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2nd Place、上野公園

文章を考えたり、写真の構図を探したり、物思いに耽りたいときに向かう場所を決めている。台東区の上野公園だ。集中したいとき、基本的にはカフェでタスクを片付ける。カフェの客質に左右される部分もあるので、2つ目の策として上野公園と決めている。

12月の中頃、場所は御徒町。山手線の高架下のカフェに1ヶ所だけ孤立したテーブルがあるのだが、先客がいなければ無意識に席を確保する。カフェで仕事をすると決めて、お店に入るなりお目当ての席が空いているときは調子がいいような気がした。

先日クライアントからいただいた新たなタスクの概要をまとめるために訪れたわけだが、バッグの中には本来の予定を達成させる以上の何かがいろいろと入っている。読まないであろう本であったり、結局あとで捌かれる印刷物であったり、日によっていろいろだ。

この日は珍しくいつも以上に集中できたおかげで、メインタスクはサクッとこなすことができた。小休止がてらにスマホに入れてあるnotionアプリで、有意義にぼーっとするための何かを探し始めた。目についたのが「いつかやれ場」という項目。

そもそもnotionとは、オリジナルの手帳がつくれるアプリのこと。自分でデザインするのだから、当然、自分に関わることしか記されていない。そして「いつかやれ場」というのは、いつかやろうとしていることをメモしたものだけがここに貯められていくのだ。

「いつかやれ場」に埋もれているものはいろいろあるのだが、今回、情報の山から救い出されたのは「週一でコラムを書く」だった。コラムを目にしたことはあるが実際に書いたことはない。いざ書こうとしてみると、コラムとは?となり、真っ先にググっていた。

コラムとは...いざ調べてみると、主観がどうとか評論だとかグダグダ書かれている。要は、自分で決めた小さいテーマを読者に伝えればいいのだ。あーだこうだしているうちに座りっぱなしだったこともあり体は動きたがっていた。2nd place、上野公園で書くとしよう。

最近では、日本人よりも海外の人のほうが多いのでは?と思えるような比率だ。上野公園の近くには東京芸術大学や美術館もたくさんあり、行き交う人の特徴に見切りをつけるのはむずかしい。本当にいろんな人がいる。そして、そこがいいのだ。

なにもかもに紛れることができるからこそ耽ることができる。デートしているカップル、地方の特産物を扱うちょっとしたフェス、そして観光客。黄色に色づく上野公園にはスタバのコーヒーを求めて人だかりができている。対面のカフェには濃い黄いろの銀杏が満開だ。


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