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『攻めて好きって言わせて』電子単行本配信開始記念 音羽すずめ先生スペシャルインタビュー

音羽すずめ先生の『攻めて好きって言わせて』電子単行本が、本日、2023/11/20(月)に配信スタートとなりました! 本作は音羽すずめ先生初のシリーズ連載作品で、『デザート』の付録雑誌『別冊Pink』にて掲載されました。

♥⇋『攻めて好きって言わせて』あらすじ ⇌♥

  ♡「ぐいぐい男子」からの恋は想像以上の破壊力!!!♡

── scene1. 片恋リスタート ──

失恋直後、弟の同級生・柚樹ゆずき)くんから突然の甘々アプローチ!?梨々衣りりい)は、自分のことを心配してくれたり楽しませてくれる柚樹くんの存在の大きさに気づいて戸惑うけれど……?

── scene2. 妄想ロマンス ──
同じ塾の同級生・あおい)くんのことが好きな きき は、彼との夢のような甘いシチュエーションをついつい妄想してしまう。でもまさか、そんな妄想をはるかに超えるキュンキュンが現実で起こるなんて……!?

── scene3. 裏返しエモーション ──
ずっと仲のいい男ともだちだと思っていた風見かざみ)に、突然「好き」と言われたあん)。最初は信じられなかったけれど、彼からどんどん伝わってくる気持ちに意識せずにはいられなくて……!?

── scene4. 臆病ハート ──
ずっと好きだった光浦みつうら先輩と卒業後にまさかの再会! 告白できなかった過去を繰り返すのが怖くて「期待しすぎちゃだめ」と思っていたけれど、光浦先輩がしてくれること全部が嬉しくて仁菜にな)の気持ちは膨らんでいく一方で……?

電子単行本の配信開始を記念してスピカワークスでは、音羽すずめ先生にスペシャルインタビューをお受けいただきました! 連載テーマである「ぐいぐい男子」の魅力やエピソードの制作秘話に加えて、電子単行本のみで配信のカバーイラストについてなど、たっぷりとお話を伺っております。

また今回は音羽先生にご快諾いただき、弊社スタッフの大越新人編集の小屋インタビュアーを務めたほか、現在弊社で活動中のインターン生3名見学として参加しました。

それではインタビュー本編、お楽しみください~!

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◆シリーズ連載にかけた思い


インタビュアー・小屋(以下、小):
この度は『攻めて好きって言わせて』完結と電子単行本の配信開始、おめでとうございます! 今のお気持ちを教えてください。

音羽すずめ先生(以下、音):ありがとうございます! あっという間の連載でしたから、今は「終わっちゃってさみしいな」と感じています。配信については、初めての単行本なのでとても緊張しています。でも、雑誌で載っていた時とまた違った見え方があるかもしれませんし、電子ならではの読みやすさが楽しみでもあります。

小:ちなみに「シリーズ連載」というのは、 「同一のテーマで構成されたオムニバス連載作品」を指しますよね。これまで作られてきた一話完結の読み切り作品と、違いはありましたか?

音:「限られたテーマの中でお話を作っていく」という点は、今までとすこし違った気がします。

インタビュアー・大越(以下、大):ではここからは具体的に、『攻めて好きって言わせて』のテーマと見どころをお聞かせください。

音:端的に言うと「かっこいい男の子に、女の子がぐいぐい攻められる」シリーズ連載です。それぞれの話で、違った「攻め」を見られるのが見どころかなと。

大:いろいろな「攻め」に、心が追いつかないほどキュンキュンしました……! 今回、「攻める男子」をテーマにしたきっかけは?

