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【Doctor Tのスポーツ医学】スポーツ心理学はとてもおもしろい!

初めまして、スポーツドクターTです。私はイギリスのUCLでスポーツ医学の修士課程を終了した家庭医です。これから、スポーツや運動に関わる情報を発信していきたいと思います!
初回はスポーツ心理学。昨日から始まったバーチャル学会です。私もポスター発表しています。台湾に行けるかなと思っていましたが、このコロナの状況では無理ですね。すべてがバーチャル開催になりました。


スポーツ心理学と聞いて何を思い浮かべますか?実はとても幅広いのです。私も今回初めて学会に参加して驚いています。

私がスポーツ心理学に興味を持ち始めたのは、修士論文の研究でアスリートのメンタルヘルスをテーマにしてからです。最近は大坂なおみ選手の影響で、皆さんに知られるところになりましたが、以前から選手たちは悩みを抱えていたのです。そしてこれは過去形ではありません。

そして、スポーツ心理学はアスリートの心の悩みだけにとどまらず、
- チーム内で選手間の感情どのようにパフォーマンスに影響しているか、そして選手は実際にはどのように湧き上がってくる感情をコントロールしているのか
- 一般の運動しない人たちにどのようにモチベーションを上げて運動させるか
- 子供のスポーツを取り巻く、選手-コーチ-親の関係についての分析とどのような関係がより健康的なのか
など多岐に渡ります。まだまだ学会は月曜まで続くのでとても楽しみです。

心理学というと、なんとなく掴みどころがないと思われることも多いでしょう。私がこの学会に参加して、とてもおもしろかったのが、試合を見ているだけではわからない、選手たちのこころの中を研究によって、「言葉で」明らかに表現されていた点です。心理学の研究はいわゆる「数を数える」量的研究に加え、数を数えるのではなくインタビューなどその内容に深く踏み込む質的研究も多くなされるようです。この質的研究でインタビューをする場合、研究者たちは、明らかにしたいテーマにフォーカスした同じ質問を複数のアスリートにします。その言葉の中からキーとなるポイントを抽出して、カテゴライズすることで傾向を見出したり、もしくは量的研究では落ちてしまう珍しい減少を見つけ出したりします。最近は、インタビューでも思ったことを表現できる選手が出てきていますが、研究の場合は、研究者側が知りたいことに的を絞って、深く聞いているので、選手のよりリアルな中が見えます。

非常に面白い分野なので、日本でももっと多くの人が携わり、日本からも研究結果が世界に発表させるといいなと期待しています。心理学なので、文化や地理に大きく影響されます。西洋とアジアの比較、アジアの国の中での比較をすることによって、文化やその国特有な事象と万国共通なことがわかってくるはずです。

スポーツ心理学に限らず、みなさんの役に立ちそうな情報があったら、noteに書いていきたいと思います。

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