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「誰もやっていないことを不安には感じない。むしろワクワクする」スパイク好きの青年が日本で唯一のスパイク選びのプロになるまで。

ラグビー・サッカーのスパイクに精通し、スパイク選びのノウハウを発信している0014(オオイシ)さん。Twitterアカウント(@0014blog)には、全国の中高大のラグビー部・サッカー部の学生を中心に3万人近いフォロワーがいます。

2020年3月には、選手に最適なスパイクを選ぶことを職業とするギアコンサルタントとして、独立を決意。ラグビーやサッカーのスパイクを選定してくれる専門のコンサルタントは、各メーカーやスポーツ量販店にはいるものの、個人で生業としているのは、日本全国でおそらく0014さん、ただ一人。

選手のポジション、プレースタイル、運動量、骨格、習慣などをヒアリングして、その選手が怪我なく、最高のパフォーマンスを出すことができるスパイク選びをサポートしています。選手にとって最適なスパイクを選ぶために人間の骨格の知識まで習得していたり、新しいスパイクが発売されると1時間ほどスパイクを眺めながら、その特徴を分析する徹底ぶり。

今回は、プロのギアコンサルタントになったきっかけについて、0014さんにお伺いしました。

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テレビ会議でインタビューに応じてくださいました


――はじめに、スパイクに興味を持ったきっかけを教えてください。

中学生のときです。大阪にある啓光学園中学校(現在は常翔啓光学園中学校)に入学したのですが、友だちに誘われてラグビー部に入部しました。当時は全国レベルのラグビー強豪校だったので、ラグビー漬けの毎日でした。

ラグビーの試合中、ふとしたきっかけでハーフタイムにスパイクを履き替えたことがあって。履き替えた後のスパイクがすごく走りやすくて、「スパイクだけでもここまで違うのか」と思ったのが、スパイクに興味を持ち始めた原体験ですね。


――ご自身が実際にラグビーをプレーしていて、スパイクに興味を持つようになったのですね。スパイクに関する情報発信を始めたのはいつ頃でしょうか?

高校を卒業したタイミングですね。最初は完全に趣味で始めました。今みたいに、ブログは毎日更新していないですし、靴に関してもそれほど詳しくなかったです。自分で履いてみたスパイクの感想を書く、そんなレベルのものでした。

大学進学後、マーケティングを専攻してから、読者を意識したコンテンツを作り始めました。当時、ブログやTwitterでサッカーやラグビーのスパイクについて発信している人をあまり見かけなかったので、力を入れてやってみようと。そうして、ブログが段々と読まれるようになり、Twitterもフォロワーが増えていったという感じです。

Twitterではスパイクのセール情報や
お手入れの方法などを発信


――大学で勉強したことをブログやTwitterで生かしていたのはすごいですね!大学を卒業してからは、どのような活動をされていたのでしょうか?

個人の活動として、ブログ、Twitter、YouTubeで情報発信しながら、卒業後は大手スポーツ量販店で働き始めました。このスポーツ量販店で働いたことをきっかけに、リアルな場でさまざまな人にスパイクをおすすめするようになりました。

僕が個人的に勧めたスパイクやサプリメントを使ってもらって、花園で活躍した選手もいます。その選手とは仲良くなってLINEでやりとりしていたのですが、試合後に「パフォーマンスが上がりました!」とフィードバックをもらったときは嬉しかったですね。大げさかもしれませんが、選手をサポートできた実感から、そのチームの一員になれた気がしたのです。

また、これを専門の仕事にできないかなと思い始めたのも、このタイミングです。ラグビーやサッカーのチームには、フィジカル専門のフィジカルトレーナーがいたり、分析専門のアナリストがいたりします。同じように、スパイクやインソールなど、選手が身につけるものを選ぶプロのギアコンサルタントがいてもいいのでは…と。

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全国屈指の名門校で活躍する選手も
0014さんのアドバイスをもとにスパイクを選ぶ


――確かに、選手はスパイクを選ぶ専門家ではないので、その知識は選手にとって役に立ちますね。パフォーマンスを左右するスパイク選びにも強いニーズがありそうです。その後、どういった経緯があって独立しようと思ったのでしょうか?

やはりスポーツ量販店で社員として働く以上、多少の制約がありました。例えば「とりあえず安いものを買いたい」といったお客様に対しては、パフォーマンスの最大化を優先したスパイク選びの熱量を伝えるわけにもいかず…。

次第に、自分に合ったスパイクを探している人たちに対して、本気で向き合っていきたいと思うようになり、独立を考え始めました。ただ、スポーツ量販店での仕事はやりがいがあったし、独立するにしても収入面で多少不安があったので踏み切れないところもありました。


――それでも、独立に踏み切ったということは、何か大きなきっかけがあったのでしょうか?

ラグビー7人制日本代表の林 大成選手(@Hayatai12)との出会いですね。彼とは、実は高校時代試合したことがあったんです。2人とも大阪府の高校で。ただ、コミュニケーションを取り始めたのは割と最近で、彼がTwitterでやっている #全国ステップチャレンジ に参加したことがきっかけです。

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林選手とは一緒にラグビーの練習をすることも

彼とコミュニケーションを取るうちに、彼の自由な生き方(※)に勇気をもらって、自分のやりたいことを全力でやろうという決意ができました。そうして、ギアコンサルタントとして、独立することを決めました。

(※)
林選手は、7人制ラグビーのオリンピックに向けて、プロとしての所属チームを捨て、さらに住居も捨てた無拠点居住者「アドレスホッパー」アスリートとしてご活躍されています。


――実際に独立してから、活動に変化はありましたか?

ブログやYouTubeのコンテンツの制作や、ギアコンサルタントとしてのサポートに時間が取れるようになりました。また、オンラインでのギアのコンサルティングも始めました。実際に対面した時ほど細かい話はできませんが、その分価格を抑えてやっています。

チーム向けのスパイク・インソールの体験会やスパイク選びの講習会など、新しい取り組みも始めました。今は新型コロナの影響でまだ本格的にスタートできていないですが、落ち着いたら本格的に取り組んでいこうと思っています。

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体験会では、スパイクやインソールを変えると
パフォーマンスがどう変わるのかを
選手に体感してもらう


――インタビューを通して、熱量がひしひしと伝わってきました。0014さんにとって、ギアコンサルタントとしてのゴールって何になりますか?

最終的な目標は、日本全国の、全てのレベルのアスリートが、自分の足と靴選びについて真剣に考える世の中にすることですね。靴の選択だけで、怪我のリスクやパフォーマンスが大きく変わることを知ってほしいです。

今は、ネットでも簡単にスパイクを購入できる時代ですが、いろんなシューズを実際に試してもらえる環境も作っていきたいです。まずは、目の前の人や僕のコンテンツをいつも見てくれている人を、僕なりのやり方でサポートして、幸せにできたらなと思います。

――ありがとうございました。


記事を読まれて0014さんに興味を持った方は、ぜひブログやYouTube、Twitterをチェックしてみてくださいね。
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