〔憲法コラム14〕社会権の法的性格
1 社会権総説
社会権は、20世紀になって、社会国家(福祉国家)の理想に基づき、特に社会的・経済的弱者を保護し実質的平等を実現するために保障されるに至った人権である。
その内容は、国民が人間に値する生活を営むことを保障するものであり、法的にみると、国に対して一定の行為を要求する権利(作為請求権)である。この点で、国の介入の排除を目的とする権利(不作為請求権)である自由権とは性質が異なる。ただし、社会権にも、公権力による不当な侵害があった場合に、その排除(不作為)を裁判