松本山雅FCvsギラヴァンツ北九州(A) レビュー【2023 J3 第6節】
はじめに
どーもこんばんは、すぴっちです。
第6節vsギラヴァンツ北九州のマッチレビューになります。
本記事で言いたいこと
これこそ、The霜田山雅!
"霜田山雅流の殴り方"で殴り勝った!
試合結果:4-2 (勝ち)
試合の大筋
試合開始15分以内に、ゴールを奪われ奪い返すという怒涛の展開で始まった今節。お互いに殴り殴られの撃ち合い。ただし、後半になっても、75分以降になっても山雅の勢いは止まらず勝利。
ゴール期待値で見ると、50分以降は完全に山雅のゲームとして進んでいた。
流れを掴んだ要因の一つは、ボール保持した際に”高い確率”で相手陣地の深い所まで持っていきシュートできたことだと考えた。
以下に詳細を述べていく。
1. 初手、北九州の圧力に苦しむ
開始4分で失点を食らったように、初めは北九州に流れを掴まれた。
その要因の1つは、北九州のプレッシングである。
下図のように、サイドに追い込みそしてSH/SBが思い切りよく圧力をかけてきた。
また、#15菊井を相当危険視していたのか、1枚orCH+SBの2枚で厳しく菊井をマークしてきた。
これにより、特に前半は自陣でボールを失う場面が増えてしまった。
*自陣で失った回数 > 前節:14回、今節:20回。
2. 主導権を握る、霜田山雅のやり方
開始早々失点するもセットプレーから1点目。これで少し落ち着きが生まれたか、または相手のプレッシングが落ち着き始めたこともあるのか。
26分頃から、山雅は以下のボール保持の形で主導権を握り始めた。
狙いとしては、「パスの出し手となる後ろ4枚に余裕(時間)を作る」こと。
SBが高い位置を取って相手をピン留め。加えて、多少CBの位置を下げていたか?これで相手の守備陣形を2分割させて、結果 後ろ4枚に時間が生まれた。
*左SBとなった#41山本のボールタッチ位置の図を見ると分かりやすい。如何に高い位置を取っていたかが分かる。
この形から生まれたかのが2点目のシーン。
霜田山雅の最終ラインに時間を与えることが如何に恐ろしいことか。#43常田の高精度フィードを起点に、瞬く間にクロスそしてゴールを決めた。
後ろで時間を作れたこと、そしてチームとして「どこを狙うか」「どうやってゴールを奪うか」のイメージを共有できていたことで、この美しいゴールが生まれたと思う。(「どう攻めるか…?」と各々が考えていたら、あのフィードに追いつけないだろうし、あのクロスにも入り込めていなかっただろう)
2-1.本当の狙いは、SBとの2vs1
北九州として、(失点したことも踏まえて)「山雅最終ラインに時間を与えてはいけない」と考え、プレスの人数を増やす場面も出てきた。
しかし、それは山雅の思惑通り。相手SHの空けたスペースを使い、2vs1のシーンを作り出した。
山雅としてはこれを狙っていたはず。2点目のようなロングフィードももちろん良いが、この場面に出来た方が 2vs1の数的優位でより高確率でペナ脇を叩ける。
このシーンでは、下図のように 左のユニット(#41,#15) + #9鈴木 の3名でペナ脇に侵入しビッグチャンスを作り出した。
3. 狙えSB!叩けペナ脇!
上述の2つのシーン(2点目、37分)でもそうだが、本当にこの試合はとことんペナ脇を叩き続けた。それも色々なパターンで。(相手SBはトラウマものである)
50:40頃のシーン。相手RSBは、試合開始当初から#15菊井を意識していた。そこを利用して左ユニットの前後の動き出しでSB裏を取って前進した。
62:17頃のシーン。ボールの奪い合いでごちゃついていたシーンである。それにも関わらず…#15菊井に少し時間が出来た瞬間、SB裏を狙う#9国友と 相手スペースを狙う#41山本によってペナ脇からクロスを上げた。結果、3点目につながった。
このように、特に左サイドのユニット+ OHによって何度も何度もペナ脇を殴りまくった。これは左サイドが下川-榎本コンビに代わった後でも変わらなかった(76分、86分ごろが良い例)。チームとして狙いがよく浸透している成果である。
4. 〆の龍司。最後まで殴り続けた山雅
今までの試合だと、特に試合終盤では相手に主導権を握られることが多かった霜田山雅。しかし今節は、本当に最後の最後まで殴り続けた。
それを実現できた要因の1つは、#30國分だと思われる。今節では、鈴木→菊井→國分と3人目のOHとして出場した國分。霜田山雅のOHとして、ありとあらゆる場所に顔を出してチームが前進する手助けをしててくれた。(*嫁と2人で「國分くん何人いるのー!?」とはしゃぐほど)
81分頃、レイオフの受け手になりそこからペナ脇に侵入し。85分頃、間延びしていたスペースのど真ん中に入り込みパスを引き出したり…と。
霜田監督のハーフタイムコメント通りの動きをしていた。
今までの試合の終盤だと、疲れで間延びしているせいなのか攻撃が個人頼りになっていた気がするが、今節は國分という仕上げの一味で仕上げることができた・・・気がする。
そうして最後まで攻め続けた山雅。見事4-2で劇的勝利。
終わりに
本当に最高ううううううううううううううの試合でしたね!
