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【IS曲線とLM曲線の導出】マクロ経済学part9

 マクロ経済学の一つの山であるIS曲線とLM曲線(主観多め)。これらを一気に解説します!!

どうもこんにちは! こちらの続きです!


前回までのあらすじ

  • 財市場の均衡条件は$${Y=cY+C_0+I+G}$$

  • 利子率と投資は負の関係

  • GDPと貨幣需要は正の関係

  • 利子率と貨幣需要は負の関係

IS曲線とLM曲線

利子率が与える影響

 前回までを踏まえると、利子率は投資$${I}$$と貨幣需要の2つに影響を与えることが分かりました。前者は財市場に、後者は金融市場に繋がります。

 つまり、利子率は財市場と金融市場に影響を与えるのです。我々の目的は、GDPをグラフのシフトによって上げることでした

 そこで、利子率と総需要(GDP)の関係を考えていきます。

  • 財市場の観点で見た、二者の関係をIS曲線

  • 金融市場の観点で見た、二者の関係をLM曲線

と呼びます。

 そして、利子率といちいち書くのも面倒なので、これからは利子率を

 $${r}$$

 と称します。


 (I投資 Investment(財)、S貯蓄 Saving(利子が付く)なので、ISという、L流動性Liquidity(現金化のしやすさ、貨幣需要)、MMoney(貨幣供給)なので、LMという。)

IS曲線

 利子率と財市場の関係、つまり$${r}$$(利子率)と$${Y}$$(総需要、GDP)の関係を示せばよいです。
 $${Y=Y_d=C+I+G}$$でした。ここで前回にやった投資関数が活躍します。
 利子率$${r}$$が増えると、投資$${I}$$は下がるという関係でした。(利子が低い方が、企業はお金を借りやすく、設備投資をしやすくなるため。)

 つまり、利子率$${r}$$が増えると、総需要:$${Y_d=C+I+G}$$も増えるということですよね。財市場では、$${Y=Y_d}$$でした。財市場という観点で見ると、$${r}$$と$${Y}$$は逆の関係にあるのです。これをIS曲線といいます。

財市場ではGDPが増えると利子率が下がる

LM曲線(貨幣量を求める)

 ここの導出はすこし面倒です。がんばりましょう。まず、利子率と貨幣需要、貨幣供給の話を完結させる必要があります。

 利子率が増えると、利子を得るため人々は預金します。つまり、貨幣を持とうとはしなくなります。

 利子率と貨幣需要は逆の関係でした。

流動性選好というものでしたね

 利子率と貨幣供給はどのような関係なのでしょうか。答えは、関係がありません。マクロ経済学では、利子率がどんだけ高かろうと、低かろうと、世の中に存在する貨幣の量は一定と考えます。

一定なのでまっすぐです。ちょっと曲がってるのは気にしない

 よって、貨幣需要と貨幣供給を均衡させると、望ましい利子率と望ましい貨幣量が求まります。だから何なんだということなので、貨幣の量は利子率によって決まるという事実を認識しましょう。

 貨幣需要を$${L}$$とし、貨幣供給を$${M}$$とすると、金融市場均衡式は$${L=M}$$となり、この関係がLM曲線のもとになります。

貨幣の需給が一致する図、L=Mの関係を表す。

LM曲線(GDPと利子率の関係)

 ここで、前回の貨幣需要とGDPの関係を考えます。お金をいっぱい持つと、爆買いしたくなるので、貨幣需要が増えるとGDPも増えるのでした。
 そして、預金したほうが得なので利子率と貨幣需要は逆の関係でした。

 つまり、利子率が下がると、貨幣需要は増え、GDPも増えるので、GDPが増えると利子率増えることが分かります。

 よって、金融市場でみた利子率とGDPの関係は正となります。これがLM曲線となります。

金融市場では利子率が増えるとGDPも増える

 IS曲線とLM曲線を足し合わせてみましょう。

 財市場と金融市場のコラボレーションです。

 もしも、IS曲線が右へシフトとしたら、GDPはどうなるでしょう??

まとめ

 今回は利子率とGDPの関係を2つの市場で見ていきました。

  • IS曲線は、利子率とGDPが負の関係

  • LM曲線は、利子率とGDPが正の関係

最後まで見ていただきありがとうございました!!
次回はこちらからー



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