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デザイナー・マーケター合同でオンラインユーザーインタビューを実施しました

こんにちは!スペースマーケットデザイン部です。
今回は4月〜6月に実施したユーザーインタビューの取り組みをご紹介します。

デザイナー・マーケター合同チーム発足

合同チーム

プロジェクト始まりのきっかけは、デザイン部の新メンバーが声をあげてくれたことでした。これまでも当然「ユーザーの声を直接聞きたい」という気持ちは全員にありましたが、知見あるメンバーがいないことやリソースなどを理由になかなか実行に移せていませんでした。これは非常に反省すべき点ですが、今回は新しいメンバーがこれまでの経験を活かして「やりたい」と言ってくれたおかげで機会を得ることができました。

また知見があり、かつちょうど認知度・市場調査を試みていたマーケチームにも協力を仰ぎ、こうしてデザイン部・マーケティング部合同チームによるユーザーインタビュープロジェクトがスタートしました。

目標について

目標

これまでに経験のあるメンバーの反省点は、実施すること自体に重きを置いていたせいで「ためになった!」で終わってしまったことだそうです。もちろん共通の目的は「ユーザーにとってより良いサービスにするためのヒントを得る」ことでしたが、より実際の業務に落とし込みやすいようにまずはそれぞれの具体的な目標を決めることにしました。今回定めた内容の一部は以下の通りです。

マーケ:(市場・認知度調査を含めて)新規の流入に繋げる
デザイン:課題を洗い出し、施策として提案する

事前に具体的な目標ができたことで、より取り組みへの意識も高まったと思います。

ユーザー集めは事前アンケートから

ユーザーインタビューよりも先に、マーケ部ではGoogle フォームで認知度および使い心地に関するアンケートを実施することになりました。そこで、アンケートの最後にユーザーインタビューへの協力可否を問う項目を入れてもらうことにしました。参加可能の場合のみメールアドレスを入力してもらい、後日個別に連絡するという流れです。
特に謝礼の案内などはしていなかったのですが結果を見ると多くのユーザーが「協力したい」と答えてくれており、本当にありがたかったです...!

ちなみにこちらのアンケートでは認知度以外にも「自分にぴったりのスペースが見つかった」「掲載スペース数が多いイメージがある」といったポジティブな回答から、「もう少し絞り込みしやすくなると良い」「近くにスペースがない」などのご指摘まで、さまざまな意見を伺うことができました。

事前準備は入念に

今回実施までに行った準備は以下の通りです。

1. インタビュースケジュール表
2. 実施の流れ
3. 質問項目シート
4. メール文(アポイント・前日リマインド・御礼)

今回はオンラインでの実施となるため、滞りないスムーズな進行のために実施の流れ・質問内容については特によく打ち合わせを行いました。また、今回は以前からご意見が多く課題とされてきた「検索機能」についてを中心に質問項目を考えました。

フローについては知見あるメンバーが経験をもとにリードしてくれたので非常にスムーズでしたが、Confluence 上には今回プロジェクトで決まったフロー・注意事項などは今後も見返せるようにマニュアルとして残すことを心がけました。

また部をまたいでのプロジェクトだったので、進捗管理・共有はSlackのプロジェクトチャンネル上でこまめに行うようにしました。

Google Meet によるオンライン実施

この時勢による外出自粛により、今回の実施はすべてオンラインのビデオ会議形式で行いました。当初は普段リモートでのミーティングで使っている Zoom の利用を考えていましたが、ユーザー側にもアプリのダウンロードが必要なことが少々ネックでした。より気軽なツールは無いかと探していた時、メンバーから提案があったのが Google Meet です。

特にアプリなどのダウンロードは必要なく、Zoom と同様に URL を知っていれば参加できるので気軽に使えます。実際利用してみた感想としても、音も聞き取りやすく非常に使いやすかったです。また、録画も簡単に行えて停止ボタンを押すとデータが自動的に Google Drive に保存されるのが便利でした。

いよいよ実施!当日の流れ

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数日前にはリハーサルも行い、いざオンラインユーザーインタビューの実施です。1回1時間、質問者1名と質問兼記録係が1〜2名という体制で、リピーターを中心に全5名のユーザーが協力してくれました。気さくで優しい方ばかりで非常にお話が聞きやすかったです。
では、今回の流れを具体的に紹介します。

1. 自己紹介・概要説明
まずは冒頭5〜10分ほどで自己紹介・実施の目的を説明します。今回は録画・録音も行うため、その承諾と情報の取り扱いについてもここでお伝えしました。

2. プロフィールなど
ユーザーの氏名・年齢や趣味・休日の過ごし方など、基本的な情報について雑談を交えながら質問していきます。この時間は重要でした。インタビューといえど初対面はお互いに緊張しますし、いきなりサービスについて質問するよりも話やすく和やかな雰囲気を作ることができたように感じます。

