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【進路に悩む高校生必見!!経済学部で何を学ぶ?】1.ゲーム理論編


はじめに


 今回は経済学部で勉強するゲーム理論についてどのようなことを学ぶか解説します。進路や学部選びに迷っている高校生または、学問に興味のある大人の方これから履修登録する大学生に向けて、現役経済学部大学生が解説、紹介します。

 この学問は名前からして、なんだか面白そうだなと思われます。実際に勉強してみると思ってたゲームとは違いますが、人の行動を分析できるという点では面白いと思います。

 余談にはなりますが、本日から学問紹介をやっていきます。まずは第1弾としてゲーム理論を紹介します。まだ構想は練っていますが、12個程の学問を紹介出来たらいいなと思っております。


ゲーム理論とはどういう学問?


 ゲーム理論ではどのようなことを学ぶか説明します。ゲーム理論は、数理モデルを用いて論理的に人々の行動を考えていく学問です。

 「この人はこういう行動を取るから、こういう結果が考えられて・・・」などと分析していくのです。

 人々の行動から発展して、企業の寡占防止企業の経営的戦略から、紛争の発生や核による武力行使を回避することに貢献しています。このようにゲーム理論というものは幅広く社会に役立っています。


具体的に紹介 : 囚人のジレンマ


 ゲーム理論とはどのような内容を扱うか説明します。有名なものでいうと、囚人のジレンマゲームですね。ちょっと難しいですが是非読んでみてください。

 2人の囚人がいるとします。彼らは犯罪の容疑で逮捕されており、別々の部屋で尋問を受けています。2人は「自白」「黙認」の2つの行動をとるとします。行動は3パターンに分けられ、懲役年数は以下のようにします。

・2人が自白する場合、2人とも懲役5年
・2人が黙認する場合、2人とも懲役1年
・1人が自白し、1人が黙認する場合は、自白した人は釈放、黙認した人は懲役10年

2人の行動を考えてみましょう。

 相手自白した場合黙認した場合の2つを考えてみましょう。


相手が自白した場合


 相手が自白した場合、自分が自白するか黙認するかを考えます。

  • 自分が自白すれば、自分は懲役5年です(相手も懲役5年になる)。

  • 自分が黙認すれば、自分は懲役10年です(相手は釈放されます)。

よって、相手が自白すると考えると、自分は自白するほうが得です。


相手が黙認した場合


 相手が黙認した場合、自分が自白するか黙認するかを考えます。

  • 自分が自白すれば、自分は釈放されます(相手は懲役10年になる)。

  • 自分が黙認すれば、自分は懲役1年です(相手も懲役1年になる)。

よって、相手が黙認すると考えると、自分は自白するほうが得です。


二人の選択が論理的にわかる


 つまり、自分は自白を選択せざるを得ない状況になるのです。論理的に人々の行動を考えることができることを実感できたと思います。つまり、2人とも自白を選ぶことになるのです。この選択をナッシュ均衡と呼びます。

 囚人のジレンマは有名な話だと思うので、実際に経済でどのように使われるかを紹介します。数値はあくまで例えです。

 2つの企業がいるとします。2社は違法な協力関係の疑いがあり、発覚すると税金を払うことになります。2人は「自白」「黙認」の2つの行動をとるとします。

2人が自白する場合、2人とも懲税5億になります。
2人が黙認する場合、2人とも懲税1億になります。
1人が自白し、1人が黙認する場合は、自白した人は税を納めなくてよく、黙認した人は懲税10億になります。

2企業の行動を考えてみましょう。

 先程の囚人のジレンマと同じ数字を使っているので、2社の選択はわかると思います。このナッシュ均衡は、2社は自白することになります。

 最近の企業で内部告発が多いのはもしかしたらこういうことも原因の1つかもしれませんね。


まとめ:他にはこんなことを学ぶ


 以上のことから、ゲーム理論というものがどういう学問か理解できたと思います。今回はナッシュ均衡というものを紹介しましたが、展開型ゲーム、逆向き推論というものもあったりします。

 他に大学で専門的に勉強しようとすると

  • 懲役、徴税学の大きさを変更した場合を考える

  • 今回のような具体的な数値以外にも、関数や数式を使って考える

  • 「40%で自白をし、60%で黙認する」などといった確率を考える

などといったことを学びます。次回はミクロ経済学を紹介します!

 経済学部に進路を考えている方への1つのきっかけになればいいなと願っております。最後まで見ていただきありがとうございました。

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