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第31話・1952年 『IHF(国際連盟)のメンバーに』

スポーツイベント・ハンドボール2022年8月号(7月20日発行号)で特集の通り、日本のハンドボールは7月24日、「伝来100年」を迎え、新たな発展に向け力強く踏み出しました。
積み重ねられた100年はつねに激しく揺れ続け、厳しい局面にも見舞われましたが、愛好者のいつに変わらぬ情熱で乗り切り、多くの人に親しまれるスポーツとしてこの日を迎えています。
ここでは、記念すべき日からWeb版特別企画で「1話1年」による日本のハンドボールのその刻々の姿を連続100日間お伝えします。
テーマは直面した動きの背景を中心とし、すでに語り継がれている大会の足跡やチームの栄光ストーリーの話題は少なく限られます。あらかじめご了承ください。取材と執筆は本誌編集部。随所で編集部OB、OG、常連寄稿者の協力を得る予定です。
(文中敬称略。国名、機関・組織名、チーム名、会場名などは当時)

バックナンバーはこちらから→マガジン「ハンドボール伝来100年」

11人制への愛着、執着とは別に「室内競技(7人制)に無関心のままでいいのか」の声に応え、日本協会は「IHF1947年版・インドアルール」の翻訳に取りかかり4月、全国へ配布した。
 
強い関心を示す派、無縁とばかりに見向きしない派。想定通りの反響となる。
 
国際ハンドボール連盟(IHF)への加盟も大きなテーマだった。各スポーツでは1949年に水泳、卓球、レスリングなどが次々にそれぞれの国際連盟(IF)に復帰を果たし、日本オリンピック委員会(JOC)が前年、国際オリンピック委員会(IOC)に承認されたのも流れを加速させることになる。
 
1950年にルールブックが届いた時点(第29話参照)でIHF側の好感度をつかめ、JOCを通じさらに日本の現況を報告、9月20日ザールブリュッケン(西ドイツ)でのIHF総会で正式決定された(承認文書の日付は9月26日付)。22番目のメンバー。ヨーロッパ以外の国の“第1号”である。
 
総会ではヘルシンキ・オリンピックの公開競技として行なわれた男子11人制スウェーデン-デンマーク(7月30日)が話題となり、IHFは正式競技での実施に全力を尽くすとした。
 
国内では全日本選手権(11月、東京・駒沢)の女子でエントリーが1チームもなく休会になった。もはやルール上の操作だけではすまない事態だ。
 
12月3日、大阪府立体育会館開館記念イベントとして行なわれた室内の国内初試合(男子・大阪クラブ-関西学生選抜)は注目を集め、大阪協会は新年度の行事日程に「室内(7人制)」を多く組み込み普及を進める。

第32回は8月24日公開です。


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