【判明】シリアスな小説を書いてるのにラノベっぽくなる理由【僕も、やりがち】
こんにちは、山本清流です。
シリアスに書きたいのに、ラノベっぽくなることがあります。
その原因について、ひとつ、思い当たりました。
いまの僕の、心の声は以下のとおり。
シリアスな小説を書いてるのに、ラノベっぽくなるのは、ほとんどの場合、キャラの問題では、と思う。キャラが類型的だったり、リアリティーがなかったりすると、ラノベっぽい方向に傾いていく。ラノベのキャラを否定してるわけじゃなくて、ラノベのポップさもアリだけど、あくまでもシリアスな小説を書きたいなら、キャラについて考え込むべきかも。
この心の声について、深掘りしていきます。
【ラノベっぽくなる理由】
上記したとおり、キャラがラノベっぽくなっているからです。
それだけとは言えないし、絶対にこれとも言えませんが、
たぶん、多くの場合、キャラが問題だと思います。
具体的にどんな問題かというと、以下のとおり。
①類型的なキャラクター ②リアリティーのないキャラクター
順に説明していきます。
【①類型的なキャラクターには注意せよ】
類型的なキャラは、要注意。
たとえば、女子高生は明るいとか、父親は寡黙なものだみたいな類型的なパターンのキャラは、軽くなりがちです。
大枠で考えるではなく、キャラ個人の特徴を考えるといいです。
【方法】類型化を避けるために
キャラの属性ではなく、キャラの特性を考えるのがいいのでは。
「女子高生」という属性や、「父親」という属性からは、イメージは偏りがちです。
そこで、それらの属性ではなく、それぞれの特性を考えます。
「女子高生だけど、無理に周りに合わせてるキャラクター」とか、
「亭主関白ほどの父親ではないけど、ずばずば言いたい放題な男」とか。
繰りかえすように、属性から考えると、類型化しがちだと思います。
「属性」ではなく、「特性」を。
【②リアリティーなきキャラクターには注意せよ】
リアリティーのないキャラクターも、要注意。
「そんな人いないでしょ」と思われたら、終わり。
キャラにリアリティーがないと、シリアスな小説にはなりえません。
【方法】リアリティーのために
大袈裟な表現を避けるというのはどうでしょうか。
睨む、とか、震える、とか使いますが(僕も使います)、おそらく、日常の場面で、睨んだり震えたりすることはほぼありません。
大袈裟な表現を抑えることで現実に近付くかもです。
リアリティーは、作者の抑制から生まれるのかもしれません。
【僕の場合】
実は、僕も、ラノベっぽい作品を書いてしまいました。
シリアスなホラーのつもりで書いたのですが、
完成作を読んでもらったところ、「携帯小説みたいだね」と言われました。
おや、となりました。
僕の意図とは全然違ったからです。
そこで、その作品を何度も読み直し、「なにがいけなかったのか」と真剣に考えたのです。
その結果、辿り着いたのが、「キャラが描けていない」という問題でした。
たしかに、テーマばかりに意識が集中し、キャラに意識が向いていませんでした。
【キャラクターが小説世界の空気をつくる】
キャラが弱いと、小説世界そのものが弱くなります。
僕は、あらためてキャラの大切さを学びました。
キャラクターづくりに時間を割こうという気持ちになりました。
【とはいえ、難しい】
とはいえ、キャラクターで難しいのは「イメージの変動」ですよね。
書いているうちにイメージが揺らいで、キャラクターがぼんやりとしてしまう。それを束ねるために、むやみに大袈裟な表現を用いてキャラの輪郭を描きたくなってしまう。すると、小説がラノベ化する……という負のスパイラル。
湧き出るような想像力があれば問題ないかもですが、いつ何時も想像力が満ち溢れているわけではないですよね。
そこで、キャラクターのイメージを維持する方法を探しました。
【キャラクターを維持する方法】
僕が見つけたのは、キャラクターの声をイメージする方法です。
ベストセラー作家、貴志祐介の『エンタテインメントの作り方』という本に載っていました。
なるほど。と、僕はピンときました。
【声を決める】
声が決まれば、キャラクターのイメージが維持できそうです。
とはいえ、声をイメージするのも大変です。
そこは想像力の有無だから、人にもよります。
僕も、すぐさまキャラクターの声をイメージできるかと言えば、無理でした。
まずは、どんな声にするか、周りの人の声を思い浮かべながら探していくのがいいのでは、と思います。
【そもそも、小説には、独自の声がある】
思うのですが。
小説を読んでいると、作者の独特な声が聞こえてきませんか?
同じ作者が書いた作品って、べつのキャラクターでも、同じ声のような気がします。
ということは……
【自分の声を想像すればいい】
これは持論ですが。
結局のところ、自分の声がいちばんイメージしやすいです。
自分の声からキャラクターを生みだしていくのが近道のように感じます。
たとえば、自分の声を高くしてみて、女性キャラをつくってみるとか、
自分の声を低くしてみて、ごつい刑事をつくってみるとか。
女性の場合は、自分の声を低くしてみて、男性キャラをつくってみるとか、
自分の声を高くしてみて、ソプラノ歌手をつくってみるとか。
自分の声を変えていくことで、いろいろなキャラを生みだしていけるのでは、と思いました。
【小説家は、超絶技巧のモノマネ芸人】
モノマネ芸人って、いろいろな人のモノマネができますが、
常に自分の身体や咽喉を使ってモノマネをしていますよね。
小説家も同じなのかも、と思った次第です。
ゼロから生み出すのではなく、現在の自分をほかの人に近づけていくことで、別人を演じる。そんな感じなのかもしれません。
ともかく、「声が一定すれば、キャラクターも一定するのでは」という提案でした。
【シリアスな小説の世界へ】
今回はこれくらいで。
僕も現在、小説を制作中です。
キャラが描けていなかった失敗を乗り越え、
今度こそキャラを描き切って、完成度を高めたいです。
なにか参考になっていれば幸いです。
では。お読みいただき、ありがとうございました。