「やさしい日本語」
こんにちは!
1ヶ月ほどご無沙汰しておりました。
今回は「やさしい日本語」について取り上げてみようと思います。
なぜ突然日本語??
と思われるかもしれませんが、実は私は最近、日本語教育の勉強を始めたのです。
自身の知識の整理も兼ねて、まとめてみることにします。
●「やさしい日本語」とは?
難しい言葉を言い換えるなど、日本語に不慣れな外国人にもわかりやすい日本語のことを指します。
1995年に発生した阪神淡路大震災をきっかけに、広く普及しました。
震災発生当時、被災した外国人のために英語での情報提供が始められたものの、実は英語がわからない人が結構多かったようです。
英語だけでは限界があったというわけですね。
そこで、外国人に災害情報を
「迅速に」
「正確に」
「簡潔に」
伝えるために、考え出されたのが「やさしい日本語」です。
このやさしい日本語は、
日本語も英語も理解が困難な外国人への支援に活用されたり、行政窓口や生活情報の提供、観光の場面で活用されたりしています。
簡単な日本語に言い換えているため、外国人だけでなく高齢者や障がいのある人など、様々な人にとってわかりやすいというわけです。
●「やさしい日本語」のつくり方
やさしい日本語をつくる時の主なポイントは、以下の6つです。
①伝えるべきことは何かを考える
②1文を短くする
③難しい言葉は、簡単な語彙に言い換える
④曖昧な表現(「おそらく」「たぶん」など)は使わない
⑤文末は統一する(「です」「ます」「してください」など)
⑥漢字にはふりがなをつける
ポイントを並べられても、実際のイメージがつかみにくいと思うので、いくつか例を挙げてみます!
○「少々お待ちください。」
→「少し待ってください。」
○「携帯電話をマナーモードにするか、電源をお切りください。」
→「携帯電話の音がでないようにしてください。電話で話をしないでください。」
なんとなく、イメージはつかめたでしょうか?
言っている内容は同じことですが、より簡単な言葉を使った文になっていますよね。
●医療で用いる「やさしい日本語」
やさしい日本語は、医療現場でも効果を発揮します。
しかし、医療関係者へのやさしい日本語の認知度はあまり高くないのが現状です。
そんな中、順天堂大学医学部の武田裕子教授が、新型コロナウイルス感染症の検査の際に活用できる動画『医療で用いる「やさしい日本語」-新型コロナウイルス検査編-』を作成し公開されました。
この動画の特徴は
・患者さんの入室から検査終了後の声かけまでの流れをカバーしている
・通常使われる表現と「やさしい日本語」の表現を比較している
・イラストを交えたわかりやすい解説になっている
の3点です。
実際の動画がこちら↓
場面ごとに解説されていて、文字の色分けもされているのでわかりやすいですよね。
●「やさしい日本語」VS英語
別にこの両者を戦わせなくても良いとは思うのですが。
外国人の方を見た時、反射的に
「英語でコミュニケーションをとらなければ」
と思っていませんか?
少なくとも、私はそう思っていました。
(今も否定はできません。)
ですが、やさしい日本語の存在を知った時、はたしてそれは正しい考えなのだろうかと思いました。
「外国人」と一口に言っても、私たち日本人のように英語を母語としない人はたくさんいます。
そのような人に英語で話しかけることは、意思疎通という面から見て、「良い」と言えるのでしょうか。(良し悪しで判断すべきことではないかもしれませんが)
私は、頑張って英語で話すよりも、やさしい日本語で話した方が伝わるということも、実は結構あるのではないかと思います。
もちろん、英語をはじめとする外国語学習を否定しているわけではありません。
私も外国語学習者の1人です。
ただ、やさしい日本語がもっと広まることで、例えば困っている外国人の方を見かけた時に、声をかけられる人が増えるのではないかと思います。
私も人のことは言えませんが、困っている外国人を見た時に「どうしたのかな」と思っても、「英語話せないしな…」
と思って、声をかけることを躊躇してしまうことはありませんか?
そんなときこそ、やさしい日本語の出番だと思います。
これはあくまで日本語です。
私たちが普段話している言葉です。
日本語を日本語で簡単に言い換えるというのも、実はちょっぴり難しかったりするのですが、英語を話すよりは心理的ハードルが小さい…はずです。
実際、医療で用いる「やさしい日本語」の動画を作成された武田先生も、医療現場でやさしい日本語が普及しない理由について、
「外国人=英語という思い込みが、医療者の側にあるのではないか」
と説明されています。
なんだか、やさしい日本語は「誰もがハッピーになれる言葉」なのではないかと思えてきました。
●2020東京オリンピックとやさしい日本語
東京都オリンピック・パラリンピック準備局も、やさしい日本語に関するwebページを作成しています。
やさしい日本語は、多くの人が日本を訪れるオリンピック・パラリンピックのような場面では、かなりの力を発揮してくれそうな気がします。
それに、やさしい日本語は翻訳機との相性も良いそうで、いったん分かりやすい日本語に直してから外国語に訳した方が、意味の通る訳文になるらしいです。
まさに、人にも機械にも「やさしい」というわけです!
今回は、「やさしい日本語」について紹介してみました。
やさしい日本語は、国籍や年齢を問わず「誰にでも伝わりやすい」言葉だと思います。
まだまだ認知度が低いというのが現状だと思うので、もっと多くの人に知ってもらいたいなあと思う今日この頃でした。
今回も、最後までお付き合いいただきありがとうございました(^^)
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