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ねえ君、ソレちょっと貸してくんない?

先ほど、ナンパしました。

上野のインドカレー屋さんで。

ボクの隣に座った制服を着た男の子が、
何か紙のクーポンらしきものを持っていて、

店員にドリンクをサービスして
もらっているのを見て、

「それ、いいね!」

「どこかで配っていた感じ?」

「ちょっと貸してくんない?」

と完全にアウトな
やから絡みをかましつつ、

彼のクーポンを
生意気に借りて、
チャイを頼んだところから、
話は始まりました。

彼の名は市川くん。

ピチピチの現役高校3年生。

目黒の高校に現在、
通っているとの事。

その市川くんが一体、
上野で何をしていたのか?

彼は今日、上野で建築系の会社で
就職面接があって
たまたま来てたみたいです。

「えー!ボクが今東京にいるのを知って、
 わざわざ、目黒から会いに来て
 くれたわけじゃないのか!」

このリップサービスに対し、
初めてコーヒーを口にしたような
ホロ苦い笑顔でボクを蔑む彼。

この反応は決して悪くない。

めっちゃ仲良くなれるタイプだ!

そう勘違いしたボクは
その後、一気に畳み掛ける。

「へー、頭良さそうに
 見えるのに勉強はやめて、
 もう就職するんだ」

「すごいねー」

「やるねー」

「もう一人前の大人の世界を選ぶ
 その度胸は、とてもかっこいいよ」

「みんなと同じ道を選択しない君は、
 ホント大したもんだ」

「で、どうだった?」

「面接官、打ち負かしてやった?」

とボク。

「もちろんです!」

と彼。

面接の手応えは
メチャメチャ
あったようです。

ほぼまちがいなく、
合格しているだろうと。

でも、仕事自体は
楽しそうじゃないし、
全然やりたいくない。

でも勉強はもっと
もっとしたくない。

大学に行く時間もお金も
スゲーもったいない。

だったら、卒業してすぐ
働く方が、まだマシ。

そんな感じでしたね。

そんな彼もなんと
VALUの事は
よく知っていました。

例のヒカル事件で、
知ったそうです。

当然、VALUに
いいイメージは
持っておらず、

VALUに限らず、
SNSは正直、使い方が難しいと
言っていました。

学校の皆が知っている
アカウントでは、
本音でしゃべれないし、

特に誰かにいつも
見られている…

監視されているのが
とてもじゃないけど
耐えられない。

ネットでお金を稼ぐのは
ヒカキンとか、マックス村井とか、
そういう一部の者だし、

有名になる分、
変な人が絡んできたり、

よく分からない事で、
誹謗中傷されたりする
リスクもあるし、
デメリットもある。

だから、めんどくさい。

きっと、これが
今の若者の大半の答え。

だったら、言われることをやったら
ちゃんとお金、給料がもらえる
サラリーマンの方が
どれだけやりやすいか。

確かに。

おっしゃる通り!

彼の意見も非常によく分かる。

「ちゃんと夢はあるけど、
 叶える事は、とんでもなく
 難しいんです」

へー。

夢、あるんだー。

ずっと、このままサラリーマン生活で
人生、終わらせるわけではないみたい。

彼の夢はー

「大好きな書道で飯を食べていく事」

書道7段の腕前を持つ彼は、
筆文字であれば、
他者には負けない才能を
見せれる自身があったのです。

「そのスキル、
 いずれ役に立つかもね」

「今、皆、パソコン、スマホで
 電子文字を打っていて、
 手書きが苦手だからー
 
 ちゃんと字を書けるというだけで
 そこそこレアなので、
 ちゃんとアピールしておけば、
 仕事、勝手に来るようになるかも」

そんなボクの意見を話半分で聞いていた彼に
もう少しだけ付け加えて説明しました。

「確かにSNSはリスクだらけ。
 でも、リスクがたくさんあるということは、
 同じだけチャンスもあるということ。

 自分の存在を
 知ってくれている人が
 どれだけたくさんいるかで

 ボクたちの生き方は、
 全然、変わってくる。

 誰かに知られているというのは、
 時にそれだけでも武器になる。

「"知っている"というのは
 信用の始まりだから」

 知っている人、知らない人、
 どっちを選ぶ方がリスクが高い?

 誰にも知られていないということは、
 それだけ"選ばれないリスク"が 
 上がっているってこと」

んー…

分かるような、
分からないような。。

そんな顔をしていた市川くんが
たった15分ほどの会話で果たして
どれだけ理解できたかは分からないけど、

"自分の道"を諦めることなく、
かっこいい日本酒のラベルを書く夢を
是非、実現して欲しいですね。

そんなわけで、
今日も素敵な出会いを
チャージ完了!

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