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Splatoon2でのデータの見方、活かし方をまとめたよ

今回は、Splatoon2のデータの見方の説明です。ここでいうデータとは統計や実績のことです。

動画でまとめてあります。

世界中のエンジニアの有志によって、幸いなことにプレイヤーたちが協力して戦果データを取得して統計的に蓄積したり、実績を見やすくまとめたツールがあったりします。

これらのデータを見る目的は選ばなきゃいけない多様なブキがあって、できるだけ判断のショートカットをしたり、調べたり体感したりするブキの範囲を絞るためだったりします。それぞれの有限な可処分時間を有効に使って楽しく遊びましょうという趣旨で活用しています。

データは大きく分けると使用率と平均勝率になります。
データ元はstat.inkがベースになることが多いです。


全体の使用率と平均勝率

stat.inkでは全体の使用率と平均勝率が分かります。
欠点は完全な無作為抽出ではないことです。Splatoon2のマッチング自体がブキカテゴリや射程などを考慮してマッチングしている作為的な部分があるとハッキリ明言されているものなので無作為抽出とか言い出す時点で野暮ではあるのですが。それでもこれ以上の戦果データはないということで、見てる人はそれを分かった上で「それでも参考になるから」と見ています。またウデマエの分布も登録者の属性に依存してやや偏っています。だいたいXやS+、Sが多めです。登録者自体が熱心なので上手い方のウデマエのデータが多め。
使用率はサンプル量が多いので誤差はかなり低く抑えられ精度はそれなりに信用できます。
平均勝率はブキ毎のサンプル量がまばらであまり溜まらないブキもあったりするので精度はやや不安定です。
私の場合はサンプル量が違うものを信頼区間を出すことで疑似的に比較できるようにして扱っています。
平均勝率を見ると誰でも比較的扱いやすくルールとの相性が良いブキが見つけやすいです。また各ブキ毎のルール相性も見えやすい。逆に扱いが難しいブキはこの数字が低くなりがちです。


上位環境の使用率

Xランキング500からブキごとの使用率をカウントし、上位環境の使用率として扱っています。これは統計というよりもある範囲内での実績と言えるもの。ですが、これは結構便利で上位環境で人気、強い、ポテンシャルがある程度保証できるなどの特徴があります。欠点は毎月の頭に分かる実績なので取得するのにやや時間がかかること。


全体と上位環境の2つの使用率

全体の使用率と上位環境の使用率を揃えて、二つを見ることにより初心者向けなのか、満遍なく人気の優秀なブキなのか、玄人向けのポテンシャルがあるブキなのか、などを見ています。これがあれば現在の環境がどうなのかだいたい分かります。欠点はあくまで人気の度合いがどうなのかという範疇であることです。
本当は強いんだけど周りが知らない知られていないバレていないブキや難しくてそこまでの使い手がいないブキはここでは分かりにくいという特徴があります。
またブキの使い手の人口が多いと母数が多いから上位環境でも人気になっているというケースが混ざったりします。


上位進出率

人口が多いだけじゃないのかをチェックする指標として、上位進出率を計算しています。
上位環境の使用率を全体の使用率で割るだけです。

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これで人口に対して上位環境で使われているのが多いか少ないかを判断することができます。
上位進出率が高いと、そのブキはポテンシャルが高く極めると強い可能性がだいぶ高いと考えています。逆に上位進出率が低いと、ポテンシャルはそこまで高くない可能性や、人気がありすぎてプレイヤーのレベルが希釈されて底下げされているなどが考えられます。


現在の指標

現在は全体の使用率と平均勝率、上位環境の使用率、上位進出率を組み合わせて、環境の判断をしています。
みんながよく話題にするXパワーは個人に依存しすぎているので、指標としては使っていません。たまたまブキトップの人が忙しくてやらなくなったり引退したりすると変わってしまう不安定なものなのであまり見るのに適していないと判断しました。最近はチーミングの不正でXパワーの信頼性が下がっていて、さらに見ないほうがいい指標になっています。
とにかく、4つの指標を見てこれで自分に最適な良さそうなブキを選ぶのに参考にしてください、としています。

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戦果データについて

戦果データにはキルデスや塗った量などのリザルトの情報が入っており、勝敗との相関を見つけられないかとあれこれ調べましたが、ナワバリだけ1秒あたりに塗れる量が勝敗に影響しやすいということのみ分かりました。
キルが多くてもデスが少なくても勝敗には直接的に起因しない、いろんな展開があるため一概に言い切れないということがわかっています。ルールにどれぐらい絡んだかとか、大事な局面で相手を止めたかとか、一度に多数を倒して人数差を生み出したかとかの、戦局的なことが戦果データには一切含まれていないので、勝敗との相関は戦果データでは分からないという結論に私のほうではなっています。AIでの分析までは手を出していないので、AIならまだ新しいことがわかるかもしれないという状況です。


固定チームの編成は未開拓で可能性がある

また固定チームでどういう組み合わせが実は強いかの研究や分析も進んでいません。非常にたくさんの組み合わせのチームでどうだったかの膨大な戦果データがいるのですが、流石にそこまでの量はないのでデータを使ってでは調べられない状況です。


上手くなればなるほど指標が役に立たなくなっていく

統計や実績を見ていくのはある段階までしか通用しません。

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X帯になれば自分より下のランクのデータの比重が増える平均勝率は役に立たなくなってきますし、使用率はあくまで人気の度合いですのでトップ環境で重視しなければいけないブキのポテンシャルを推し量る手段としては弱いです。上位進出率が一番最後まで活用できる指標かなという塩梅です。トップ環境の極限では一般論としてのブキの扱いやすさや強さを頭に入れた上で、どれが自分に合っているか強さを引き出せるかブキのポテンシャルはどうなのかの統合的な兼ね合いになっていきます。他の99%は扱えないけど、自分だけは扱えるブキでそれが強ければ通用します。どれだけ理論上最強に近づけるかという領域です。ボトフォイや竹甲、スプチャ系が理論上最強候補だった時期があり、その領域に到達したプレイヤー達はいます。その後、弱体化調整を受けたりしてややイタチごっこになってる面はあります。


最後に

このようにデータがあり、どういう使い方どういうことがわかるかは整理されてきています。気になったら各自自分で調べたり分析できたりするといいでしょう。

Splatoon3など、未来のゲームではもっと統計的にプレイヤーの可処分時間を有効に使えるよう必要な情報はある程度楽にわかる体制になってるといいなと思っています。海外のゲームでは割と統計情報がみれるツールをサポートするとかそういう傾向は出てきていますね。

データを見ていく際に一番大事なことは指標の意味と目的をしっかり掴んだ上でどういうことが分かるかどういう欠点があるか何を知りたいのか目的をハッキリして見ていくものだということです。

データに振り回されないように上手く付き合っていってください。データを見る目的を達成していたらデータを見る必要はもうないと卒業していくのも大切なことです。(割とこれに気付いてない人は多いです。トッププレイヤーでもデータを卒業して独自に研究の領域に入った人は何人かいます。それが本来正しい。)

以上です。


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