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北京五輪を楽しく見る!一足早い注目ポイント紹介【⑩アルペンスキー編】


気付けば2月4日に開幕が迫った北京五輪。

スキーやスケートなどウインタースポーツ全15種目が、20日までの15日間にわたって開催されます。また、それに向けて日本代表選出のための選手権大会などもこれから続々と行われます。

例えばフィギュアスケートは、五輪以外でも毎年頻繁に大会が開催され、テレビ中継もあるのでどんな選手がいるのか、を知っている人も多いでしょう。ですがそれ以外の競技はあまりなじみのない方も多いのでは。

そこで五輪開催前にチェックしておきたい、各競技のルールや注目ポイントを紹介します。今回は「アルペンスキー編」です。
五輪前にいち早く知っておけば五輪も、そして代表決定戦も楽しめること間違いなし!

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アルペンスキーの種目は?

ノルディックスキーが「北欧の」という意味から来ているのに対し、アルペンスキーはドイツ語の「アルプスの」から来ています。
スキーの原型であるノルディックスキーがかかとをスキー板に固定しないのに対して、アルペンスキーはかかとを固定し、滑降に特化しているのが特徴です。

種目は様々ありますが、コースに立てられた旗門を通過しながら斜面の滑降スピードを競う競技であることには変わりありません。

北京五輪では以下の11種目(男女別とした場合)で行われます。

①ダウンヒル(滑降)
②スーパーG(スーパー大回転)
③ジャイアントスラローム(大回転)
④スラローム(回転)
⑤アルペンコンバインド(アルペン複合)
⑥混合団体

※混合団体以外は男女あり

以下、種目ごとに簡単にご紹介していきます。

※なお①~④については、高速度とターン度という相反するものが相関関係にあるので、目安としてどちらの度合いが強いか、をマークで示しています。


①ダウンヒル(滑降) 高速度>>ターン度 1回勝負

アルペンスキーの中で標高差が800~1100m(男子)と一番大きく、高速系の競技です。時速100kmを超えるスピードで斜面を滑り降り、かつジャンプするシーンも。1回勝負なので選手にとって非常に過酷な種目です。

 

②スーパーG(スーパー大回転) 高速度>ターン度 1回勝負

コースの標高差は400~650mで、以後回転の名がつく競技では一番大きくなっています。その分滑降のスピードがつく、高速系の競技です。


③ジャイアントスラローム(大回転) 高速度=ターン度 2回勝負

標高差は男女とも最低300m。スーパー大回転よりはゆるやかですが、その分旗門が約30と回転に次いで多く、速度とターン技術の両立が求められる、アルペンスキーの基本種目です。こちらは2回勝負です。


④スラローム(回転) 高速度<ターン度 2回勝負

標高差は回転系で一番小さい男子180m~220m、女子140m~220m。回転系の他の2種目より標高差が小さく、かつ距離が短い一方で、旗門数は55~75と最も多く設定されています。
つまりいかに小刻みにターンをしていくか、というテクニックが問われます。こちらも2回勝負です。


※この①~④のコースの違いは、下記のサイトに出ている比較画像がわかりやすいです。


⑤アルペンコンバインド(アルペン複合) 1回勝負

高速系のダウンヒルと、技術系のスラロームを1日で行い、2つの合計タイムで競います。
スピード対応力とテクニック。両極端の能力が必要で、選手の総合力が発揮される種目ですが、選手の得意な競技でタイムが変わるので順位が入れ替わりやすく、最後まで目が離せません。

⑥混合団体 1回勝負

平昌五輪から加わったばかりの競技。
男女各2人、計4人の混合チームがトーナメント方式で戦います。
対戦相手の2人が同時に滑走し、勝者に1ポイントが与えられ、4人のポイントの合計(同点の場合はタイム)で勝敗が決まります。

ジャイアントスラロームの旗門をより細かくしているためターン技術が求められるのと、コースが265m(平昌五輪の数字)と短いため中継でも全体が見えやすく、かつ20秒程度で決着がつくため両選手のレース展開がわかりやすいので、大いに盛り上がります。



アルペンスキーのルール・採点基準は?

各競技によってコースの設定などが細かく規定されています。
またスキー板も、ターンの多い回転では小回りが利くよう、スキー板は短くなるなど、競技によって規定が異なります。

滑走のルールはシンプルで、2本のスキー板と両足とで、全ての旗門を正しく通過する必要があります。どれかを飛ばしたりしたら当然ながら失格になります。

いかに最短コースで到達するかが勝負なので、選手たちはいかに旗門スレスレで通り抜けるか、が大事ですが、あまりに近づきすぎて片方の足が旗門をまたいで(踏んで)しまうと失格になります。

より詳しいルールや採点基準などはこちらのサイトに詳しく載っています。



日本代表が決まるのは?



20/21および21/22シーズンのFIS世界選手権とワールドカップの成績上位者、男女それぞれ4人が北京五輪日本代表となります。

アルペンスキーでは8位以内の成績を1回以上か20位以内の成績を2回以上(2シーズン合計)と規定されています。

1月中旬頃の発表を予定していますが、上記の条件だけで出場枠に満たない場合は、2022年1月16日まで開催されるヨーロッパカップの各種目で10位以内に入る、などの基準を満たした選手から追加で選ばれます。


詳しい選考基準は全日本スキー連盟のサイトに掲載されていますので、チェックして下さい。


五輪出場が期待される注目選手は?


実はアルペンスキーは1956年を最後にメダリストが出ておらず、注目度も低いのが現状です。
ですが、女子で注目していただきたい選手が。平昌五輪に日本人として3大会ぶりに出場した #安藤麻 選手です。

2021年2月に行われた世界選手権で、女子回転で日本勢過去最高の10位に入るなど、今後のアルペンスキー界を盛り上げてくる存在。
ぜひご注目ください。


その一方で、2006年のトリノ五輪を皮切りにこれまで三回出場している #湯浅直樹 選手が、今シーズン限りの引退を表明しました。代表に選ばれれば、北京五輪が最後になります。



まとめ


一般的な競技では成績がよければよいほど順番が後になることが多いですが、アルペンスキーは成績上位者が先に滑ります
これは、人が滑った分だけコースが荒れるためで最初の方が有利になるから。

ではその成績は何で決めるかというと、毎年世界中を転戦するFISワールドカップでのランキング。つまり、北京五輪への戦いは既に始まっています。

今シーズン真っただ中のワールドカップの成績も合わせてチェックすると、北京五輪をより楽しめますよ!


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