音:打ち合わせで、しーげる(=弊社代表&担当編集)さんが出してくれたテーマ案のうち、「一番ハードルが高い」と思ったのが「攻める男子」でした。この連載が始まる前は、 キュンキュンするシーンやイチャイチャするシーンを描くのがすごく恥ずかしくて。でもそうやって、自分の中で限界を作っていることにモヤモヤしていたので、「それを超えられるような連載にしたい」と思い、選んだのが今回のきっかけです。

小:「あえて難しいテーマを選ぶ」というところに、先生のこだわりを感じました。

音:自分のタガを外したい」というか、「何かひとつは成長できる連載にしたい」という思いが、強くありました。キュンシーンが多めの今回のシリーズ連載では、自分の恥ずかしさとの戦いが大変でした(笑)。

小:ご自身がレベルアップしていくための連載でもあったということですね……! 4話描き終わってみてのご感想は。

音:純粋に楽しかったです。今まで限界を感じていた部分を越えられた感じがして、その時に「私、もっと描ける!」と思った瞬間もあったので。漫画を描くのが楽しいと思えた作品になりました。

◆「攻め」のベースとキャラ設定

小:いろいろな男子からの「攻め」が見られる今作で、1話目に後輩男子を選んだ理由が気になります! 初めて描かれてみて、いかがでしたか?

音:連載前の読み切りでは、年上男子と同級生しか描いていなかったので、年下の男の子を描いてみたくなったんです。後輩だけど、ちょっとませている感じの男の子を描けたのが楽しくて、「描いて良かったな」と。

大:まさに、「年下に思えない年下」の後輩男子・柚樹くんにキュンキュンさせられまくりでした……! 音羽先生ならではの「攻める男子」を描くために工夫した点を教えてください。

音:相手を想った攻め」になっているかどうか、その点はとても意識しながら描きました。たとえば相手の目をちゃんと見て攻める、真剣な顔で攻める、グイグイいくけど触る手は優しくする、とか。「女の子を想った攻め」にしたつもりです。

小:なるほど、「攻め」のベースには、相手を想う気持ちがあるんですね。

大: 続いて2話目は、塾の同級生とのお話。設定としては珍しく思えますが、塾の同級生を選んだ理由は?

音:「学校以外の話も入れたいな」と思った時に、生徒同士で会える他の場所はどこだろうと考えて、塾にしました。それから、電車の中で気になる子を眺めるシーンも描きたかったんです。塾の同級生ならそれも描けるかなと。

小:なるほど! ちなみに、2話目のもうひとつのテーマは「妄想」でした。どんなきっかけで思いついたのでしょうか。

音:現実から少し離れるくらいのテンションで描きたい」と思ったのがきっかけでした。「作品を描くのに、どこまで自分のテンションを上げられるのか」と考えた時に思いついて。誰しも妄想した経験はあるでしょうから、「恥ずかしくて人には言えないけど……やっぱりみんな考えてるよね! 妄想したっていいよな!」みたいな気持ちで描いた記憶があります(笑)。

小: 妄想はしちゃいますよね(笑)。自分にもある、いつもは見せない部分を作中で描いてくださっていたので、嬉しくなりました。

大:3話目に登場する風見くんは、少しイジワルにぐいぐい攻めてくれる感じが魅力的でした。キャラクターの設定はどのように?

音:Sっ気のある男の子がずっと描きたかったんです。シリーズ連載を始める前からそう思っていたものの、連載に慣れてきた後半で描こうと決めて、3話目にもってきました。実際に描いたシーンでは、杏にあげるために購買でパンを買ってきたのに、ちょっとイジワルしちゃうあたりなどに、描きたかったSっ気が表れているなと思います。

大: 同級生男子が好きな女の子をからかってしまう感じ、可愛くてすごくキュンでした……! 学生時代にあったな~と懐かしくなって。ほかにも購買やプールといった、学校ならではのシチュエーションや場所が多く出てきました。描いていてテンションの上がったシーンはありますか?

