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【番外編】ストレス耐性関数について【ストレス耐性を時間単位で表す】

 こんにちは、山本清流です。


 先日、散歩中に面白いアイディアが浮かんだので、共有します。

 ストレス耐性を時間単位で表現し、関数化するというアイディアです。


 以下、アイディアの全体像を記していきます。

 なお、ミクロ経済学のなんとなくの知識を応用しています。中級ミクロ経済学を理解していないと、楽しく読めないと思われます。あと、直観的な議論になります。ご了承ください。


 【ストレス耐性関数とは】

 まず、ストレス耐性を時間単位で表現する関数をストレス耐性関数と呼ぶことにします。

 これをtと表現しましょう。


 tは、さまざまなストレス源の組み合わさった値として表現されます。

 t=f(A₁、A₂、A₃、……An)

 

 上記した式におけるA₁からAnはストレス源を表しています。嫌な言葉を言われた、とか、嫌な態度を取られた、など。

 

 それらストレス源をすべて投入していくと、tの値が出てくるという意味です。

 このtは時間単位で表現されます。1時間とか、4時間とか、30分とかいう感じで。


 このストレス耐性関数は、さまざまなストレスの結果、そのストレスから立ち直るまでの時間を表現しているのです。

 たとえば、単純に、t=A₁+A₂という単純な関数を考えてみましょう。


 かりにA₁が3(時間)で、A₂が4(時間)だったら、tは7になります。

 つまり、この場合は、ストレスから立ち直るまでに7時間かかる状態にあると言えます。


 ストレス耐性関数は、人それぞれ、違う形をしていると思われます。

 同じ種類のストレスを受けても、それから立ち直るまでの時間はさまざまだからです。


 ストレスに強い人は、tの値が小さくなり(つまり、ストレスから立ち直るまでの時間が短い)、ストレスに弱い人は、tの値が大きくなります(つまり、ストレスから立ち直るまでの時間が長い)。

 なお、当然ですが、ストレス(つまり、さまざまなA)の量が大きければ大きいほど、tの値が大きくなるので、そもそも、ストレスが多い人はストレス耐性が弱く表示されます。


 逆に、ストレスが少ない人は、ストレス耐性が強く表示されます。


 【等ストレス曲線について】

 単純化のために、ここでは、ふたつのストレスしかない場合を考えます。

 嫌な言葉を言われたストレスAと、嫌な態度を取られたストレスBです。


 このとき、ストレス耐性関数は、t=f(A,B)と表現できます。

 経済学の一般的な想定に基づき、コブ=ダグラス型の関数を想定します。


 かりに、t=A^0.5・B^0.5、だとします。

 AとBの値がわかれば、tの値は明白に特定されます。


 このとき、以下のような等ストレス曲線を描くことが可能です。

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 これは、同じストレスを得るために必要な、AとBの量を表しています。

 Aが少なくなれば、多くのBを経験していなければ、同じストレスにはならないし、Bが少なければ、多くのAを経験していなければ、同じストレスにはなりません。

 

 ストレスは経験ですから、ストレス耐性関数が示す時間は本人にとって明白です。

 それと同じ等ストレス曲線は本人にとって固定されたものだと言えます。


 【時間制約線とは】

 ストレス耐性関数によって、ストレスから立ち直るまでの時間がわかりました。

 と同時に、その時間と同じ時間を要するストレスバンドルたち――等ストレス曲線を描くことができました。


 続いて、時間制約線を引きたいと思います。

 当然、合理的な主体は、ストレスから立ち直るまでの時間がわかった以上、その時間をストレス解消にあてなければいけませんが、ストレス解消のための時間配分は特定されていません。


 Aへのストレス解消のための時間と、Bへのストレス解消のための時間を配分する必要があります。

 そのために、時間の保有量と、A単位あたりのストレス耐性、B単位あたりのストレス耐性を組み込んだ、時間制約線を引きます。


 一日の時間制約は24時間です。かりにA単位あたりのストレス耐性が1、B単位あたりのストレス耐性が1だとします。

 ストレス耐性関数をコブ=ダグラス型関数としている以上、ひとつめのAとふたつめのAは厳密には同レベルのストレス耐性ではありませんが、それは主観では把握できないとの認識のもと、固定することにします。


 以上の前提に立ったとき、時間制約は次のように表現できます。

 24=Qa+Qb+C


  QaはAの量を表し、QbはBの量を表します。Cは、そのほかです。

 この時間制約をグラフで表示すると、以下のGになります。

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 このとき、Hの直線はGよりも内側にあるので、時間配分が可能です。

 Hの直線が等ストレス曲線と接するため、その点が、最適な時間配分点であることが理解できます。


 この点で明らかにされる時間配分によって、この個人は、Aのためのストレス解消、Bのためのストレス解消、それぞれの時間を費やし、ストレスを抹消するのです。


 【現実はどうなのか】

 このアイディアを思いついた当初から、このアイディアをもとに現実を理解すると、ある問題にたどりついたのです。

 その問題とは、つまり、多くの人のストレス耐性関数が表すストレスを解消するまでにかかる時間が、保有する時間より長くなっているのではないかという問題です。


 グラフにして表すと以下のとおり。

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 時間制約の中で、ストレスを解消するための十分な時間が与えられていない状態です。接点が存在しないわけです。

 論理的に考えれば、この解決策としては、ストレスの量を減らすか、ストレス解消以外に利用する時間を減らすか、だと思います。


 そのような結論に辿りついたわけでありまして、これから僕は、なにもせずにぼうっとする時間とか、散歩の時間を増やしていこうかな、と考えています。

 だって、おそらく、いままでの生活(とくに、小学校とか、中学校とか)は、ストレス耐性関数が示す時間が、リアルに保有している時間を大幅にオーバーしていて、かつ、自由時間をストレス解消ではなく、ストレスをためるための活動に使われていた可能性がある(ゲームとか、ユーチューブとか)のですから。


 時間を確保し、適切にストレスを解消することの重要性を学ぶことができました。

 というか、そういう結論が出るように、モデルを作っただけなわけですけど……。