【『拷問投票』制作日記12】死刑制度について考える。

 みなさん!

 現在、144ページまで書き進みました。







 昨日は、論告求刑のシーンを書いていました。死刑を求刑しました。

 今日は、最終弁論と最終意見陳述のシーンを書きました!







 僕がいま書いてるのは、近未来の刑罰制度について妄想した作品です。

 死刑よりも重い刑罰(拷問)が存在する世界を想定しているわけですから、死刑について考えないわけにはいきません。







 昨日は、僕がちょっと傾倒してる井田良先生の『死刑制度と刑罰理論』を読んでました。

 すごく説得されましたが、これは死刑廃止を積極的に謳ったものではなく、死刑論議の前提を問い直すものでした。








 とてつもなく簡単に要約するなら、刑罰制度は、被告人と被害者や被害者遺族の利益の調整の場ではなく、社会秩序を維持するための公共的な制度である、ということです。

 被害感情の充足はあくまで副次的なものに過ぎないのであり、刑を科すことの主目的は犯罪予防及び刑罰規範の維持にあるのだ、と。

 その観点からすると、ただちに死刑制度を肯定することはできない、というようなスタンスでした。








 僕がいちばん興味を惹かれたのは、死刑の教育効果についての話題でした。

 子供のときに死刑という存在を知ると、そのことに恐怖し、驚愕し、他人の生命を奪うことの重さを実感することになります。このような教育効果のためには死刑という残虐な刑罰も必要かもしれない、と。








 これにはかなり説得力があり、なるほど、と思いました。

 たしかに、なぜ殺人がダメなのか、死刑があれば、それをはっきりと伝えることができるかもしれません。







 ところで、僕の想定では、ほぼすべての国民は拷問投票制度に無関心になるということになっています。

 だって、自分の投票によって誰かが拷問されるというのは不愉快なことであり、積極的に拷問に参加するモチベーションがないのだから。

 一部の過激派が拷問投票に賛成し、一部の人権派が拷問投票に反対する、という構図を想定してます。ちなみに、被害者遺族に投票権はありません。







 でも、実際、どうなんでしょうか。

 もしも、死刑判決を言い渡された被告人に対して、付加刑として拷問をするかどうかについての国民投票が実施されることになったら、みなさんは、投票しますか?








 もちろん、具体的な事件の内容にもよるだろうけど……。

 拷問に賛成するという猛者はいるのだろうか? (拷問の内容については、少なくとも建前上は残虐ではないものを用意してます)









 僕だったら、たぶん、棄権します。

 作品内の想定でも、投票率は低くなるだろうということになってるのですが……。

 自分だったら、賛成票を入れる、とか、絶対に反対する、とか、棄権します、とか、ありましたら、ぜひ教えてください🙇 理由と一緒に。参考にしたいです。