音:まさにプールのシーンが楽しかったです! 元々、水を使ったシーンを描くことが好きだったのと、プールは授業以外での立ち入りが禁止になっていることが多いので、「2人だけでプールに入る」ことにすごく憧れを持っていました。

大: 続いて4話目ですが、他の3話は主人公が高校生という設定の中、ヒーローを大学生にした経緯はどのようなものだったのでしょうか。

音: 自分が高校生の時、大学のキャンパスや大学生にとても憧れていたことを思い出して。4話目では最初から「年の差を描く」と決めていたので、それと大学への憧れを結び付けてお話を作っていきました。

小:「大学に忍び込む」という展開も新鮮でした! このシチュエーションを思いついたきっかけは?

音:「二人を高校以外のどこかへ連れ出したい」という話になった時、しーげるさんから「大学に行ってしまうのはどうだろうか」と提案をもらった気がします。

小:なるほど! 大学で年上男子の”余裕”を目の当たりにした時の、キュンキュンしている主人公の姿にはとても共感しました。そんな”余裕”のある先輩からの攻め方はどのように考えていきましたか?

音:1話から3話には、男子にもだいぶ”照れ”を詰め込んだのですが、逆に4話は最後まで照れた表情を見せることなく、”先輩の顔でいさせる”ということを意識して描いていました。

◆こだわりのシーンと作画


大:
全編を通して、音羽先生の思う魅力的な”ぐいぐい攻め"な男子像や、描いてみたいキャラ・性格などを、どのようなところからインプットされたのか、教えてください。

音:いろいろな作品や映画などを見て、「自分だったらどんな風に描きたいか」とか「このキャラをどう描いてみたいか」などを考えることが多かったです。

大:そうして設定やキャラを作っていく中で、今回、「このシーンは絶対に入れたい」と思われたのはどのあたりでしょう?

音:やっぱり壁ドンはしたくって(笑)。すごく王道ですし、ベタかもしれないんですけれど、だからこそ憧れるとも思うので。「自分なりの表現でキュンキュンするシーンにしたいな」と思って描きました。

小:音羽先生の描く壁ドンが見られて最高でした……! また、壁ドンだけではなくシリーズ連載の中には多種多様な”ドン”があった気がします。

音:そうですね! いろいろな”ドン”のシーンを描きました(笑)。毎回、攻め方はすごく悩んだんです。みなさん見慣れているものも多いと思いながら、それでも楽しんでもらうためにはどういった表現にしようかと、すごく悩みながら描いた覚えがあります。

大:全部のエピソードから、新鮮なキュンをもらえた気持ちになりました。”ぐいぐい”というのも高圧的な感じではなく、愛のあるシチュエーションばかりだったので読後の幸せ度もすごく高かったです。

音:そう言っていただけて嬉しいです~。読者の方々にも幸せになりながら作品を読んでもらいたいですし、「こういう攻めをされたい!」と思いながら読んでもらえると嬉しかったので。

小:この作品を読んだ時にお友達と「どの攻め男子が良かった? 嬉しかった?」という風に、お話も盛り上がりそうです! そのためにも、注目して読んでほしい今作のポイントをあらためて教えてください。

音:表情に注目して読んでほしいなと思います。今回の連載で目標にしていた一つとして、言葉を減らして表情で魅せるということを思っていました。キャラクターの感情や気持ちを、表情でも届けられていたら嬉しいです。

小:実際にそれらを描く上で、難しかった点は?

音:人って、発言と内心が違う時がありますよね。たとえば1話目でヒロインの梨々衣ちゃんが、口では「うれしい」と言うんですけれど、顔では少し複雑な表情をしています。「この場面での本当の気持ちはなんなんだろう」というのを、言葉だけではなく表情から読み取れるように描くのは、すごく難しかったですね。

小:別の注目ポイントとして、ぐいぐい男子からの攻めが一回では終わらず何度も攻めてくれるので油断できない、といった流れもありました。

音:一つのお話の中では「最後に大きな攻めがくる」ようになっていますが、全体として男子にはぐいぐい行ってほしかったので、小さな攻めも詰め込みました。「ずっとキュンキュンしてもらえるような流れにしたい」と思って。

大:そのおかげで、終始キュンキュンが積まれていきました(笑)。

◆インターン生による質問


小:では、弊社でインターン中のメンバーからの質問にお答えください。「どのお話も主人公の表情が豊かで、直球で感情が伝わってきて、とても応援したくなりました。キャラクターの表情についてどのように考えていらっしゃるのでしょうか?」

音:主人公の女の子の表情は、ネームの段階で男の子からの行動を受けて決めることが多いですね。逆に男の子は、最初にしーげるさんに描きたい表情をいくつか送って、そこから決めることが多かったです。

大:ちなみに、どのシーンの表情を?

