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30歳の私が選ぶ30冊 -年齢の数だけ本を買う-

「いつかやってみたい」と思って、おそらく5年くらいは温めていた(温めすぎ?笑)企画「年齢の数だけ本を買う」を、ついに30歳になった今年に開催することができました! どれもこれも、私のひとりごとに乗っかってくれたむぎちゃんのおかげ! ありがとう!

企画案内はこちら

共同企画者、むぎちゃんの選書記事はこちら。
小学生の頃、同じく読書好きの友達と本の話ばかりしていた日々のことを思い出しました。人の本の話を聞くのって本当に胸が高鳴るし楽しいよね!

それでは私の選んだ30冊を紹介していきます。緊張する〜。
「honto with」というアプリに登録していた「欲しい本」リストは165冊もあって、だから正直30冊では足りないほどほしい本が目白押しだったのだけれど、本屋をぐるぐるぐるぐる歩き回って「ただリストから選んだだけ」ではないものを探しに行った時間は至福でした。本屋も5軒回ったよ。

あ、そうそう。1冊だけ、むぎちゃんが選んだのとかぶってるんだよね。どれだと思いますか?(いきなりクイズを出すな) 答えは最後の方に……。

1.

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マーベル・シネマティック・ユニバース音楽考: 映画から聴こえるポップミュージックの意味/添野知生×高橋芳朗

主にコロナ禍になってから全作品を追いかけはじめた「マーベルコミックを原典としたスーパーヒーロー映画シリーズ」ことマーベル・シネマティック・ユニバース。友達から勧められた時は「いや、でもスーパーヒーローなんて私の中の“この世で興味ないものリスト”だいぶ上位やで……」と思っていたのですが、いまでは必ず公開日に映画館に駆けつけるようにまでなってしまった。いやはや、沼である。その作品群を彩る音楽について分析している本だというのだから、買わないわけにはいかない。この7/20に発売されたばかりのほやほや本です。読むの楽しみ。

2年前に買った10年代のアメリカ映画についての本『USムービー・ホットサンド』と並べたら、いい感じの“赤映画本”になるかなと思ったけど、だいぶ色味の違う赤だった(笑)

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2.

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PATU Mook 01.大島依提亜と映画パンフ

グラフィックデザイナー・大島依提亜さんが制作した映画パンフレットについてのムック本。フォントや紙の話まで盛りだくさん(ちょっとした紙見本もついてて、フェチ心くすぐられました)。知らなかったのですが、映画パンフって日本独特の文化なんだってね。30年近く生きてきて、私が山のように映画を観るようになったのは本当にここ3〜4年くらいの話で。その間、映画パンフとの距離感も一気に縮まって蔵書(蔵パンフ?)が増えてきたから、こういうのはうれしい。

3.

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POPEYE 17歳からの映画案内

またまた映画に関する本を(正式には雑誌だけど)。ずっと公言しているけれど、私は大の青春映画、ティーンムービーファンで。この特集は主にそういったものを中心に、さまざまな作品が紹介されている愛蔵版です。付録の365 MOVIES CALENDERもめっちゃいいんです! 17から18歳になるまでの1年間に見てほしい映画のカレンダーなんですと。10代の頃にほしかったなぁ。

4.

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水上バス浅草行き/岡本真帆

2年ほど前に伊藤紺さんの歌集『肌に流れる透明な気持ち』と出会ってからというもの、短歌というものに強く惹かれるようになりました。「草野マサムネ」が入った歌があって、もう他人とは思えない。2月に『老人ホームで死ぬほどモテたい』という歌集(これも家にあります)を発売した上坂あゆ美さんと配信しているTwitterスペース・「生きるための短歌部屋」もすごくおもしろくてよく聴いています。

5.

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ショート・ショート・ヘアー/水野葵以

こちらも歌集。人生の半分をショートへアーで生きている私が惹かれないわけがない。本屋でぱらっとページをめくったときに目に入った「お目当てのバンドを聞かれて略称で答えるときの鼻に温風」という一首で購入を決定。私も温風出したことある。

6.

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柴犬二匹でサイクロン/大前粟生

こちらも歌集! ここ2年で作家買いするようになったひとりである、大前粟生さんの。実は同い年なんですよ。「このお言葉、あのお言葉、お日柄によって『グッ心地』が変わりました」というもう中学生の帯コメントがめっちゃいい。あとこの目に残像が張り付いて取れない赤オレンジ地に水色文字の装丁が最高。

星屑のようなラメが舞っているのも良いです。伝わるかな。

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7.

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きみだからさびしい/大前粟生

大前さんの、こちらは小説。2月に発売されたばかりなのに、この7月にまた新刊『死んでいる私と、私みたいな人たちの声』が出ていてとってもびっくり。そちらも買わねば。私が大前作品と出会うきっかけになった『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』は、昨日映画化が発表されていたなぁ。飛ぶ鳥を落とす勢いって、こういうことだね。

8.

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持続可能な魂の利用/松田青子

大前さんが『ぬいしゃべ』を書くきっかけになったらしい短編小説『女が死ぬ』を書いた松田青子さんの長編小説。『女が死ぬ』は私も読んだんですが、松田さんのブチギレっぷりがまるで自分のようで気持ち良かったので、今度はこちらを手にしてみました。うふふ。

9.

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三つ編み/レティシア・コロンバニ

『ザリガニの鳴くところ』や『消失の惑星』など、生きている時代も住む国も自分とは違うのに、なぜか共鳴して心に強烈なざわめきを感じる女性の物語と出会ってしまったがために、そういう要素のあるものはすべて気になってしまうんだよな。こちらは「3つの大陸、3人の女性、3通りの人生」についてのフランスの小説、だそうです。

10.

