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チケット売上・観客動員数UPに向けて~vol3.2回目・3回目来場者を増やす~

こんにちは。
スポーツビジネス向上委員会の今住です。

気温の上昇とともに、日が長くなり、ナイトゲームにぴったりの季節が近づいてまいりました。
野球、サッカーなどなど、スポーツ観戦にさらに拍車がかかりそうな今日この頃です。

さて先日は、「チケット売上・観客動員数UPに向けて~vol2.CRMの基本と活用事例~」をテーマに、「リピーター増加のためのマーケティング」について、ご紹介をさせて頂きました。

今回はリピーター増加を狙う中でも特に重要である、「2回目・3回目来場者を増やす」方法に絞って、ご紹介したいと思います。

①「2回目・3回目来場者を増やす」ことがなぜ重要なのか
②具体的な施策例

上記2点にポイントを絞り、詳しく解説していきます。


①「2回目・3回目来場者を増やす」ことがなぜ重要なのか


「2回目・3回目来場者を増やす」ことが重要と考える理由は大きく2つあります。
1つは、リピーターを獲得するコストは、新規顧客を獲得するコストの1/5であると言われており、より多くの利益を生むためにはリピーターを獲得するほうが効率が良いためです。
初めて来場の顧客を獲得するには、チームを認知してもらう、興味関心を持ってもらうための宣伝が必要ですが、一方で、2回目・3回目来場を促すターゲットは、既にチームを認知している顧客になるため、認知のための宣伝のコストが必要ありません。
そのため、2回目来場への施策が成功すれば、低コストで来場者の獲得につなげることができます。

2つ目の理由は、3回来場した顧客は常連客になりやすいと言われているためです。
これは、実際にJリーグでもデータが公開されておりますが、年3回来場した顧客は離脱率が50%以下になり、常連として定着する割合が高くなることが分かっています。
そのため、年3回来場する顧客を獲得すればそのうちの50%以上は、その後も継続的に来場してくれる顧客、いわゆるコアファンになるというわけです。
さらに、コアファンになった方は、友人を連れてきてくれる確率なども高まってくるため、来場者獲得という観点での好循環が生まれることにつながります。

これはJリーグだけでなく、他業界のEC業界でも同様のデータが分かっています。

図1 ECサイトにおける購入回数ごとの転換率
(出典 RJMETRICS."5 Questions to Get You on the Path to $10mil in Annual Revenue"

図1は、ECサイトでの購入回数ごとの転換率を表しています。
このデータを見ても、3回目購入以降の転換率は50%を越えており、購入回数が増えるごとに転換率も上がっていきます。
データからも読み取れるように、より多くのリピーターを獲得するためには、初回→2回目来場者をどれだけ多く獲得できるかが肝になってきそうですね。

ここまでの話をまとめると、
2回目・3回目来場者を増やすことで、
★より低コストで来場者を獲得することができ、
★継続的に来場してくれる常連客をも獲得することができるのです。

②具体的な施策例


ここからは、「2回目・3回目来場者」を獲得するための具体的な施策例についてご紹介していきます。

次回来場のためのクーポン配布


どの業界でも、クーポンというのは次回購入に直結しやすい施策の1つです。
チケット購買における最も分かりやすい例としては、
次回来場に使える「割引チケット」ではないでしょうか。
初回来場者にターゲットを絞り、「次回500円で試合が観戦できるあなただけの特別クーポンです」といった案内を送るなど。

他にも、「次回会場で使えるグッズ割引券」など、会場でしか使えない、という条件を付けても良いでしょう。

クーポンには期間限定という条件をつけるのが効果的です。
人間の心理として、プロスペクト理論(人は利益よりも損失に敏感に反応すること)があります。得するより損することを回避したい、という気持ちを働かせることで、行動に移ることがあるのです。
例えば、「あと5日でクーポンの期限が切れます、購入はお早めに!」と言われると、何か良い商品がないか探そうかな、という気持ちになりませんでしょうか。
期間限定にすることで、「クーポンが切れるのがもったいない」「期限が切れる前に使いたい」と思ってもらい、2回目購入(来場)に促すことができます。

バースデーメール&クーポン


クーポン施策の派生版として、「バースデーメール&クーポン」という施策があります。
顧客の誕生日もしくは誕生月に合わせ、お祝いメールとクーポンを合わせて配信する施策です。
私が実際に受け取ったメールですが、千葉ロッテマリーンズでは、事前に登録したお気に入り選手から(お気に入り選手が差出人として)お祝いメールが届きます。
今回はクーポンはついておりませんが、お気に入り選手グッズを購入して応援しよう!という導線が設けられています。

千葉ロッテマリーンズ バースデーメルマガ

来場後のフォローメール


顧客と継続的な関係を築くには、「忘れられないようにすること」が最も重要です。
特に、初回来場者=ライト層の顧客には、忘れられないためのアフターフォローが重要になってきます。
とある実施例でいうと、試合終了後に、来場者へのサンクスメール&次回試合のチケット情報を配信します。
その後、1週間以内に次回試合のイベント情報や空席情報などを配信し、定期的な情報配信を行います。

同様の施策は、BtoB通販業界でも実施されています。
BtoB通販業界では、既存のロイヤルカスタマーを分析した結果、初回購入から90日間以内に2回目以降購入しているお客様が、2年後ロイヤルカスタマーになっている割合が高かった、というデータがあります。
そのため、初回購入から90日間以内に2回目以降購入してもらうための施策に注力し、コミュニケーション強化を実施しています。
例えば、初回購入から30日間は特に顧客との関係性を深めるために、メール、郵送DM、電話など様々なメディアを使うことで顧客とのタッチポイントを多く作っています。
そこからさらに購買促進につながるように、レコメンドやパーソナライゼーションをもとに、各顧客に合わせたOne to Oneコミュニケーションを実施しています。

スポーツ業界でも、どんな顧客が「ロイヤルカスタマー」なのか(例えば、来場回数が多い顧客・客単価が高い顧客・知人を連れてくるアンバサダー等)を分析し、
「ロイヤルカスタマー」を増やしていくために、どのような施策・コミュニケーションが有効なのか、データの分析とともに仮説を立てて、検証していくことが大事になってきそうですね。

さて今回は、
「チケット売上・観客動員数UPに向けて~vol3.2回目・3回目来場者を増やす~」をテーマに、その重要性と施策例についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
読んで頂いた皆さまにとって、少しでもプラスの情報となっておりましたら幸いです。

弊社では、スポーツ団体様の抱える課題を、デジタルマーケティングを用いて解決するお手伝いをさせて頂いております。今回ご紹介した、2回目・3回目来場者の獲得に関するご支援(CRM支援)も、既に複数のスポーツ団体様とのお取組実績もございますので、もし無料で相談してみたい、どんな支援をしてくれるのか話を聞いてみたい、などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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