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映画PSYCHO-PASS PROVIDENCEが示す人間が歩むべき方向性

テクノロジーによる未来のあり方を物語として展開する「SF」というジャンルがある。小説・漫画・アニメ・映画と他の国では考えられないほどのコンテンツがある日本は、他の追随を許さないほど秀でた作品があるが、そのひとつに「PSYCHO-PASS」が挙げられる。

Amazon Primeで映画「SYCHO-PASS PROVIDENCE」を鑑賞した。6本目のアニメ映画として公開された本作品は、警察を軸にしたSF作品。2012年にテレビアニメでバズり、アニメも3期、スピンオフを含めた小説は19タイトル出版されている。

本作品はアニメの2期と3期のスキマを補填するもので、鑑賞者はおあずけにされていた謎が解明されていったとおもう。見どころとなるポイントはいろいろあるとおもうが、間違いなく言えるのが雑賀譲二というキャラが亡くなったことだ。

メンタリスト・大学教授という立ち回りで、人間が積みあげてきた知性について触れるときはうってつけのキャラだった。特に狡噛慎也との意見交換シーンでは、いろんな社会学者や思想、物事の捉え方のコツなどが会話にでてくるので、痺れた人も多いことと思う。

雑賀譲二からのラストメッセージは「自分の住む家を間違えるな」ということ。人間は指示があったら反射的にこなしてしまう生き物。そんなとき、少しでも客観的に捉えることができれば、取り返しがつかなくなる前に抗う時間を担保できる。

自分のお気に入りのキャラがいなくなっていく世界は、心を蕭蕭とさせてゆく。詫びさびを魂に馴染ませながら、少しづつ塗り替えられる世界を受け入れていくしかないのである。


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