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YOROKOBU PALE ALE誕生(前編)


SPICEの立ち上げから2ヶ月、私たちは「クラフトビールのブルワリーを函館につくりたい」と考えていました。
その理由は、
①日本中、世界中色々な場所にある、その地の個性が詰まったクラフトビールっておもしろい!旅先で乾杯するその土地のクラフトビールは、おいしさの向こうに作り手・ストーリーがしっかり見えて、その場所を知るための重要な役割。
②クラフトビールの定義『小規模であること・独立していること・伝統的であること』という条件が、まさに私たちの目指す「(都市だけではなく)好きな場所で生きていく」という目標、そしてそのために実現したい世界観と合っている!
③函館は水がおいしい。そしてビールの原料である麦もつくられているし、なんとホップも昔は自生していたらしい!
これはもう、私たちが、函館で実現したいことが詰まっている、と思っていたからです。

さらには、この時点で自分たちのビールづくりのコンセプトも決まっていました。

ずばり『気持ちの良いビール』。

ビールを飲むのは、解放された気分のとき。なぜか、しんみりした涙とビールは似合わない。飲むシーンがそこまではっきりしているものだからこそ、とことん気持ちよく飲めるものにしたい!ということでこのコンセプトになりました。
さらには、作り手・売り手・飲み手・生産者・地球にとっても気持ちよくあること。そして、考え始めると伝えたいことは色々あるけれど、気持ちよいほど潔く、シンプルにおいしいものにしたい。そんな壮大なビジョンを描いたのです。


当初いきなり考えた壮大なビールづくりコンセプト

すぐに私たちは、物件を紹介してもらって内見したり、他のブルワリーの見学に行ったりしていました。
しかしだんだんと見えてきた、立ちはだかる巨額の初期投資の壁・・・
そして酒造免許の取得についても調べるうち、毎年の膨大な義務醸造量を知り、それを達成するために逆算してたてた壮大な事業計画と向き合いながら、どうやって実現できるか、首をひねる日々でした。


”ここでブリュワリーをやりたい!”と閃いた物件。ビール醸造への道はここから始まった。

醸造設備を見せてもらうため、創業の話を聞かせてもらうため、色々なブルワリーをまわっていた中で出会ったのが徳島県上勝町にあるRISE&WIN BREWINGでした。
この上勝町は日本で初めて『ゼロ・ウェイスト宣言』を行った町として有名で、町にはゴミの焼却所がなく(もちろん埋め立ても)、住民は36種類にゴミを分別し自らゴミステーションに持ち込むという取り組みを行っています。この取り組みを学ぶことも訪問目的の一つで、大阪から車で3時間の道のりを訪ねました。


このスーパーかっこいい建物をみただけでまず満足、さらにおいしいビールがどんどん飲めるブリュワリー兼タップルーム。

そして現地を訪問し、色々とお話を聞くうちに、このブルワリーがまさに地域に根ざしたビールつくりをしていることを知り、私たちの地域への想いも共有したところ、なんと、私たちのビールの製造をしてくださることになったのです!

RISE&WIN BBQ&General store裏手からみる景色


上勝町の町並み。山桜がいたるところに咲きほこり、里山の春。


ゴミステーションの様子。瓶だけでもこんなに細かい分別がある。


グラウラーでの量り売りも。ゴミを出さない工夫

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