03.チャイの起源~後編~
こんにちは、ちゃいまいです。
今回は、前回のチャイの起源の続きです。
諸説あるチャイの起源のお話の中から、海外で有力視されているものをご紹介します。
今回は少し長いので、チャイを飲みながらゆっくりお楽しみください…!
アーユルヴェーダの考えに基づいた薬効のある飲み物として誕生
その昔、現在のインドまたはタイがある場所に存在した国の王はアーユルヴェーダの考えに基づき、様々なスパイスやハーブを煎じて飲んでいた。
それは、息抜きをするための飲み物ではなく、ちょっとした病気などを治す薬としてとらえられていた。
使われる材料は効能によって選ばれており、その時はまだミルクや砂糖、茶葉さえも入っていなかった。[1],[2],[3]
これが、チャイのもとになったと考えられている。
イギリス人がインドでチャノキのプランテーションを開始
19世紀、国内で人気の嗜好品であった紅茶のほとんどを中国から輸入していたイギリスは、どうにか中国に利益を与え続けることを阻止したいと考えていた。
そして1835年、イギリス人はインドで中国種と異なるアッサム種のチャノキ(紅茶ができる植物)を発見し、インドでプランテーションを開始した。
これにより、イギリスで飲まれる紅茶は、中国産のものよりもインド産やスリランカ産のものが増えていった。[3],[6]
この出来事がきっかけとなり、インドの文化とイギリスの紅茶文化が融合し、現在の形のマサラチャイが完成したという説もあるが、[2]もう少し後に完成したという説もある。
インドで紅茶が飲まれるように
イギリス人はその後、紅茶の新たな需要拡大を目指し、インドにおいて紅茶のプロモーションを行った。
例えば、工場や鉱山、織物製造所の働き手にティーブレイクを提供した。そして、無所属の”チャイワラ”と呼ばれるチャイの売り手たちが、他の南アジアの食事のように、スパイスや砂糖を入れて鉄道で売るようになった。[5],[6]
この時ようやくマサラチャイが完成したとも考えられている。
公式のプロモーションはイギリス様式で行われ、少量の砂糖とミルクが使われていた。
インド紅茶協会ははじめ、売り手たちがスパイスを加えたり砂糖やミルクの量を増やすことで、茶葉を減らしてコストダウンを図ることをよく思っていなかったが、この形で世界に広がっていった。[3],[6]
CTC製法の誕生によりインドでさらに紅茶が普及
1960年代になると、CTC製法が導入されるようになった。[3]
CTCとは、Crush, Tear and Curlの略で、押しつぶし(Crush)、引き裂き(Tear)、丸める(Curl)ことで茶葉を製品化する方法である。
機械で茶葉を細かく引き裂くことで乾燥・発酵が効率的に行われるため、大量生産が可能となり、安価な茶葉が出回るようになった。[7]
この製法で作られた茶葉は、素早く濃い香りが出るため、チャイをつくるのにぴったりであった。これにより、チャイがインドの生活に根付いていった。[3]
いかがでしたか。
今回ご紹介したのは、もともとアーユルヴェーダの薬として誕生したものが、イギリスの統治によって現在の形に変化していったという説でした。
この他にも、中国に起源があるという説や、古代インドの長編叙事詩「ラーマーヤナ」に出てきた薬効効果のある飲み物に由来しているという説[4],カチン族の慣習から誕生したという説[5]などがあります。
今となっては確かなことは分かりませんが、こうして歴史に想いを馳せながらチャイを飲んでみると、いつもより深い味わいになる気がしませんか。
お読みいただきありがとうございました。
皆様のチャイライフが少しでも豊かになりますように。
それではまた。
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上記については、下記を参考に私なりの訳・解釈でまとめております。
なお、何か間違っている箇所を発見された場合は、大変お手数ではございますが、コメントやメッセージ等にてご指摘いただけますと幸いです。
参考(閲覧日 2019/12/1)
[1] https://www.thespruceeats.com/the-history-of-masala-chai-tea-765836
[2] https://www.teatulia.com/tea-varieties/what-is-chai.htm
[3] http://www.holycowchaitent.com/chai-history.php
[4] https://www.thebetterindia.com/78265/chai-tea-history-india/
[5] https://medium.com/authentic-chai/chai-s-history-a-mystery-f404a98f01e
[6] https://www.newworldencyclopedia.org/entry/Masala_chai
[7] 山田 栄 (著),「知る・味わう・楽しむ 紅茶バイブル 」,2016/12/12