【『拷問投票』制作日記③】実は架空の法律を作っています。
こんにちは、山本清流です。
パクられたら嫌なので、できるだけ内容を明かさないつもりでしたが、
よく考えたらパクる人なんかいないか、と思い直しました。
実はいま、僕は架空の法律をつくっています!
その法律を基にして作品を展開させようと考えているのです。
当初は法律そのものを深く追求するつもりはありませんでしたが、
法律の勉強をしているうちに面白くなってしまいまして、正しい条文構造で成文の法律そのものをつくりたくなってしまいました。
現在のところ、総則を含めて5章の構造で、全体で50条くらいの法律になるかと予定しています。
その名は、拷問投票法。
正式名称は、「積極的刑罰措置の実施にあたっての国民による投票に関する法律」です。
現在から20年後、2040年代の日本で、法制審議会での議論の末にできた法律案が若干の修正のあとに議会を通過し、それが施行された世界を舞台にします。
アイデアとしては単純で、「悪質な犯罪者への拷問を国民投票によって決める」というものです。
単純すぎるあまり、このままでは安っぽい漫画のような設定に過ぎず、大衆文学としての威信を確保できません。
そのため、現行法の態様に基づいて法律をつくり、憲法にあるような罪刑法定主義や基本的人権、公共の福祉、司法権の独立などの要請にも応じつつ、
立法趣旨の妥当性や説得力、さまざまな現行法との適切な関係についても細心の注意を払っていきます。
法律のこだわりポイントは、主に3つ。
①憲法との整合性、②関連法令とのバランス、③法律そのものの厳密性と妥当性、です。
①の憲法問題について、主に争点となるのは憲法36条です。
これが「残虐な刑罰を絶対に禁止」しているので、僕の構想を根本から否定してくるのです。頭が痛い。
当初は、憲法が改正されたという設定を採用する予定でした。
しかし、そうすると、作品を通して「改正するとこんなひどいことになるぞ」という政治的な主張が暗示される危険性があり、その設定は避けたほうがいいだろうと思って、いま、めちゃくちゃ悩んでいるところです。
②の関連法令とのバランスについては、主に刑法と刑事訴訟法、裁判員法との関係を重視しています。
拷問投票法は、裁判員法に対する特別法という位置付けで考えておりますので、法律の作成にあたっては裁判員法をとくに参考にしています。
そして、③法律そのものの厳密性と妥当性です。
法曹三者や法学者などの専門家が読んだとしても、「なんと、ちゃんとしている」と評価されるようなレベルの法律に仕上げる所存です。
もちろん法律用語をガンガン使うし、法文のルールはすべて厳守し、
現行法に載っているものについては適切に準用規定を置いたり、拡大解釈や反対解釈などで悪用されるケースを阻止するための言葉選びをしたり、真面目につくっています。
いまや、僕はその法律をつくることに情熱が入ってしまいまして、
作品設定に過ぎない拷問投票法をつくること自体が目的と化しています。
(作品の冒頭に、付録みたいな感じで架空の法律がついてたら、面白くないですか? 😂)
実はまだ総則しか書いてないけど。
とりあえず、直近の問題は、憲法問題をどう処理するか、です。
今日、Amazonで注文していた憲法学の本が届いたので、これを用いて憲法を勉強しながら考えます。
(いまのところは、死刑は残虐刑ではないという合憲性の論理や、そもそも具体的な事件のない制度そのものの違憲性は判断できないという判例(自衛隊に関するもの)などを利用して、うまくかいくぐる作戦を検討中です)
今月中には、公職選挙法の勉強を始めます。
それを終えてから、来月には拷問投票法の続きを作りはじめて、年中には拷問投票法を完成させたいところです。
実際に存在したとしても、ちゃんと機能するだろう法律をつくります。
よろしくお願いします✌️