最高のスタジアムで最高の試合を味わえて、どちゃくそ幸せでした!
この試合において勝ったことももちろんですが、”霜田山雅”らしさを存分に見れた気がして嬉しかったです。
「たかが6試合で"霜田山雅"が分かるのかよ〜」とも思いますが、神戸とのプレシーズンマッチ、あれがすごく”霜田山雅”として印象に残っているんですよね。高い位置をとるSB、起点は後ろ4枚、チャンネル/ペナ脇狙う、2~3枚ゴール前に入り込んでクロス上げる&シュート…と。それが非常にワクワクして。
もちろん今までのリーグ戦5戦で全く見れなかった訳ではないですが、より色濃く出せた試合だったなぁと。クロスからのゴールと結果も出せましたし。
その時のチーム状態であったり、相手だったり、いろいろな変数はありますが、今後もこの霜田山雅への挑戦?をたくさん見れたら良いなぁと思いました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それではまた。
おまけ. ピックアッププレーヤーズ
本文の流れにうまく入れられなかったのだが、3名の選手についてどうしても語りたいことがありました。おまけとして記載します。
#15菊井
ゴール/アシストという数字はつかなかった今節。しかし、菊井がいたからこそ、何度も何度も決定機を作りだせた。
今節良いと思ったのが「囮」としての動き。菊井は北九州に非常に危険視されていて、ねちっこくマークされていた。
それを存分に活かして、「相手を引き寄せてスペースを作る → そこに味方に走り込んでもらう」ことで何度も突破口を開いてくれた。(*もちろん、その中でも ラストパスやら、ドリブル突破やらするのが本当にすごいのだが)
試合後のコメントで下記のように述べているように、少し意識していた・・・のかも
ゴール/アシストという数字はつかなかったけど、本当に菊井の頑張りがあったからこそ試合の流れを掴めたと思う。ありがとう。
#16村山
突如抜擢された、山雅のバンディエラ・村山。正直「なんで!?」と思ったが、試合が始まるとよく分かった。
村山によってビルドアップの枚数が1枚増えた。
北九州が山雅の最終ラインまでプレスする→山雅はGKまで戻す→北九州としては「しめしめロングボール蹴らせて終わりだ…」思ったかもしれない。しかし、村山は平然と浮いているSBへパスを通した。相手プレスを空回りさせたことにより、より余裕を持って前進する・・・という場面が何度もあった。非常に美しかった。
ボールを持つ場面が増える霜田山雅において、GKがビルドアップに加わるのは本当に重要。より相手のプレスをかわしやすくなる。
こんなにパスがうまい印象は持っていなかったのだが・・・相当意識して練習してきたんだと感じて驚いた。これでまたGKのスタメン争いが激しくなると思うので、今後がまた楽しみになった。
#44野々村
今シーズンの推しメン・野々村くん!
本文ではとことん左サイド(即ち,時田くん)の活躍ばっかり述べてしまったのだが、野々村くんも”攻撃の起点”として輝いていた。
#23滝 or #48藤谷 に対して、ズバズバと縦パスを差し込み続けた。
結果として、今節最も"ゴール"に紐づくパスを出し続けていた。(Football LABにて、CBP > パス値 No1に)
圧倒的な対空性能で1アシストを記録するやら、"攻める"パスを出し続けるやら、しまいには笑顔も素敵ときたもんだ。キャーステキー!!!今後もたくさん応援していきます。
・・・というわけでこれで本当に終わりです。最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。