3. サービスについて
今回はリピーターが中心だったので「いつからスペースマーケットを知っていましたか?」「普段どんな目的でレンタルスペースを使うことが多いですか?」など、サービスにまつわる基本的な質問を行いました。この項目については事前アンケートである程度把握している内容もあったので、配分はもう少し減らしてもよかったかもしれません。

4. 画面共有で実際の利用の様子を見せてもらう
この時間が今回一番学びを得られました。後半30分を使い画面共有を行った状態でユーザーにスペースマーケットのTOPページを開いてもらい、そこからどのように検索・スペースを比較検討しているかいつもの流れを見せてもらいます

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ちなみに Google Meet では画面共有はこのボタンから行います。ユーザーへのアナウンスも「右下のアイコンから」と言えば良いので簡単でした。

5. 終了。お礼の挨拶
最後5分ほどで締めの挨拶を行います。ささやかなお礼としてクーポンもご案内します。毎回用意していた質問項目以外にもたくさん聞きたいことがあり、1時間は本当にあっという間でした。

良かったこと

これまで仮定でしかなかった課題が明確かつ具体的なものになったことです。例えば「検索がしづらい」という意見はこれまでもNPSなどで挙げられていたのですが、実際にユーザーに質問したり操作を見ているとそもそも機能がどこにあるかが分からない・気づいていないということが分かりました。

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例えば、検索の絞り込み条件で「アメニティ」の中に wifi があることなど。確かに分かりづらいです。

これは作り手側の目線を強く持ってしまっているとなかなか見つけられない課題でした。今回の実施は5回だけの小規模なものではありましたが、それでもこれまで自分たちが試行錯誤を繰り返したUIを、実際に操作してもらうことでユーザー目線から客観視できる場面がたくさんありました。実際、ユニットに共有・展開してみたところ機能改善の参考になった情報が多くあります。

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またこれは内部の話になってしまいますが、部署を越境し、周りを巻き込んだプロジェクトを作ったことで会社全体に取り組みを知ってもらえたことも良かったです。どの部署もユーザーにより便利に使ってもらうため、もっとスペースマーケットを知って好きになってもらうために日々業務に励んでいるので皆非常に関心を持ってくれていましたし、5回目の実施にはなんと執行役員であるCTO・CPOが同席してくれました。月に一度の全体社員会(こちらも現在オンラインで行っています)で発表を行い、結果を共有できたのも大きかったと思います。

反省点

一番の反省は事前に質問項目をかためすぎたことです。結果としては適宜質問はできたのですが、オンライン実施で進行が滞ることを恐れすぎた結果、シートの項目をなぞって機械的に質疑応答してしまう場面がありました。そのせいで事前アンケートですでに分かっている情報を繰り返し確認してしまい、時間が切迫されることも...。もっと自然な会話の中で引き出せる情報もあったように思います。
今回は慣れないオンライン形式で仕方がない部分もありましたが、振り返りでは「今回は定性データが目的だったのもあり、ざっくりしたフローと絶対に聞きたい質問以外はその場で聞く形式でも良かったのかもしれない」という意見もありました。

また、課題に対する認識と思い込みも反省点の一つです。これまでデザイン業務で幾度となく仮説・検証を行ってきた中で無意識に「ユーザーもこう思っているはずだ」という先入観を持ってしまっていたのが原因です。その中でも一番反省した事例が

❌「やっぱりこの機能使いづらいですよね」

という誘導をしてしまったことです。この場合は

⭕️「この機能についてどう思いますか?」

が正しい質問形式で、できるだけ思考をフラットに、協力してくれているユーザー自身がどう感じたか・どう考えているかを問うべきでした。

感想

改善点はまだまだありますが、デザイナー側の目標である「施策への取り込み」も叶い、プロジェクトは無事成功に終わりました。何よりユーザーが1時間も貴重な時間を割いて、その上改善への意見や「この機能・スペース気に入ってるんですよね」と直接話を聞かせてくれることが本当にありがたかったです。このサービスのデザイナーとしてもっと良い UI を作りたい!と一層気持ちが奮い立つ機会となりました。

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また、もともと日頃の業務(バナーやアドの作成、それ以外にもGAでの数字の見方について質問したりなど)でマーケ部とは良い連携をとれていたことも大きかったです。今回はさらに打ち合わせや実施の中ではマーケター目線の意見や質問をもらえることが多く、これは合同プロジェクトならではの学びでした。
現在デザイナー主体でカラーシステムなどを整備する中でも日々感じていますが、何か新しい試みをする時の他部署・チームの協力的な体制には非常に助けられます。

今後も社員一丸となってサービスの向上に努めます。
現在マーケターはじめ様々な部署でメンバーを募集してますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!