転売屋高橋031_太公望山崎 Ⅱ
高橋は少し黙って、雛皮をもちゃもちゃ喰んだ。こういう時は大抵、自分の発言を反芻して訂正するポイントを探している。高橋お得意の演説テクニックである。とりあえずインパクトのある言葉で気を引いて、一拍置いてからより適切な語彙を提示するわけだ。聞き手を熱中させつつも、思慮深いところをアピールできる。もしかして政治家に向いているのかもしれないが、こんなのが政治家になっても困るから、ぜひ今後とも人生を無為に過ごしてほしい。
案の定、高橋は発言を訂正するところから切り出した。なまじ一緒に飲