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ページをめくるだけでしあわせになる 短歌集・『肌に流れる透明な気持ち』

先月頭だったか、先々月の末だったか。緊急事態宣言の出る・出ないがささやかれはじめた頃だったと思う。だったらその前に本を買いに行こう、と私はかねてより行きたかった大阪のtoi booksへ足を運んだのでした(本当にすてきな本屋さんでした。棚づくりに愛を感じた)。

舐めるように本棚を見て買った数冊の本の中で、特に衝撃的な出会いを果たしたのが短歌集・『肌に流れる透明な気持ち』でした。店頭でぱらぱらと見た瞬間に購入を決め、出会えたことがうれしすぎて、帰りの電車の中でまず1周。帰宅してからもずっと眺めていました。どの言葉もすいすいと私の中に、まるで化粧水のように染み込んでいくのがおもしろくて、以来ずっとベッドの脇に置いてあって、いつでも読み返せるようにしています。


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言葉もすてきなんだけれど、デザインもかわいくて。クラフトっぽいグレージュの紙に、金の箔押しが施されている表紙もいいし(肌のきめ?が描かれてるのがいいよねえ)、一首ずつ文字の配列までデザインされていてほれぼれ。中面の紙の色も白っぽかったり朱っぽかったり水色っぽかったりで、隅々まで遊び心が行き渡っていて、1冊にひとつの世界が凝縮されているところに感動してしまったのでした。

作者の伊藤さんのツイートをお借りします。

ちなみに私のお気に入りは……

あなたが飼ってる小さなサメに ときどき噛まれているけど言えない
なんとなくほっぺ触ったら想像とちがってそれからすべてちがう


こんなにも少ない文字数で「私の中にも見覚えのある感覚」が表現されているところにすごみを感じる。のに、すごみオーラが出ていないところにまたすごさを感じてしまうんだな(語彙力がないんよね、私にね……)


最近予約販売がスタートしたらしいので、興味を持たれた方はぜひ。私はさっきこの通販サイトで、伊藤さんの他の作品をポチりました。届くのがたのしみ……!

タイムラインに流れてくる言葉の渦につかれたとき、きっとこの短歌集はあなたの心に寄り添ってくれることでしょう。私にとってはもう、新バイブルのような存在です。


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