【重要】小説における登場人物の態度が与える影響【ついでに、顔も】
こんにちは、山本清流です。
登場人物の態度が読者に与える影響について。
ちょっと考えてみました。
いまの心の声は以下のとおり。
一般に、人間は、機嫌がよくて明るい人を頭がいいと考え、その人に好感を持つようになっている。逆に、機嫌が悪くて暗い人は頭が悪いのだと考えられやすく、好感が持たれにくい。また、顔が整っている人は能力値が高いと見られやすい。そのへんを理解していると、小説創作に生かせるのでは。
この心の声について、以下、深掘りします。
よかったら、ぜひ。
【明るい人=頭がいい】
このように考えるのが、一般的な人間の特徴みたいです。
ただし、これは印象なのであって、現実とは違います。
相関関係はないでしょう。ただ、そのような印象を抱かれやすいということです。
【読者は明るいキャラに好感を持つ】
上記したとおり、人間は、明るい人=頭がいいと考えます。
プラスに考えるわけです。その結果、明るい人に好感を持つ傾向があります。
心理学の研究で言われているようです。
その観点から言えば、主人公には、できるだけ明るく、ポジティブな態度を取らせるのが適切です。
たとえば、嫌なことがあったときに、すぐに落ち込んだり、すぐに自暴自棄になったり、すぐに泣き喚いたり、など、
そのような暗くて不機嫌な描写は、
この人はバカなのではないか、という印象を与えます。
そうして、そのキャラへの軽蔑の感情が芽生えてしまい、好感が持たれにくいです。
【暗い描写を安易に使ってはいけない】
耳が痛い話です。
僕はけっこう暗い描写が好きなのですが……。
人間の一般的傾向からすれば、おそらく、暗い描写の多い小説は嫌われます。
実際、明るくてハッピーエンドのほうが売れていると聞きます。
【では、どうすればいいのか】
主人公に降りかかる嫌な出来事を、
できるだけポジティブに解釈していくのがよいのではないでしょうか。
個人的には、『ハリー・ポッター』が参考になりました。
ハリーはダーズリー氏に虐待されたり、マルフォイに侮辱されたりしても、プライドを失いません。
その描き方が、キャラに好感を持たせるという観点から、とても成功していると思えました。
【逆に、暗くて不機嫌な人=頭が悪い】
これも一般的な印象だと思われます。
もちろん、印象なのであって、現実とは違います。
いい印象ではないので、できるだけ、気をつけたいです。
または、この印象を用いて、わざと嫌な印象を与えることも可能です。
【あくまでも第一印象の話】
今回、取り上げているのは、第一印象の話です。
描き方によって、暗いキャラでも魅力的に見せたり、明るいキャラでもおバカに見せたりするのは可能です。
ただ、印象というのは根深いものなので、
これらの印象を巧みに悪用(?)できれば、読者に思い通りの世界を見せられるかもしれません。
続いて、顔について考えてみます。
【顔が整っている=能力値が高い】
このサギ、イケメンですよね。
森羅万象を見抜いているかのように見えます。
一般に、顔が整っている人は「頭がいい」とか「能力値が高い」とか見られがちです。
その逆が成り立つのかはわかりませんが、少なくとも、顔が整っていない人は「能力値が高い」という印象は与えないでしょう。
【美男美女は優れている気がする】
そのように感じやすい傾向があります。
これは小説にも生かせるのではないか、と思います。
【たとえば】
数学の天才を描きたいとき、
そのキャラをとびきりのイケメンにすると、より天才らしい印象を与えることができます。
【美男美女の行間には卓越がある】
美しい顔の人を描くと、
読者は、その行間から、その人物がいかに優れているかを勝手に読みとります。
そういうふうに人間の心ができているからです。
場合によっては、森羅万象を見抜いているかのように思えてしまうでしょう。
美男美女に余白をつくっておくと、その余白を読者が想像で埋めてくれるのです。秀でたものとして。
【つまり、明るくて顔が整ったキャラは最強】
そういうキャラは、頭がよく、森羅万象を見抜いていて、優しく、強く、たくましく、魅力的に見えます。少なくとも、僕は。
また、この「明るい」というのは、「不機嫌ではない」という意味も含んでいます。
たとえば、絶対に他人の愚痴を言わなかったり、溜息を吐かなかったり、嫌そうな顔をしなかったり、など。
不機嫌な態度=バカそうに見えるので、そこは気をつけたい。
断定口調で自分の意見を主張する人って、その内容がどれだけ正しいとしても、「なんだか、おバカそう」って思えることがあるかもしれません。
それはおそらく、不機嫌な態度を連想するからです。
【顔・態度を悪用して、印象操作をしよう】
以上。今回はこれくらいで。まとめると、
明るくて機嫌がいい=頭がいい印象
暗くて不機嫌=頭が悪い印象
顔が整っている=優れている印象
というのが、今回、取り上げた印象でした。
第一印象は大きな影響を与えますので、悪用しない手はありません。
読者を思い通りの方向に持っていくには打って付けです。
そのほかにも、さまざまな第一印象があると思うので、
日々、人間観察をしながら、そういう印象を探るといいかなと思います。
大事なのは、「印象」であって、「現実」ではないです。
こういう特徴の人はこんなふうに感じる、というような印象こそ、小説の中で実用的に使えると思います。
読んでいただき、ありがとうございました。