成人式に行きたくなかった。

昨日は成人の日でしたね。
札幌は一昨日の日曜日が成人式だったようで、街の中は振り袖やスーツを来た新成人で溢れていました。
彼らを見るたび「あまり羽目を外しすぎないようにな…」と思う一方で、成人式に行かなかった過去の自分を思い出します。

自分も成人式に行かなかった人間です。
同級生に会いたくなくて。

小さな町で、小学校の頃からみんな友達で。
みんなで同じサッカーチームに所属していました。
自分は運動音痴だったのでやりたくなかったのですが、周りがやってるし、成り行きで。
でも運動音痴でも何か得意なものが欲しくて、うまくなるように頑張ってたんですけど、なかなかうまくならなかった。
小柄な体型でボールがキープできない、シュートの力が弱すぎて入らない。
同級生はみんなレギュラーに昇格していく中、自分一人だけ取り残されていく感じになって。
少しずつサッカーが嫌になっていって、やる気もなくなりつつあったけど、「辞めたら負け。同級生の中からはじき出されちゃうかも」という危機感もあり、なんとか中学卒業まで続けました。

周りの同級生がレギュラー、スタメンの中、自分だけベンチスタートが殆どで。
時折交代要員として試合に出ることがありましたが、それが一番嫌だった。
どうしても周りの選手よりミスが多い。その度にスタメン常連の同級生みんなからピッチの中で
「ちゃんとやれよ!やる気あるの?」
「ボール見てるのか!?」
罵声がどんどん飛んでくる。
これが一番嫌だった。堪えた。
自分だって出来るのであればミスなくプレーしたい。でもどうしたって周りの同級生と同じレベルでプレーできない。
ミスしたくてしてるわけじゃないのに、罵声が飛んでくる。
どんどん嫌になった。
けどここでサッカー自体辞めたらおしまいだ、と思って中学卒業の9年間やり続けました。
結局レギュラーの皆はどんどん結束していくけど、ベンチスタートの自分は同級生なのにどんどん距離感を感じるようになっていきました。

高校ではサッカーに見切りをつけ、陸上をやることに。団体プレーに嫌気がさしてしまい個人競技に逃げました。陸上がやりたかったわけじゃなく、個人競技に、逃げました。
当時「運動部は正義、帰宅部はクズ」みたいな風潮が所々があって。やらざるを得なくて。
一緒にサッカーをしていた同級生とは更に距離を置くようになりました。
最初はゲームを貸し借りする大切な友達だったはずなのに。なんで自分から距離を置くようになってしまったんだろう。本当は友達でいたいのに、どうも自分の心の中から罵声を浴びせられたことだけは消えないのです。それだけなのに、たったこれだけで、相手のことが嫌いになっていってしまうのです。

その後レギュラー常連だった同級生は高校入学してからもサッカーを続け、みんな揃って休学処分になる事件を起こすのです。
「良かった、友達じゃなくて。関わらなくて、良かったんだ。」
酷い人間になったなと自分でも思いました。
何故このようにしか考えられないんだろうかと自分でも思いました。
本当に酷い。冷たい。そうやってしか考えることができない自分が嫌い。

それからサッカーが嫌いになりましたが、同時に同級生も嫌いになって、疎遠になって。
当時地元を離れて仕事をしていたけど、自分のところにも成人式の案内が来ても会いたくなくて。試合中の罵声が理由で行きたくなくて。
結局仕事を入れてもらい、成人式には不参加に。
職場の人には「成人式行かなくていいのか?」と散々心配されました。
けど本当に行きたくなかったのです。

彼らは今、当時の罵声についても何も思ってないのかもしれないけど、自分は今もまだ引きずっています。
自分だけが引きずっていて、大人になれずいます。
なんでこんな風に育ってしまったんだろうか。
自分のことが情けなくなったりもします。
成人式、と聞くとちょっと苦い思い出が蘇る、今日この頃です。
こんな人生で、はたして楽しいのか?

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