音:たとえば1話目では、梨々衣ちゃんの家に柚樹くんが来てくれた時の、タオルで頭を拭いているシーンです。「これは絶対に描きたい」と思ってイラストを送った覚えがあります。

大:ピンポイントで「描きたい表情」があるんですね。さて次の質問は、「女の子たちを魅力的に描くために、意識している点はありますか?」

音:とにかく可愛く描くこと!(笑)。あとは、自分の思う女の子の“好きポイント”を何かしらひとつ入れるようにしています。1番多いのは髪型です。

大:4話の仁菜ちゃんの髪型もすごく可愛かったです!

音:ありがとうございます! そう言ってくれる方がかなり多くて、本当に嬉しいです。あの髪型は、お世話になっている美容院さんで「今はこういうのが流行りだよ~」と、自分がやってもらった髪型なんです。巻き方なども、その時全部教わって(笑)。「髪型一つでこんなに印象って変わるんだ」と驚きました。

◆カラー作画とこれからの挑戦


大:電子単行本の表紙として、カラーイラストを描かれてみていかがでしたか。

音:カラーを描くのはすごく好きなので、楽しかったです。ワクワクしました(笑)。

小:カバーのイメージはどんなふうに?

音:最初は、すごく元気な感じのイラストにしてみようかと思っていました。でもデザイナーさんと打ち合わせていく中で、割合しっとりめなテイストの指定がきまして。せっかくなのでそれを踏まえて、新鮮な気持ちでイラストを描きました。塗り方も、今までとは少し違う感じで塗っています。

小:今シリーズを連載した『デザート』の「別冊Pink」でも、カラーイラストを描かれてましたよね。確かに、その時とはまた違うテイストでした。これもまた、一つの挑戦だったんですね。今後、作品を作っていく上でほかに挑戦してみたいことはありますか?

音:今までは読み切りしか描いていないため、どうしても「二人の世界」になりがちでした。ですから、今後の作品ではもっといろいろなキャラクター同士の関わりを深く描きたいと思っています。いつかは群像劇も描いてみたくて。元々、たくさんのキャラクターたちが関係する物語が好きなので。

小:最後に、読者やファンの方々にメッセージをお願いします!

音:いつも、応援ありがとうございます! この連載中、読んでくださっていた皆さんの存在の大きさをとても感じていて、みなさんからいただいたメッセージにも本当に励まされました。「続きを読みたい」というお言葉を言ってもらえたことも、すごく嬉しかったです。今回の電子単行本には番外編も載っていますので、これから読んでくださる方にも、雑誌ですでに読んでくださったみなさんにも、あらためて楽しんでいただけたらと思います。これからも応援よろしくお願いします!

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音羽すずめ先生のスペシャルインタビュー! 楽しんでいただけましたでしょうか。『攻めて好きって言わせて』についてはもちろん、初シリーズ連載への思いやこれから挑戦していきたいことなど、たくさんお話しいただきました。

ぜひ、みなさんご自身の最推し「ぐいぐい男子」を見つけて、作品を楽しんでみてください!♡

シリーズ連載攻めて好きって言わせての電子単行本配信、そして音羽すずめ先生へのさらなる応援を、引き続きよろしくお願いいたします!

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音羽すずめ先生の、『デザート』デビュー作掲載記念インタビューはこちら

音羽すずめ先生の、第一回スピカ賞受賞作『キャンディ・ステップ』はこちら

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