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切り納め

昨日、髪を切り納めてきた。
私の今年の締めくくりに加え、担当スタイリストさんに整えてもらえる最後の日でもあった。近々独立されるとのこと。まだ物件が決まっていないらしく、どの辺りでお店を開くのかは聞けなかった。遠からず再会するかもしれないが、昨日で一旦ひと区切り。おつかれさまでした。

大阪に戻ってきて、そろそろ丸3年が経つ。
最初の1回こそ別のところへ行ったが、それ以外はずっと同じところに通い続けている。家から歩いて10分くらいの、こぢんまりとしたかわいい美容室。

オーナーの男性とスタイリストの女性、そしてアシスタントの男の子で構成されていて、私がその日最後のお客だといつも3人で見送ってくれる。そのあたたかさが大好きで。美容室がこんなにもかけがえなく、自分の肩の力を抜いてくれる存在になったのははじめての経験だった。

だからこそ、とてもさみしい。
髪を切るときはあまり話しかけられたくないタイプだったけれど、彼女と会話するのはたのしかった。腕前もすばらしく、ショートでありさえすれば特に要望がない私の胸の内を丁寧に掘り下げ、いつもすてきな仕上がりにしてくれた。量が多く、まあまあ癖のひどい私の髪を飼い慣らしてくれる珍獣使いでもあった。


引っ越すたびに思うけれど、生活に必要な手続きがもろもろ済んだ次に困るのは、病院と美容院選びじゃないですか?(ダジャレじゃないよ)

岡山に住んでいた2年間は、最後まで相性の良い美容院が見つからなかった。いろいろと通ってみたけれど、どれもピンと来ず。「そろそろ探しつかれたな……」と疲弊していたら転勤になった。


それほどの良い出会いだったのに、最後だという実感があまりわかず、ろくな挨拶もできなかった。「ありがとうございました! 良いお年を〜!」なんて、超超笑顔で別れてしまった。もっと、なんかあっただろう、自分。そう思ったから、PCのキーボードを叩いている。本人には届かなくとも。


約3年も私の髪を切り続けてくれて、本当にありがとうございました。
「やっぱりショート似合うなぁ」と周りに言われつづけてきたのは、あなたのおかげです。

近々また、どこかで。


最後まで読んでくれて、ありがとうございます!