランスとは食べ物に含まれる栄養素のうち、エネルギーとして使われるものを三大栄養素といい、たんぱく質(protein:P)、脂質(fat:F)、炭水化物(Carbohydrate:C)英語の頭文字をとってPFCと呼んでいます。 エネルギーとしては、たんぱく質(4kcal /g)、脂質(9kcal /g)、炭水化物 (4kcal /g)で計算します。 わ

カーボローディングとは

カーボローディングとは、試合中にエネルギー源切れを起こさないよう持久力を高めることを目的とした食事テクニックのひとつです。 カーボローディングはグリコーゲンローディングともいわれ、試合当日に向けて徐々に糖質の摂取を増やしていき、筋グリコーゲンの蓄積量を上限までためておく食事法です。 スタミナの持続がカギとなる、マラソンやトライアスロンなどの持久競技で取り入れられています。 具体的な例 試合1週間前:通常食〜糖質少なめの食事 試合3〜4日前:糖質が多い食事(脂質は控えめ)

気をつけたい女性アスリートの鉄欠乏!摂取のポイント

鉄は酸素の運搬・酵素の活性化に関わり、人体に欠かせないミネラルのひとつです。 機能鉄と呼ばれる鉄は筋肉中のミオグロビンにも存在しており、不足すると筋肉の疲労を感じることも。アスリートにとって、鉄は重要なミネラルでもあります。 女性アスリートは貧血になりやすい?ハードな運動を行うアスリートは、発汗による鉄の喪失、強い衝撃による赤血球の損傷(溶血)、骨格筋を動かすための酸素需要の増大など、鉄欠乏になりやすいリスクを抱えています。 加えて、月経のある女性は男性に比べて貧血にな

筋痙攣とマグネシウム

マグネシウムとはマグネシウムは健康維持に欠かせないミネラルで、体内では骨や筋肉、肝臓などに存在しています。 血管を拡張させて血圧を下げたり、血栓を作りにくくするほか、さまざまな酵素の活性化を担っている重要なミネラルです。 また、マグネシウムはおよそ50〜60%が骨に存在します。 カルシウムの摂取と密接な関係にあり、マグネシウムとカルシウムはそれぞれが筋肉の動きに作用します。 この2つが拮抗して筋収縮を制御しています。 痙攣やこむら返りの原因 そして、このマグネシウムは発

プロテインバーで太る?ここがポイント

美味しく手軽にたんぱく質が摂れることから、筋トレをしている人にとってはありがたい存在のプロテインバー。 最近は色々なメーカーから販売されており、手軽にたんぱく質が摂れるようになりました。 プロテインバーで太る? ですがこのプロテインバー、よく見てみると脂質が多いことがわかります。 商品によって差はありますが、だいたい1包装あたり10〜15gの脂質が含まれている印象です。 1日の総摂取カロリーが2,000kcalの人の場合、脂質の摂取量は1日55gが目安ですから、大体1/

アスリートに必要な栄養素を野菜から考える

今回は、スポーツ選手が積極的に摂りたい栄養素を“野菜”から考えてみたいと思います。 緑黄色野菜:免疫向上 まずは、トマトやかぼちゃ、ピーマンなどの緑黄色野菜です。緑黄色野菜は、免疫機能に働くビタミンA、C、Eを多く含みます。 とくにスポーツ選手はハードな運動による活性酸素からのダメージを受けやすいので、抗酸化作用のある緑黄色野菜を意識して摂るのがおすすめです。 その他の野菜:ミネラル・食物繊維をプラス キャベツや白菜、大根などの淡色野菜は、緑黄色野菜に比べてビタミンが

水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン

五大栄養素であるビタミンは、現在13種類のビタミンが確認されています。 そのビタミンは水に溶けやすい「水溶性ビタミン」と、油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」があります。 水溶性ビタミン 水に溶けやすく、熱に弱いという特徴があります。効率よく摂取したい場合は非加熱調理や、スープにして水分まで摂るといった方法があります。 ビタミンB1、B2、B6、B12 葉酸、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸 ビタミンC 脂溶性ビタミン 油に溶けやすいので、例えば炒め物など油で調理す

ビタミンの過剰摂取について

しっかり摂取するよう言われることが多いビタミンですが、摂取にあたっては注意することもあります。水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンで違ってきます。 水溶性ビタミン水溶性ビタミンはたくさん摂っても尿から排出されるので、過剰症についてはあまり心配ありません。 脂溶性ビタミン脂溶性ビタミンは水溶性ビタミンに比べて体内に蓄積されやすく、摂りすぎによるリスクがありますので注意しましょう。 【ビタミンA】胎児の発生異常、関節痛、頭蓋骨内圧亢進 【ビタミンD】高カルシウム血症、腎障害

サプリメントでドーピング?

普段からドーピングに気をつけていても、意図せずルール違反を行なってしまう場合があります。その原因の一つにあるのが「サプリメント」。今回は、サプリメントとドーピングの関連性について考えていきます。 ドーピングとは?ドーピングについて、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)ではこのように定義されています。 うっかりドーピングが問題に?ドーピングにおける代表的な禁止物質といえば、「ホルモン剤」「筋肉増強剤」「ステロイド」などなど… しかし、市販薬やサプリメント・食品にもドーピン

知ってた?高たんぱくと表示できる基準

さまざまなところで目にする「高たんぱく」というフレーズ。 「〇〇たっぷり」や「高〇〇」、「〇〇控えめ」などは、いわゆる栄養強調表示と呼ばれ、一定の基準をクリアした食品のみ表示することができます。 「たんぱくが多い」のはどこから? 高たんぱく質の基準は、100gあたりたんぱく質16.2gと決まっています。※1 つまり100gあたりにたんぱく質が16.2g含まれていれば、「たんぱくが高い旨」を表示することができます。 そのほかの栄養素についても、一定の基準を満たしていれば

空っぽな栄養 〜エンプティカロリーとは?〜

エンプティ・カロリーという言葉を聞いたことがあるでしょうか?一般的に言われるエンプティ・カロリーとは、「エンプティ=空っぽな」カロリーのことです。では、空っぽのカロリーとは一体何を意味するのでしょうか? エンプティカロリー=ゼロカロリーではない エンプティカロリーの食べ物をゼロカロリーと勘違いされることがあります。しかし、これは間違いで、脂質や糖質などのエネルギー(カロリー)を多く含んでいるのに、ビタミン、ミネラルなどがあまり含まれていないものをエンプティカロリーと呼びま

忘れがちだけど重要!水分補給

アスリートにとって水分補給は熱中症予防だけでなく、パフォーマンス維持やコンディションを整えるために重要な要素です。 競技にもよりますが、運動中の発汗量は1時間で2ℓ以上になることもあります。体内の水分が失われることで心拍数が過度に上昇し、集中力の低下やパフォーマンスの低下を招きます。適切な水分補給は、より良いパフォーマンスを発揮することにつながります。 どのぐらい飲めばいい? 一般的に体重の2%以上の水分が失われると、パフォーマンスの低下を招くと言われています。(体重50