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ファットガールをめぐる13の物語/モナ・アワド

ゆるっとキュートな表紙の、でもきっと切実な小説。「人が自分の体を生きることの居心地のわるさを描き出した作品」とのこと。その居心地の悪さ、まったく同じかどうかはまだわからないけれど、感覚としてすごく近しいものを覚えたことは数え切れないほどある。

11.

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パリ行ったことないの/山内マリコ

衝撃の濃淡に差はあれど、ここ数年で鑑賞した日本映画の中でも特に印象に残っている『ここは退屈迎えに来て』『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』の原作を書いている山内マリコさんの小説。表紙がとても好き。

12.

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カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ/サリー・ルーニー

Huluでドラマ化されているらしいのだけれどまだ観れていない。去年STARZPLAYで観たアイルランドのドラマ『Normal People /ふつうの人々』の原作者であるサリー・ルーニーの小説(ドラマめっちゃ良かったんです……)。『ふつうの人々』は日本未翻訳なので、こちらを買ってみました。いま気づいたけど、もしやさっき載せた『ファットガール〜』と表紙のイラストレーターさん同じだな……? うおー

13.

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リリアンと燃える双子の終わらない夏/ケヴィン・ウィルソン

本屋をぶら〜っと歩いていたら、衝撃的なイラストに目が釘付けに。しかも帯に「興奮すると〈発火〉する特異体質だった!?」とか書いてあってなおさら気になる。早く読みたい。

14.

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あの人たちが本を焼いた日/ジーン・リース

帯の一文「わたしはどこにも属していないし、属すためのやりかたを買うお金もない」が胸にグサリと、深く深く刺さって抜けない。この問題は私の中にもずっと根を張っているから。

15.

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野中モモの「ZINE」小さなわたしのメディアを作る/野中モモ

ZINEは大学生くらいの頃からずっと興味があったのだけれど、Netflixオリジナル映画『モキシー』や、こちらの著者である野中さんが翻訳したZINEの解説書『ガール・ジン:「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア』に触れてからというもの、作りたい欲が加速する一方−−と、書いていて思い出したけれど、中学生のときに手書きの学校新聞を発行してたな。あの頃は主義も主張もなかったけど、形態としては割と近いことしてたんじゃない?

16.

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大阪/岸政彦 柴崎友香

大阪。現在の私の居住地であり、過去2回ほど数年間のブランクがあったけれど、合計22年住んできた土地。この街は私の身体には染み付いていて安心感すら覚えるけれど、大阪にとっての私(関西人ではない、転勤族の両親の元に生まれてきた)はいつまで経っても「よそもの」感が抜けない。このふたりはどういう風に大阪を見て、感じているのだろう?

17.

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おあげさん/平松洋子

「油揚げのことばっかりを書いた29編」だって? 思わず笑ってしまい、買わずにはいられなかった。油揚げに対しての私の熱量は至って「ふつう」だと思うけれど、「ひとの好きなものの話を聞くのが好き」な身としては見逃せない。

18.

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紅だ!/桜庭一樹

こちらも買わずにはいられなかった。桜庭一樹の小説の表紙を、あの『ロスト・ラッド・ロンドン』のシマ・シンヤが描いているなんて! しかも帯に“名探偵バディ”とまで記載がある。私のための作品なのか? と思うほど、好きな要素がたっぷり詰まっている。ページをめくるのがちょっとこわいです。

19.

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世の中に悪い人はいない/ウォン・ジェフン

ジャケ買いの1冊。大前さんの歌集とは逆の、水色地にオレンジの組み合わせ。つまりこの配色が好きなのかも。猫もかわいいよねえ(猫好き)。「世の中に悪い人はいない」だって。私は疑り深いから、現状そんなふうには思えていないけれど。どんな物語が繰り広げられているのでしょうか。

20.

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おいしいごはんが食べられますように/高瀬隼子

芥川賞受賞作。ほんわかしたタイトルとかわいい表紙につられたのに、「最高に不穏な傑作職場小説」らしいです。本当に? 職場が不穏なのは嫌だな。読んでて胃が痛くならないだろうか。

21.

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モモ/ミヒャエル・エンデ

むぎちゃんとかぶっていたのはこちらでした! 私が買ったのは文庫版だけれど。あまりにも有名な児童文学ですが、いまだ読んだことがなくて。どんな話なのかも知らないんだ。映画・『ネバー・エンディング・ストーリー』は観たから『はてしない物語』と迷ったんだけれど、こっちにしました。

22~30.

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ムーミン童話限定カバー版 全9巻BOXセット

か、かわいすぎるやろが〜〜〜〜〜!!! と思わず大声で叫んでしまいたくなる、いや、逆に息を飲んで何も言えない感じの方が近いか。とにかく胸がいっぱいになってしまうキュートな限定BOXセット。ムーミンは小学生の頃、祖父母が全巻プレゼントしてくれてお気に入りだったんだけど、数年前に転勤のタイミングで泣く泣く手放してしまって(引越し先の家が狭くなってしまったので、本棚1個分減らさなければならなかった)。だから買い直しの意味も込めて。昨年観た、作者トーベ・ヤンソンの伝記映画『トーベ』がすごく良くて、その時に買おうか迷ったんだけど……。税込6000円越えというお値段に少々ビビってしまい(笑)。いや、冊数を考えると決して高くはないんだけど。これを機に手に入れられて良かったぁ。あぁ、ずっと眺めていたいよ。

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これが私の選んだ30冊、でした!
自分でこんなにたくさん本を買ったのははじめてだった〜! ジャケがお気に入りのものが多いので、いっぱい眺めて、じっくり読むぞ〜!




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