【レビュー予告編】中王区トレイラーと眠れない夜/ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Official Guide Book 初回限定版(つまり予約済)
ヒプノシスマイク公式ガイドブックをレビューするよ、という予告と、この特典CDの中王区トラックについて考えていたら眠れなくなりそうなので備忘録。このタイミングでヒプステも絶賛開催中なので、ますます話がややこしくなる。
ヒプノシスマイクのコンテンツ世界では、ジェンダーの逆転を起こした装置を手に、男性キャラがラップバトルをしている。その試合に熱狂するのは女性。そういう世界を我々は愛でている。
しかしそれ「だけ」ではない。まぁつまりは、我々がそれぞれに観ているものが複雑すぎるのだ。たとえば、男女二元論だけで考えている(今のところ革命と言いながらトランスはない。むしろ保守的)とか、結果的に男性へのルサンチマンをぶつけているとか、ストーリーなど楽曲以外の場所でさまざまな問題もあるが、今日のところは置いておく。とにかくPVを観てみよう。
中王区・言の葉党。作中でクーデターを起こした独裁政権である総理が率いるディヴィジョンである。昨年のライブで初めて「勘解由小路&東方天」コンビを観たとき、会場のテンションは本編をも凌ぐかのような熱を帯びていた。その構図は作中の世界そのものとも言える。これは、剥き出しの欲望なのだろうか。トラックタイトルは「Femme Fatale」……ファムファタル、うん。運命の女、傾国子女、男を滅ぼす悪女、うん、うん?
我々の多くは、実世界において一国の総理が音と戯れる動画をYouTubeで観ている。下記のPVが、あのうんざりする映像とは月とスッポンのクオリティの違いであることは間違いない。それだけに、ヒップホップが権力をまとう時の「ねじれ」が気になる。権威主義的な何かとか、私設権力でもなく、公的な権力なのだから。カニエみたいになってほしくないのに。
全編観ないと何とも言えないので予告編終わり。9/3以降のどこかで届いたらレポートします。
Photo by Hanna Postova on Unsplash
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