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序盤研究の方法と将棋ソフトについてのあれこれ

note始めました。これから不定期で序盤研究を書いていこうと思います。よろしくお願いします。ということで早速序盤研究に移りたいのですがまだテーマが決まっていないので今回は序盤研究第0回として筆者の検討環境(誰得?)と研究方法を少しだけ紹介します。

検討環境

まずはじめに検討環境ですがIntel corei7 4コア8スレッドのノートPC、検討ツールはShogiGUIを使用しています。PCはNPS(1秒間にどれくらいの局面を読めるかの値これが高ければ高いほど短時間で多く局面を読めるため研究効率が上がる)2000k〜2500kほどなのでハイスペックPCで検討しているとは言えません。(スリッパ欲しいとは言わないけどi9のデスクトップPCくらいの環境で検討したいなあ。)ShogiGUIを用いたソフト検討は2年ほど前からやっていますがShogiGUIが優秀ツールなので特に不満がないです。こんな感じでフォルダを作ってすぐまとめられるし、なによりミソなのがSBK形式の定跡ファイルを取り込んでソフトに搭載されている定跡などを見たり、自分で作れたりするのがShogiGUIの強みだと思っています。(画像2枚目はHefeweizen後手勝局定跡 振り飛車党は参考にしたい。)

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評価関数(検討ソフト)についてですが基本的には新しい評価関数を使うに越したことはありません。特にこだわりが無ければ(多くの人がそうだと思う)水匠で問題ないと思います。が、筆者は水匠は相居飛車限定で使ってます。一応理由はあって水匠は対振りが少しだけ弱いからですね。実は少し前から水匠が対振り勝率が他のソフトに比べると若干悪いことは知っていましたがりゅうおうのおしごと!の白鳥士郎氏のインタビュー記事を見て水匠を対振りで使うのをやめました。https://originalnews.nico/223718 この記事の水匠についての部分を要約すると水匠は相居飛車に特化したソフトなので対振りに関しては手が回っていないといったところでしょうか。じゃあ対振りはどの評価関数使えばいいんだよという話になりますがそれは実は自分もよくわかっていません。候補としては去年の電竜戦TSEC準優勝ソフトのどうたぬきかめきっと氏のDolphin6mあたりが候補かなと思っています。とは言ってもめちゃくちゃ水匠が対振り弱いわけではないので戦型によって使うソフトを変えるのは自分の趣味みたいなところもあります。

振り飛車評価関数

「飛車を振ると評価値が下がる」「不利飛車」など悲しいワードをたまに目にしますが本当にそうでしょうか。確かにほとんどのソフトは居飛車を指すので飛車を振った瞬間評価値が下がるのは残念ながら事実ですが数少ないながらも振り飛車評価関数もあるので振り飛車党の方々は振り飛車評価関数を使いましょう。評価値が下がるからと序盤研究を疎かににするのはもったいないです。個人的おすすめ振り飛車評価関数はHoneyWaffe、振電、騨奎紫(たけし)の3つ。振り飛車評価関数を使うメリットは何と言っても飛車を振っても評価値が下がらないこと。先手振り飛車は評価値がプラスになることもあります。この3つの評価関数ですが評価値を重視するならHoneyWaffeか振電、強いソフトで検討するなら騨奎紫を使うといいと思います。

ソフトの詳細設定と探索部

ソフトを入れたら設定を開いてUSI-HashとThreadsの値を任意の値に変更しましょう。なぜそれをやるかというとこの2つの値をいじることによってより深い探索ができるようになるからです。USI-HashとThreadsにいれる数値についてこちらの動画を参照してください。https://www.youtube.com/watch?v=pnUYDN_O47I また検討ソフトに水匠を使っている人は探索部にあたるやねうら王を最新のものに差し替えましょう。(2021/3/17時点では6.0.2)これをすることによってNPSが上がって探索効率が上がるかもしれません。


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研究方法とソフトに読ませる時間

ようやく本題である研究方法について語りますが筆者は最近序盤の本を買っていません。(立ち読みする程度)なぜならやねうら王のテラショック定跡が優秀だからですね。テラショック定跡とは何ぞやという人もいると思うので説明するとやねうらお氏が作成した対ソフト用の定跡のことです。ソフト相手を想定したものなので人間同士では絶対に現れない手順もたくさん入ってるのですがプロの定跡に出てくるような手順も当然入ってるのでお金をかけずにかなり高精度な研究ができるというわけです。じゃあ序盤本が需要ないのかというと当然そんなことはなくてプロやアマ強豪の感覚を知ることができるのはやはりメリットですね。(評価値はマイナスだが先手を持ってみたいみたいな解説が書いてあるのはやはりいい。)今の話をまとめると
気になった棋書を立ち読み→テラショック定跡と照らし合わせる→テラショック定跡が切れたらソフト検討という感じです。ソフト検討は棋書の結果図と書かれているような局面から掘り下げていきます。その際ソフトには最低でも1分は読ませましょう。短時間で打ち切ると候補手がコロコロ変わるのでどの手がいいのかわからなくなります。あと個人的には高精度の研究をするなら10億ノード以上読ませるのがいいと思ってます。こんな感じでしょうか。最後に補足するとすぐソフトに聞くのはよくないですがが序盤は再現性があるので序盤はバンバンソフトを使ってもいいと思います。

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めきっと氏のDolphinは最初からイルカショック定跡(テラショック定跡の改良版)が入っているのでとても便利。

まとめ

今回は筆者の研究方法とソフトのあれこれについて書いてみました。
まとめると、
・水匠は対振りが少し弱い
・振り飛車党は振り飛車評価関数を使わないともったいない
・USI-HashとThreadsを任意の値に設定する
・ソフトには最低1分読ませる。長時間読ませるに越したことはない
次回から序盤研究について書いていきますがどの戦型を書くかは現時点では未定です。ここまで読んでいただきありがとうございました。

二歩千金さんの動画「初期設定」のままじゃもったいない!将棋ソフトが一気に強くなる・簡単&おすすめエンジン設定を引用させていただきました。



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