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ワークショップ第13回『解析力学』【物理学部】[20210920-1003]

物理学部のyuumaです。今回は解析力学についての解説(第一回)を行いました。

解析力学はNewton力学をより数学的に洗練させてまとめ直した学問という認識をしている方が多いと思います。確かにその通りなのですが,実は解析力学は「最小作用の原理」と「Lagrangianの導入」という二つの要請を置くだけで,Newton力学以外にも他の物理を導出できる力を秘めています。Newton力学での要請(Newtonの三大法則)からはNewton力学しか導出できませんが,解析力学ではこの2つの要請を置くだけで,より多くの物理を表すことができるのです。

今回のWSは,解析力学の要請についてやラグランジアンに慣れることをメインに進めていきました。変分法を用いた問題も紹介しました。終わり方が中途半端ですが,次回のWSはこの続きを終わらせたのちに,ラグランジアンを用いて具体的な物理を解いていくことをメインに進める予定です。

参考文献

①基幹講座 物理学 解析力学 (基幹講座物理学)
②力学 (増訂第3版) ランダウ=リフシッツ理論物理学教程

主に①を基に構成しています。

コメントの抜粋

蜆一朗
最小作用の原理から様々な物理法則が導かれるということに非常に興味を持ちました. 最後に「変分法」という用語がありましたが, これは偏微分方程式を解くうえでも重要となる方法で, シュレディンガー方程式に代表される数理物理の研究などでよく使われていると聞いたことがあります. 僕は物理については疎く, 大学受験で物理基礎をやり, 学部 2 回生の頃に古典力学 (学部の教養科目「物理学基礎論 I」) をちょっとかじったくらいなのですが, 余裕ができれば勉強してみたいと思っています. 今後の投稿も楽しみにしています.
萌やし
解析力学楽しみです笑 自分はまだ偏微分のゴリゴリ計算に慣れてないので、すこし避けてたのでありがたいです、しかし、なんか自然科学感があんまり無いような、たとえ、Euler-lagrange方程式(スペル自信なし)から運動方程式が導けても、必ずしもそれが運動方程式より"偉いのか"というと違うような気がすこししてしまいます(なぜか).

yuuma
解析力学がすごいところは勉強していくうちにわかると思います(今回の範囲でそのすごさが伝えられるかはまだ不明です)が,Newtonの運動方程式を導いたときよりももっと普遍的な要請から運動方程式が導けるところだと今は認識しています。つまり,Newtonの運動方程式を導くのに必要な要請と同じ要請だけで,シュレディンガー方程式やMaxwell方程式(電磁場中の運動方程式),一般相対性理論の運動方程式などが導けちゃいます。さらに,資料の要請だけで理論が完全に閉じているんですよね。だから他の理論の影響を全く受けなくて,物理系のラグランジアンさえ与えられてしまえば,後は解析力学で力学的性質がすべてがわかってしまうというのが強みです。(熱力学も,系の具体的なエントロピーさえ与えられてしまえば,熱力学だけですべてがわかります)。ただ,それが"偉い"かどうかはよくわかりません笑 より普遍的な要請に還元され,場の理論等で拡張すれば曲がった時空等にそのまま理論が対応できるというだけです。
Hiroto
「解析力学」は名前だけ知っていたのですが、上の「ニュートン力学と解析力学はその1例で、特に解析力学を学べば、ニュートン力学以外にも電磁気学を導出できたりします。」という部分にとても興味をそそられました!
2週間でどこまで理解できるかわかりませんが、頑張って議論に追いつきたいです。(ただの興味を持ったという旨の感想です笑)




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